パラオのミステリー、ストーン・モノリス
2014年 05月 18日
場所は島の最北部にあるアルコロン州。コロールから1時間ちょっと。
バベルダオブ島は、パラオ諸島のなかで最も大きい島、ミクロネシア全体でも2番目に大きい島で、新首都のマルキョクが位置していますが、島には熱帯雨林のジャングルやマングローブが生い茂った湿地が広がっており、開発はあまり進んでいません。
ストーンモノリスに着くやいなや、その見晴らしのよさ、展望の美しさに歓声を上げてしまいました。
少し階段を下りると、無雑作に並ぶ黒い岩が見えてきました。
近くで見てみますが、その黒い岩(玄武岩)が一体何を意味しているのか、読み取ることはできません。
無縁の墓標が立ち並ぶ姿にも見えますが、墓標にしては、ちと大きすぎるかもしれません。
人間の顔に似た、ストーンフェイスと呼ばれる岩もあります。
ストーンモノリスは日本のツアー客などはほとんど訪れない場所ですが、もし古代遺跡に興味がなくてもそこからの展望だけでも、十分に来る価値があります。
パラオの海はどこまでも透明な緑色。
観光客が滞在するコロール島・アラカベサン島周辺の海は透明度が非常に高く、海水は深い緑を湛えています。
沖縄の海を見たことがある人ならば、きっと、パラオには沖縄のようなきれいな海はないの?と思うでしょう。
その人たちが考える沖縄の海の色は、ミルクのような白みがかったコバルトブルーの海です。
私自身、パラオに着いたとき、パラオは海がきれいなはずなのに、沖縄(またはハワイ)みたいな色ではないことに戸惑いました。
しかし、その後パラオの海に実際入ってみて気づいたのは、この海はきれいすぎる(不純物が少なすぎる)のだ、という事実でした。
私の推測ですが、沖縄やハワイの海のように白みがかった色になるためには、海水中に適度の浮遊物があることが条件としてあるのではないかと思うのです。水中の浮遊物に太陽光が乱反射することで、海水が白いきらめきを増すのではないかと考えられます。
沖縄は近くに大陸があり、島自体にも小さな河川があるため浮遊物が適度にあるのではないか。ハワイ諸島は島の規模がある程度大きく島内に河川が発達しているため、島の周囲の海水は河水が混ざり浮遊物が適度にあるのではないか。
その一方で、パラオはバベルダオブ島以外は島が小さすぎて河川の発達が見られない。大陸までの距離も大きい。だから、海水の浮遊物が少なすぎて、太陽光が水中であまり反射することがないので、沖縄のような白みがかった海にならないのではないかと、そのように推測しました。
そのように考えると、パラオ随一の海の色の変化を見ることができるのが、ストーンモノリスがあるバベルダオブ島なのも合点がいきます。
バベルダオブ島は、パラオで唯一複数の河川が発達しており、また、西岸を中心にマングローブ林が多く繁っています。パラオの中でもこの島の周囲だけは、海水が富栄養で不純物を含んでおり、そのために、沖縄と同じ白みがかったエメラルドグリーンを見ることができるのではないかと思い当りました。
パラオでは、透き通った深い緑色の海ばかりを見ましたが、バベルダオブ島の北端に行き、パラオ内では初めてさまざまな色が交錯する海に邂逅したときに、海水の色の神秘に心を動かされました。
海の色にその島の環境が見える。そしてその向こうには人々の暮らしが見える。
そういう発見の連鎖が、旅の楽しみです。
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