寺子屋ブログ by 唐人町寺子屋

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2017年 06月 19日

テスト前に勉強をしないのは「やる気」の問題ではない。

1学期期末考査対策真っ只中の子どもたち。
加速度を増して学習に没頭している子がいる一方で、頑張っているみんなを横目で見ながらあまり何もやっていないように見える子もいます。

大切なテストの前に何もやっていない子を見ると、ご家族も心配になったり焦ったりすることと思います。

しかし、テスト前になってもなかなか机について勉強できない子どもたちと話していて、最近つくづくと思うことは、彼らは必ずしも「やる気」がないわけではないということです。彼らは勉強をやっている子と同程度に「勉強やったほうがいいよね」と思っているけれど、それが行動に移すことができていません。これは実は習慣の問題なんです。勉強の習慣がある子は、やろうと思ったらすぐに実行できます。でも、習慣がない子たちは、ある子たちと同程度の「やる気」では行動に移すことができないんです。

だから、習慣がない子たちに「あなたはやる気がない」と叱責してもなかなかうまくいきません。
他の子と同程度に「やる気」があったかもしれないのに、「やる気」自体を否定されて、むしろ動けなくなるかもしれません。

習慣というのは数日でつくものではありません。
だから、この子はこういうふうに育ったのねーと見守るしかないところがあります。

塾は、習慣をつけるきっかけをつくる場所だと心得て、子どもたちにあらゆる働きかけを試みていきたいと思います。


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# by terakoyanet | 2017-06-19 11:59 | 雑感・授業風景など | Trackback | Comments(0)
2017年 06月 19日

東浩紀さんのAERAの記事に対する評判について。

東浩紀さんのAERAの記事が一部の人たちの間ですこぶる評判が悪いようだ。


「原発は倫理に反している。これは必ずしも即時全廃を意味しない。悪いことだとわかっていても、やらなければならないときもある。」


悪いことだとわかっていても、やらなければならないときもある、なんて書くと、反原発派の人たちが怒るのも当然である。もうなんだか開き直ってしまっているようにも読めるこの文章は、予想通りと言えるが、安直すぎるという批判が多く寄せられているようだ。(しかも私が敬愛する人たちからも。)


しかし、私個人としては、東さんは至極ふつうのことを言っているようにしか読めない。

彼がこの文章で言わんとすることの主題は、そもそも原発の是非ではない。彼は単に、倫理に反しているということと、それを現実的に抑え込むということとは別の話であり、その間には飛躍があるのだという当然のことを言っているにすぎない。


今回、東さんが受けている批判は、実はこれまでの歴史の中で延々と繰り返されてきた、哲学者が甘受する誹謗と同じ類いのものであり、もはや古典的とさえ呼べる図式がそこにはある。それは例えばかつて夏目漱石が、余裕派と呼ばれたり、ポストコロニアル批評家たちに「植民地主義に無抵抗な作家」と揶揄されたりしたときと同じ誤解/誤読である。


夏目漱石が実際の政治を語らなかったのは、漱石の言葉を借りれば、それが「第一義の問題」ではないからだ。第一義の問題から離れたとき、人は不遜になり、嘘をつき、自分の傲慢さに無頓着になる。漱石の批判精神は、初期から後期の作品に至るまでその認識で透徹されている。いかに倫理的に政治を語ることが難しいか、そのことを漱石は認識していた。漱石は植民地主義に無頓着でも無抵抗でもなく、単にそれを語ることを自らに禁じたのである。自らの口で政治を語る人たちは、それがいかに正しい意見であっても、いや、それが正しいからこそ、その語りが不穏なものを呼び寄せることに気づかないのだろうか。政治を正しく語ることは、決して倫理などではない。


哲学者というのは「現実の問題」というのが存在すると疑わない人たちにとっては(それがまさかでっちあげられたものだとは信じたくもない人たちにとっては)いつも優柔不断な人である。何の実効性のある意見も持たないような「役立たず」で「自己満足」な「遊民」に見えるらしい。

彼らには哲学者たちが「現実の問題」を語る前に、「そもそも」の場所で踏ん張っているのが一向に見えない。(この哲学者たちのどうしようもない「踏ん張り」の現場を見たいなら、漱石の『虞美人草』に出てくる「甲野さん」の描写に括目してほしい。) 


東浩紀は良くも悪くも「哲学者」である。この記事の中でも基本的には倫理について語っているだけで、「現実の問題」を語ってなどいない。でも、原発という「超」がつくほどの現実味を帯びた話の中で倫理を語ってしまうと、我慢ができなくなって「現実的」に怒る人たちが出るのは当然である。


漱石は「現実の問題」を語りすぎる人たちを「動きすぎる」と制した。「動く」ことは「罪悪」だと言った。私が思うに、哲学者というのは「動く」という「罪悪」を知っている人たちのことである。でも、そういう人は軟弱に見える。軟弱で隙があるように見えるから、根拠もなく馬鹿にされる。振る舞いそのものが扱き下ろされる。その点で、東さんも今回、一部の人たちからたやすく馬鹿にされすぎているようである。(ちなみに私が今回書いていることは、東氏が漱石ほどに優れているとかそういう話では全くない。) 

しかし、繰り返し言えば、これはいままでずっと哲学者が人として真っ当に扱われず、鼻で笑われてきた歴史の繰り返しにすぎない。



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# by terakoyanet | 2017-06-19 11:02 | とらきつね | Trackback | Comments(0)
2017年 06月 19日

7月19日に、東浩紀『ゲンロン0 観光客の哲学』刊行記念読書会@福岡 が開催されます。

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今年、国内最大の話題となっている人文書、東浩紀さんの『ゲン
ロン0 観光客の哲学』の読書会が、東浩紀さん本人を東京よりお招きして唐人町とらきつねにて開催されます。

当日は各章ごとに概説が行われたあと、質問と議論が行われるという流れになりますので、『ゲンロン0』を既読の方はもちろん、未読の方もご参加いただけます。

19年前
の鮮烈なデビュー作『存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて』以来、日本の現代思想の中心人物のひとりとしての東さんの仕事を追ってきたコアな方から、現代の事象を「哲学」を通して考えてみたい、初めてだけど学んでみたいという方まで、さまざまな方のご参加をお待ちしています。
定員が30名と少ないため、じっくりと深くお話しができる会になればと思っています。

登壇者としては東浩紀さん
のほか、進行役に山内泰氏(ドネルモ・ふくしごと)、発表者として当方とらきつね/唐人町寺子屋の代表 鳥羽和久(寺子屋ネット福岡)、そして対話をする方として古賀徹氏(哲学者・九州大学准教授)というメンツでお話しを進めさせていただきます。

先日、とらきつねのお客様とお話ししていたときに、「哲学」と聞くと思わず怯んでしまうというお話をなさっていました。しかし、哲学は本来、皆に開かれているものです。哲学者と皆さんの間に素人の私(鳥羽)が発表者として参加することで、世界について、私について、考えてみたいと真剣な思いを抱いていらっしゃる皆さんがこれなら参加しやすいかも、と思ってくださることを願っています。東さんはもちろんのこと、古賀徹さん、山内泰さんのお話し、そして参加者の皆さん方の発言も楽しみにしています

東浩紀さんの文章は、大学入試にもたびたび出題されています。「ゲンロン0」は現在、東大の生協をはじめ、全国の大学生協で最も売れている本で、その内容は若い人たちを熱く惹きつけています。
寺子屋の生徒さん、保護者様も、ぜひご参加ください。


◇日時:7月19日(水) 開場18:30 開演19:00
◇場所:とらきつね 福岡市中央区唐人町1-1-1成城ビル1F

◇参加費:3800円(学生1800円)
※小学生以下は無料ですが、お子さんの声が漏れるときには、周りの方への配慮をお願いいたします。

◇申込方法:ご来店、お電話(092-731-0121/但しとらきつねの営業時間のみ)、とらきつねFBメッセージ、唐人町寺子屋お問合せフォーム(http://my.formman.com/form/pc/bzDGovvrrWXWHS7P/)のいずれかにてお願いいたします。6月16日に予約開始。

※当日はゲンロンの書籍販売が行われます。ぜひ楽しみにご利用ください。
※直前(前日や当日)のキャンセルはご遠慮ください。


◇登壇者プロフィール

〇ゲスト 東浩紀
1971年生まれ。東京都出身。哲学者・作家。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。株式会社ゲンロン代表、同社で批評誌『ゲンロン』を刊行。著書に『存在論的、郵便的』(新潮社、第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)、『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社、第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』(講談社)、『弱いつながり』(幻冬舎)など多数。2017年4月、2年半ぶりの単著『ゲンロン0 観光客の哲学』(ゲンロン)を刊行。

〇対話者 古賀徹 哲学者・九州大学准教授
〇進行役 山内泰 
NPO法人ドネルモの代表理事・㈱ふくしごと取締役
〇発表者 鳥羽和久 
㈱寺子屋ネット福岡代表取締役・唐人町寺子屋塾長・日本航空高校唐人町校校長、「とらきつね」店主。




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# by terakoyanet | 2017-06-19 10:48 | とらきつね | Trackback | Comments(0)