寺子屋ブログ by 唐人町寺子屋

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2017年 11月 14日

モンテ=アルバン遺跡

メキシコ最終日の早朝に、古代アメリカの祭祀場、モンテ=アルバン遺跡に。

古代遺跡やマヤ・アステカの遺跡は旅のテーマ〔メキシコのバロック〕から外れるし、あまり興味もなかったので行かないつもりだったのですが、良い天気に誘われて急遽行くことに。

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小高い丘の頂上にある遺跡は想像を超えて気持ちのいい場所でした。
古代アメリカ文明の最たる特徴をなす天文台もしっかり残っていました。
ここなら確かに宇宙人と交信できますね。
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by terakoyanet | 2017-11-14 11:58 | 好きな場所 | Trackback | Comments(0)
2017年 10月 09日

世界一幸福な町、サンミゲル・デ・アジェンデ

メキシコ中部に位置する世界遺産の町、サンミゲル・デ・アジェンデは、世界一幸福な町、そんな言葉も決して大げさとは思えないほど、多幸感に溢れた場所でした。

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日曜日は町中はたくさんの人たちで賑わいます。

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どこに行っても、町の人たちがみんな自然にフレンドリーであたたかくて、すごく居心地がいいんです。
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この町で考えたことは、以前こちらのページに綴りました。「弱者を他者に仕立てること」
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訪れたのは、9月最初の日曜日。
この日にこの町で結婚式を挙げた4人の花嫁を、町の人たちみんなで祝福しています。

この世にこんなに幸せな夜があるなんて。
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街角を歩けば聴こえてくるマリアッチ。
メキシコ音楽を聴くたびに、やっぱり音楽は技術じゃないよね、パッションだねー、パッション最高、と心でつぶやきます。
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サンミゲル・デ・アジェンデ。いままで訪れた場所の中でも特別に心に刻まれる滞在になりました。


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by terakoyanet | 2017-10-09 13:23 | 好きな場所 | Trackback | Comments(0)
2017年 09月 20日

美しきプエブラ

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昨日、メキシコで再び大きな地震がありました。震源地はプエブラ市(Puebla)近郊。
メキシコシティでも大きな被害が出ているようです。

9月7日の地震の際には私が直前の6日時点でメキシコのオアハカ州にいることをSNS等でお知らせしていたために、多くの方からご心配のメールやお電話をいただきました。(私は6日の午前にメキシコから出国していました。) その際はありがとうございました。

被災地の1日も早い復旧を心から願っています。
美しい街プエブラ。きっとまた訪れたいという気持ちで、プエブラのことをご紹介したいと思います。

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プエブラ大聖堂



メキシコは建物の壁画が楽しいんです。プエブラは煉瓦とタイルの街。
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土曜のマーケットで見つけたレタブロ(ブリキ絵/メキシコの奉納画)



プエブラは、メキシコ有数の美食の街としても知られています。メキシコのランチの時間は14時くらいから。その時間に合わせて、美味しいレストランがひしめくプエブラの街の中でも、地元の人たちに特に長く愛されている"Fonda de Santa Clara"に行きました。
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これ、なんだかわかりますか? こちらはプエブラ名物のモーレ・ポブラーノ(Mole Poblano)。
柔らかい鶏肉の上に、チョコレートとスパイスがブレンドされたソースがたっぷりかけてあって、それをチリペッパーが効いたピラフに絡めて食べる、云わばチョコレートカレー。これが絶品なんです!
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プエブラは、陶器の町としても知られていて、店内の壁にもたくさんタラベラ焼のお皿がかかっていました。
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そして、プエブラにも、目が眩むようなメキシコバロックの美しさを知ることができる聖堂があります。
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サント・ドミンゴ教会

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聖堂に入り、奥に足を進めていきます。
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そして、レタブロまでたどり着いたとき、その左手に現れるのが、ロサリオ礼拝堂です。
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採光窓の効果もあり、まさに天使が下りてくる場所という神々しさに包まれていました。


偶像を禁止したイスラム教が作ったアラベスクに、キリスト教の天使の顔と、古代宗教の生命の象徴であるトウモロコシが合体したところにメキシコが凝縮されている。

『極彩色メキシコ巡礼』を著した小野一郎さんは、本の中でこの礼拝堂について、そう評しています。
メキシコの聖堂の面白さは、ただでさえカトリックとイスラームの文化が融合しているスペインの建築が、メキシコに入ってきて現地の人たちの生活感情と結びついて、さらに独自の発展を遂げたところにあります。


プエブラから30㎞余り北に進んだところにある、トラスカラ(Tlaxcala)市のすぐ東隣に位置する丘の上にある町オコトラン(Ocotlán)の聖母マリア聖堂、ここにもすさまじいメキシコバロックが存在します。

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聖堂を真っ直ぐ進んで、レタブロの右下部分に隠し扉のような入り口があり、そこに入ってさらに左手に進むと現れるのが、この聖堂の礼拝堂カマリンです。

私はそのとき聖堂内にいた神父が倒したマイクを立て直してたまたま好印象を与えた⁉こともあり、たまたま入って見せてもらえましたが、いつもこの礼拝堂に入れるのかどうかはよくわかりません。
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それにしても、この礼拝堂は、眩すぎて視点が定まりません。
隙間なく埋め尽くされた装飾と聖人たち一つひとつを見てもそれぞれにすごいのですが、それが一斉に視界に入るときに、何というか、人間の魂の蠢きをそのまま目の前に開け広げられたような、空間を乱射するエネルギーに圧倒されてしまい、身動きが取れなくなるような瞬間がありました。とんでもない場所です。
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メキシコのあの深い祈りの場所を思い出しながら、これ以上多くの人々が苦しまずにすみますようにと祈っています。




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by terakoyanet | 2017-09-20 12:29 | 好きな場所 | Trackback | Comments(0)
2017年 09月 15日

グランドキャニオン・ウエストへ。

9月の初めに訪れたメキシコは、アメリカ経由で入国したため、小学校の音楽の授業でグローフェの組曲を聞いて以来ずっと憧れていたグランドキャニオンに立ち寄ることにしました。

本当はトレッキングがしたかったのですが、今回はあくまでも立ち寄りということで時間がなかったため、ヘリコプター(&小型飛行機)でささっと行くことにしました。
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ヘリコプターはラスベガス市街に隣接するマッカラン空港から飛び立ちます。

飛び立ってわずか1・2分で見渡す限り荒涼な土地が広がっており、ラスベガスがまさに砂漠の中の大都市であることを実感します。(ラスベガスはケッペンの分類でBW[砂漠気候]です。地理B選択のみんな、覚えましょう。)
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そして、日本にある全てのダムの貯水量合計の1.6倍というすさまじい規模のフーバーダム上空を通過します。
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いよいよグランドキャニオン・ウエストへ。ファンタスティックです!
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コロラド川沿いの谷底に降りて散策しました。シャンパンでパンを喉に流し込み、長閑な朝を堪能しました。
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1時間ほど谷底を探索した後、ラスベガスに戻ります。
フライトツアーはヘリコプターと小型飛行機があります。どちらも乗りましたが、ヘリコプターのほうがお勧めです。低空飛行ができて目前に迫る岩肌を見ることができるし、飛行中の安定性も高いです。

社会(地理)の授業で使用する自前のグランドキャニオンの写真が確保できたことは大きな収穫です。
しかし、グランドキャニオンを見ていると、なぜだか心が乾きます。
精神がもっと潤いのある風景、文脈のある風景を求めているのかもしれません。

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by terakoyanet | 2017-09-15 11:30 | 好きな場所 | Trackback | Comments(0)
2017年 07月 05日

古代ローマの遺跡、フォロ・ロマーノへ

昨年、ローマに行って、はっきりと自覚するようになったのは、いまも生きている遺産は面白いけれど、死んでる遺産は面白くないということです。

教会巡りがなぜ面白いかと言えば、その場所がいまそこに住む人々の生活と直接に関わっているのを感じるからです。その点、古代遺跡というのは老朽化した古い箱庭を見せられているようであまり面白くありません。

フォロ・ロマーノは世界遺産の凄まじい遺跡ですが、すでに死んでいるという意味では面白さに欠ける場所でした。

でも帰ってきてしばらく経ってそのとき撮った写真を見ると、すごいな、と思わせるのは、遺跡がすごいのか、それともいまの写真の技術がすごいのか。

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古代遺跡は死んでいる、と話しましたが、実はローマには、死んだ遺跡が人々の生活風景にそのままなじんでしまったという風変わりな愛おしい場所もあります。

そのうちご紹介したいと思います。


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by terakoyanet | 2017-07-05 12:59 | 好きな場所 | Trackback | Comments(0)
2017年 05月 06日

宗像周辺の神社群 その1

今朝は、宗像・沖ノ島の世界遺産登録(しかし沖ノ島以外の構成遺産は登録を認められず)勧告についてのニュースが届いていますね。
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写真の中央にうっすら沖ノ島の島影が。(肉眼ではもっとはっきり見えました。)
九州島内から沖ノ島を眺望できるベストスポットのひとつ、福津市の大峰山展望台より。
2017年1月



昨日、私は妻の帰省で宗像に行きました。福岡市内に住んでいる人たちって、宗像に遊びに行く人はとても少なくて、宗像大社と宮地嶽神社だけは行ったことがある人というのが圧倒的多数なのですが、宗像周辺には、宗像大社関連の神社以外にも、もうびっくりして開いた口が塞がらなくなるほど、素晴らしい神社がたくさんあり、私はチャンスがある度に、一つずつそれらの神社を訪れています。

昨日は、宗像市の隣、岡垣町にある高倉神社を訪れたのですが、いい空気が流れる素晴らしい場所でした。
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1月に訪れた宗像市内の八所宮は、地名「赤間」(元は赤馬) の由来と言われる場所。
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そして、宗像市の漁港がある鐘崎に位置する織幡神社は古代から宗像大社と並ぶこの地の名神大社として栄えました。現在では海女発祥の地としても知られています。こちらは昨年の夏に訪れました。

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この神社が位置する小山を佐屋形山と言い、階段を登った先に現在の本殿があります。
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美しい海も見えます。せっかく鐘崎に来たのですから、抜群においしい海鮮料理を食べて帰りたいところです。

宗像周辺の神社については今後も少しずつご紹介しようと思います。



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by terakoyanet | 2017-05-06 12:16 | 好きな場所 | Trackback | Comments(0)
2017年 04月 28日

朝のバグタプル

カトマンドゥから車で30分ほどの場所にある古都バクタプル(Bhaktapur)。
映画『リトル・ブッダ』の舞台としても知られる、ネパールで最も美しい古都と言われることもあるこの場所は、2015年の大地震で大きな被害を被りました。

私は今年の4月の初めに行きましたが、現在も跡形もなく消えてしまった建物があったり、復旧工事中の建物が多数あるものの、古都独特の美しい雰囲気は健在で、バクタプルの町はこれからも世界中の人たちを魅了し続けるだろうと思いました。

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バクタプルの朝。朝早いわりにたくさんの人たちで賑わっています。
それでもカトマンドゥの喧騒に比べたら、ずっとのんびりした雰囲気です。車に怯える必要もありません。

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トウマディ広場(Taumadhi Square)のニャタポラ寺院。カトマンドゥ盆地で最も高層のこの寺院は、1700年頃の建造とバクタプルの主な建築物の中では比較的新しい方なので地震の被害は軽微で済んだようです。
この建物が残ったことは地震のあとにバクタプルの人たちの希望になったと、茶店のスタッフから話を聞きました。

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建物に立て掛けられているように見える長い棒は、建物の倒壊を防ぐために据えられたもの。

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ゴールデンゲートと宮殿。宮殿は木彫りの窓が美しい。

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ファシデガ寺院周辺は損傷が大きく、復旧工事が行われていました。

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バクタプルは歩いて回るのにちょうどいい町の大きさで、主な見どころが集中するトウマディー広場からタチュパル広場までは歩いて10分程度。
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タチュパル広場に面したカフェで、朝食を食べました。
私はネパールでダルバートかカレーばかりを食べてすっかり体調が良くなっていたので、ここでもチキンカレーを注文。やっぱりネパールの人たちのスパイスの使い方はすばらしい。
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今回の地震で建物はたくさん倒れたけれど、でも、ネパールは昔から地震が多いから、建物は今までも何度も倒れてきたんです。でも、今回の地震でも木彫りの部分はほとんど損傷を受けていません。いままでも、建物は新しいけど木彫りの部分だけは古いという建物があちこちにあったんです。だから、私はあまり悲観していません。カフェのスタッフはそう話してくれました。(写真は木彫美術館)
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ネワール彫刻の傑作と言われる孔雀の窓 

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by terakoyanet | 2017-04-28 12:03 | 好きな場所 | Trackback | Comments(0)
2017年 01月 24日

ヴァチカン・サンピエトロ大聖堂

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ローマではヴァチカンの近くに滞在しました。肌寒い早朝に石畳の道をとぼとぼと歩いて、サンピエトロ寺院の目の前まで来たとき、何とも言えない温かい感動が体中を巡りました。そこは、小さい頃から憧れた場所でした。
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数日後にマザーテレサの列聖式を控えたヴァチカンは、とても活気がありました。
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大聖堂の内部、クーポラ、博物館。どれも本当に圧巻でした。
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今日は写真だけですが、少しずつお話しする機会があればと思っています。


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by terakoyanet | 2017-01-24 14:39 | 好きな場所 | Trackback | Comments(0)
2015年 12月 15日

雨のケルン大聖堂

ケルン大聖堂。世界にその名を轟かす、その巨大な聖堂に、私は行く前からあまりポジティブな印象を持っていなかった。

理由は、1つめに、大学院時代、私が敬愛する或る教授(その教授は妻がドイツ人で家が日本とドイツにある)が「ケルン大聖堂はつまらないよ」と言っていたこと。

2つめに、これほど著名な世界遺産の聖堂が、2003年に景観問題のために危機遺産に指定されたこと。(この指定は2006年に解除されたが。)

3つめに、私自身、日本や東欧の小さな教会(例えばクロアチアのエウフラシウス聖堂)に魅了されていて、大きな教会にさほど興味を持てなくなっていたこと。

というわけで、それほどポジティブな印象を持っていなかった聖堂にそれでも行くことになったのは、ケルンという場所のせいだ。ケルンはドイツのノルトライン(ルール地方)の交通の要所で、このあたりに滞在すれば、ほとんどどこに行くにしてもケルンを通らざるをえないと言えるほど。IC(高速列車)でぼんやりしているときに突如目に飛び込んでくる大聖堂の威容は鮮烈で、それを見たとたん、やはり一度は行っておかないとなと心変わりしたことをはっきり覚えている。

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一度はと思い立って3年、再びドイツに。クロアチアのプーラ空港から、今年5月の衝撃的な事故で評判を落としたジャーマンウィングスに乗って、ケルン・ボン空港へ降り立ち、そのままケルン市街に。

ドイツの空は本当に陰鬱なことが多い。この日も、あっというまに青空が消え、すっかり曇ってしまった。そしてとうとうぽつぽつと雨が。まだ9月だというのに雨がすごく冷たい。否応なしに本来抱いていた大聖堂に対するあのネガティブな気持ちを思い出す。この鬱々とした空の下だからこそ、哲学と音楽があれほど深化したのだな、そんなことも考えながら。

ケルン大聖堂へ。やはりでかい。
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近くまで来ると、もはやカメラで捉えられる大きさではなく、塔のてっぺんを見るためには大きく上体を仰け反らせなければならない。
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聖堂の中へ。こんなに大きな容積の空間に立ち会ったことがこれまでにあっただろうか。
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内部ではステンドグラスが輝いている。古くは13世紀のものから、20世紀のものまで、さまざまな年代のステンドグラスで彩られている。
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こちらは有名な現代画家ゲルハルト・リヒターによるステンドグラス。幾何学的なパターンが並ぶこのデザインは、ケルンの聖職者たちの間で大論争を巻き起こしたそう。
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壮大すぎて、目移りして大変でしたが、とにかくその規模、装飾の細やかさ、ステンドグラスの美しさと多彩さは、言葉を失ってしまうほどで、一見の価値があります。



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by terakoyanet | 2015-12-15 11:45 | 好きな場所 | Trackback | Comments(0)
2015年 11月 23日

マラケシュの神学校、マドラサ・ベン・ユーセフ

マラケシュで最も印象に残っている場所をひとつ挙げるように言われたら、迷わずマドラサ・ベン・ユーセフが最初に頭に浮かぶ。

マドラサというのは神学校(高等教育機関)のことで、ここベン・ユーセフは16世紀に建てられたマラケシュ最大の学校である。最大とは言っても、メディナの迷路の中で、何の変哲もない外壁に囲まれたこの建物を見つけることは容易ではなく、ツアリストたちは、地元の人―ときには炎天下の中、別の場所に連れ回されたあげく不当な案内料を請求するガイドたち―の世話にならないと、なかなかたどり着けるものではない。

ようやくたどり着いて、この建物の中に入った人たちの多くが驚きの声を上げるに違いない。
そこは、一歩足を踏み入れると、まさに別世界。
たった数秒前に味わった喧騒が嘘のような静寂。
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体に纏わりついた熱気をふるい払うかのように首を縦横に振ったあと、ゆっくり深呼吸をする。
そうやって心身の状態を切り替えると、とたんに眩暈がするような緻密な美しさが体の中に染みるように入っていくのを感じる。

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イスラム建築の美しさは、内部にその美を秘めているところにある。
外観だけを取り繕おうとする美が多い世界の中で、外観では想像もつかなかった精密な美の世界が内部に宿っているのを目撃するのは、それだけで非常に眩(まばゆ)い経験だ。壁面は鮮やかながら、すべてがアラベスクの幾何学模様で飾られているために、知性的な落ち着いた雰囲気を感じる。


マドラサが私に強く印象を残したのは、その建物が、全寮制の学校としての形をそのまま保存していたからである。鮮やかな壁面をもつ中庭と礼拝室の周囲は、2階建ての寮室群に囲まれていて、その寮室ひとつひとつを覗き見ることができた。
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寮室はとても質素なつくりで、外光をうまく取り入れることができる構造になっている。
この禁欲的な部屋で勉学に打ち込んだかつての学生の姿を想像した。

神学校と言ったところで、きっとほとんどの人にとって縁遠いものと思われるに違いない。
でも、私自身は人生で、神学校という存在を身近に感じた時期がある。

私は実家がカトリックで幼少のころから毎日教会に通っていて、少年時代に、約十年もの間「ミサ答え」と呼ばれる神父の侍者を経験した。そして、中学に上がるときに、教会の神父やシスターたちから「神父にならないか」と声がかかった。ひとつ上の姉が、すでに修道院に入っていた私にとって、その誘いはあまりに現実的で切実な声で、大人の声に応えなければならないのだろうか、と考えた時期があった。でも周囲の懸命な教えにかかわらず神の存在の是非についてさえも保留していた私は、自分には意志も適性もないということがわかっていたので、それを拒否した。人生で初めて意識的に自分の意志を示したのはこのときだったと思う。

普通の公立中学校に入って驚いた。突然、大人たちが本音で語りだしたように見えた。こんなに醜い世界に住んでいたのかと、大人の偏狭さと、学校という狭い世界で起こるさまざまな理不尽さに慄(おのの)いた。
小学校からの大切な友人、最も身近な友人がいじめに遭った。彼は成績優秀で頭の回転が早かった。そして嫌味にならないユーモアと優しさを兼ね備えていて、私はそのキャラクターが羨ましかった。そんな彼が、「ガリ勉」のレッテルを貼られ、その人格を矮小化された結果、一部の人間に疎まれ、単なるストレス発散のはけ口として暴力を振るわれた。それが日常的に続いた。何もできない私は何度も学校の先生に相談しようと思った。周りの友人たちは自分の身を守ることで精一杯だったのか、誰もそんなことは口に出す雰囲気はなかった。次はわが身なのである。もう諦めている、というか、ただ我慢していまをやり過ごす、そう考えているように見えた。先生に相談しようと私は手紙まで書いたが、結局のところ渡せずじまいだった。私が単に意気地なしだったのであろうが、そのときは信頼できる大人がいないことを恨んだ。なぜ大人の誰かが手を差し伸べてくれないのかと思った。

ある夜私はおもむろにふとんから出てふとんの上に跪(ひざまず)いた。そして人生で初めて神様に祈った。
「○○くんを助けてください。○○くんを助けてあげられなくてごめんなさい。」
その夜から、毎晩親に気づかないようにふとんから出て、ふとんの上に跪き、神様に祈った。「○○くんを助けてください。」
祈りをささげるときにぶるっと震えながらつけた、電気ストーブの肌を焼くようなひりひりとした熱さを昨日のことのように思い出す。


マドラサ・ベン・ユーセフの質素な寮室を覗き見したとき、神と近しかった過去のことが鮮やかに蘇った。かつてこの部屋で学問に勤しんだ学生の孤独に懐かしみと親しみを覚えた。
きっと学問と祈りというのは近接している。学問は、祈りと同じような深厚な動機がなくては、成しえないもの、私にはそう思える。私にとって、祈りはやや縁遠いものになってしまったけれど、マドラサ・ベン・ユーセフは、学問と祈りとが折り重なる場所として、私に深遠な印象を残した。



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by terakoyanet | 2015-11-23 04:42 | 寺子屋エッセイ(読み物) | Trackback | Comments(2)