奥嵯峨野 愛宕念仏寺と化野念仏寺
2010年 05月 05日
愛宕念仏寺は嵯峨野の一番奥側に位置する寺院で、嵯峨野巡りの始発点として知られています。(とは言っても多くのガイド本では紹介されていません。)
寺のすぐそばには心霊スポットとして全国に名を馳せる清滝トンネルがあります。
にぎやかな嵐山から訪れると、この地はあまりに静謐としていて、耳を澄ませば鳥の声、だけでなく霊の声まで聞こえてきそうな場所です。
しかし、霊感がはたらかない私は、その土地に似合わない溌剌とした風情のまま、愛宕念仏寺を訪れました。
*この写真のみWikipediaの写真をお借りしました。
本堂は鎌倉時代中期に創建され、国の重要文化財に指定されています。愛宕念仏寺は、幾度も興廃を繰り返しましたが、寺を現在の形に復興させたのは、京都の三十三間堂の観音を600体も修復したことでも知られる東京芸大教授にして仏師の故西村公朝氏とのことです。
1981年、公朝氏の呼びかけにより全国の一般参拝者による羅漢彫りが始まり、1200体もの素人手彫りの羅漢が境内を埋め尽くすことになりました。
1つ1つの羅漢の表情に個性があって見入ってしまいます。
私も羅漢を彫るなら漱石の本を大切に抱えたいです。
羅漢を彫るという作業は祈りの行為です。
羅漢の表情から伝わる祈りの心が、宗派を問わず私たちの心の琴線を穏やかに揺さぶるのでしょう。
愛宕念仏寺を出て、嵯峨野の散策道へ。
寺を出てまもなく、朱色の大きな鳥居を過ぎると、江戸時代創業の鮎料理屋や古民家を利用したお土産屋が並ぶ散策道に入ります。
こちらの散策道沿いのお土産屋さんは、職人が作った手芸品を扱ったところが多く、とても興味深いものばかりでした。
たくさんお土産を買いましたが、わたしの一番のお気に入りが、こちら。
散策路途中にある化野念仏寺を訪れました。
こちらは化野に散在していた多くの無縁仏を掘り出して集めたものとのこと。おびただしい数の石塔でした。(境内に8000体あるとのこと)
境内奥に美しい竹林があります。
奥嵯峨野の鳥居本周辺にある2つの念仏寺のご紹介でした。
鳥のさえずり、山の香り、苔の緑と石像・石仏がつくる独特の景観。
嵯峨野の風情ここに極まれり、と言いたくなるような、魅力的な場所です。
特に愛宕念仏寺の千二百体の羅漢はとても興味深く、また別の季節に訪れてみたいと思いました。
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