ヴェンティミリアのロビー

イタリアのヴェンティミリアに滞在していたときのこと。

La Riservaホテルの客室から見えた、霧の中にある古代遺跡のような建物。
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ホテルのロビーで、オーナーの男性にこの写真を見せながら
「これは何?お城ですか?」
と尋ねると、
「そうだよ。キャストルだよ。古代ローマのお城だよ。」
という話。
「歩いて行けますか?」
と尋ねると、
「楽に行けるよ。歩いて5分だよ。」
と言うので、このでっかい男性の脚なら5分だろうけど、私たちは10分はかかるかな、と思いながら、「ありがとう」と言って、キャストルまで出かけることにしました。


私たちがホテルを出ようとすると、ホテルで飼われていると思われる犬がうれしそうに軽いステップを踏みながら私たちのもとにやってきました。

私はこのときなぜか直感で「この犬はきっとキャストルまで連れていってくれるにちがいない」と思って、キャストルへの道順なんか全くわからないのに、彼についていくことにしました。

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やはり彼は私たちを先導しているようです。(彼の名前を忘れてしまったので、仮に「ロビー」としましょう。ホテル犬だけに。)

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ロビーは道草をしながらも、淡々と私たちをしかるべき場所に連れていってくれるようです。


そして歩いて10分弱で
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着きました。ローマ時代の紀元185年に建てられたというこのキャストルは、1800年以上の時を経て、すっかり朽ち果てていました。

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展望のいい場所も教えてくれました。晴れてたら、もっときれいなんだよ、と。

ヴェンティミリア旧市街からフランスのマントン方面まで見渡すことができました。


私たちが帰るそぶりを見せると、ロビーはすぐに体を反して帰路の案内をはじめました。

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きっとお前はこうやってずっと長い間、ホテルのお客さんを連れていってくれているんだろうねえ。
ロビーは終始とても楽しそうで、彼が楽しんでいるようすを見ていると、私たちまでとてもうれしくなって、イタリアまで来てよかった…とつくづく思うのでした。
今回、ヨーロッパでたくさんの場所を訪れましたが、こういうかえがたい時間こそが一番の思い出です。


ホテルに到着。
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ホテルに着くと、ロビーは役目を終えたことを察知して、一目散に自分の小屋?のあるほうへ駆けて行きました。ホテルの入り口には初老のフロントマンがいて、「あの子といっしょに行ったのかい?ロビーはこのホテルのマスコットなんだよ。」と歌うように楽しそうに教えてくれました。

ロビーと過ごした時間は、不思議なくらい穏やかな空気が流れていて、忘れがたいものとなりました。

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by terakoyanet | 2010-10-29 11:58 | 寺子屋エッセイ(読み物) | Trackback | Comments(0)