計算の工夫をしよう!
2010年 12月 03日
1200×700を
こうやって計算する子・・・。

思わず、
「ちょっと待って、、、いつもそうやって計算しとると(汗)!!??」
「はい、、うふふ(笑)」
「いやいや、大変だし、間違いやすいよ。小学校で習わなかったの?」
「全然(やけにきっぱり)」
ということで、簡単な計算を教えることに。

0の部分は置いといて、他の部分、この場合、12×7を計算する。すると84になるよね。
この84に、1200の0ふたつと700の0ふたつ、合計4つの0をつけて840000にして終了!
「ほーーーへーーーすごい~~~」
いやいやすごくないから。
でね、0の数が別に揃ってる必要はないよ。
例えば2000×600はどうなると思う?
2×6=12、えーと…
0は合計いくつ?
5つ
そう、ということは、
12ゼロゼロゼロゼロゼロ (と言いながら書く。)
そう、それでいいよ。1200000(12万)だね。
へーすごい~~
いや、すごくないよ。
この子に限らず、計算の工夫ができない子は多いです。
この前、ある子は計算の工夫を教えると、「偏差値が10上がった~」と歌うような声を出して個別指導室を出て行きました。
計算の工夫はあまり教えられる機会がないようです。
機会があっても、集団授業では自分のペースで教えてもらえないから、よくわからないうちに終わってしまうのでしょう。
しかし、計算の工夫ができることは、とても役に立ちます。
また、計算の工夫は、算数そのものの感覚を鍛えることと直結します。
120+99を筆算でする子がいます。
120に100を足して220にして1引けばいいやろ?と話すと、「へえ~~」とは言いますが、定着は難しいようです。計算の工夫自体が算数の力なのです。分配法則に慣れている子は、何も言わなくても、48×240+52×240をみたら、100×240をします。慣れていない子は単に方法が身についていないんですね。
計算の工夫で、もうひとつ、確実に身につけてもらいたいのが、小数の分数の工夫。
2.5(V)÷0.05(A)
この計算はそのままだと難しい。点を移動するという方法は知っていますが、点を移動するということが何を意味しているのか子どもたちはわかっていません。
だから、この計算の工夫をまるで初めて習うことのように次のように話すと子どもたちからは歓声が上がります。
2.5(V)と0.05(A)って両方小数がついてて、めんどいと思わん?
じゃあ、小数を整数にしてしまおう!
両方を整数にするには何倍かけたらいい?
「百倍!」
そう、実はこれが点を動かすってことなんやけど、まあとにかくそれぞれ100倍すると、
250(V)÷5(A)= 答えは何?
「50!」
そう、簡単やろ!
「お~~~」
じゃあ、練習。
0.35÷0.07
=35÷7
=5
正解!
200÷0.2
=2000÷2
=1000
正解!
12÷0.06
=1200÷6
=500
正解!
3÷0.075
=3000÷75
=40
正解!
という具合に練習までやります。
これを定着させるとオームの法則の計算ミスは劇的に減少します。
実は、これは小学校のときに習った、点をずらす、というやり方を式にしただけなのに、
この方法を教えると、子どもたちは感激するし、実際計算ができるようになる。
不思議なものですが。
実力の高い子の中には、計算の工夫が著しくできる子がいます。
例えば
2500×0.04=25×4=100 (←数学が得意な子の大部分ができます。割合[%]の計算でとても役立ちます。)
とか、
14×16=(14+6)×10+4×6=200+24=224 (←中2のK君はこの方法で瞬時に暗算をしました。)
とかを頭のなかでやってしまいます。
保護者の皆さまも、お子さんの計算の工夫力をぜひ試してみてください。
数学のテストのとき時間が間に合わない!と言っているお子さんがいたら、ぜひ計算の工夫の初歩をご家庭でも教えてあげてください。
唐人町寺子屋オフィシャルホームページはこちらです。
本館7F terakoya shop blog をぜひご覧ください。

中学生も高校生もよく原始的な計算をしますよね。細心の注意を払ってないと見過ごしてしまう子どもの習慣性に、切り込んだ先生の記事は圧巻でしたよ!
子どもたちの「計算のしかた」にアプローチする指導は個別指導でしかできないので、指導時間を大切にしています。