進路の決定についての問題提起

多くの中学生はまだ自分の進路を決定することができるほど成熟していない。
進路決定のための材料が圧倒的に不足している子どもに「あなたの意思はどうなの?」と進路の決定をせまるのは理不尽としかいいようがない。

結局、多くの子どもたちは周りの大人の意見を信じて(鵜呑みにして)進路を決定する。
子どもの将来は、親や教師といった複数の重力の作用のなかで選択されていく。

このこと自体は当然の成り行きである。
子どもが道について迷っているとき、そこで介添えをするのが大人の役割である。

ただしこの過程で大人に求められることがある。
それは、私利私欲が混じらない透明さと、子どもの将来に対する炯眼である。


したがって、

(1)
子どもの意思に基づいて決定されているように見えて、その実、親が子どもの意思を完全に制御している場合の進路選択は、子どもにとって不幸である。

(2)
親子の希望よりも、中学-高校間の事前の打ち合わせの中身がものを言うような進路指導(親子の意志を無視して中学-高校間の取り決めを押し通すような進路指導)は、決してあってはならないはずだ。

このことを進路決定における問題の提起としたい。

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by terakoyanet | 2010-12-08 12:49 | 連載(読み物) | Trackback | Comments(0)