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理不尽さを教えることもひとつの教育なのか

先日の期末テストの採点基準で、いくつか不明点があった。

これまでも学校の出題や採点で疑問に思ったことがある。
学力そのものよりも先生への忠誠を確かめる問題が出されることがあること、生徒が訂正を求めても先生のほうが意地になって訂正に応じないことがあること…など。



3年前には信じられないことが起こった。
ある生徒が英語のテストでcannotと書いた。模範解答はcan't。can notも正解。
しかしcannotはダメだと言うのだ。生徒側はcannotという書き方があることを日々の学習により確信していたにかかわらず、cannotなんて書き方はないと、その先生は主張した。

cannotという書き方は当然辞書にも載っているので、申し出た彼女に辞書を持って先生のところに行くようにすすめたが、結果として採点がくつがえることはなかった。




今回のテストでも少し不可解なことが起こった。

理科の採点で2.5と小数で書くべきところを5/2と分数で書いて不正解になった。
生徒たちには先生側を援護する声も聞かれた。「先生ちゃんと授業中に理科は小数で書くって言ってたやん」と。しかし私は果たしてそれが理由になるだろうか、と思った。

同じく理科では、水の電気分解の際に水酸化ナトリウムを入れる理由を答える問題で、「電流が流れやすいようにするため」という、どの問題集にも載っている模範的な解答を書いた生徒が△になった。学校の先生としてはもう少し踏み込んだ解答がほしかったのだろうが、それなら、設問段階でもっと条件を加えるべきだったのではないかと思う。


私たちも採点ミスにより生徒たちに迷惑をかけることがあり、子どもたちにごめんと謝ることも多いが、問題なのは、上記の場合、×や△をもらった子たちがなぜ×や△をもらったか納得できずにいることだと思う。話しを聞いた私も納得できなかった。

なぜcannotがだめなのか、なぜ分数で答えてはいけないのか、もし明らかな学術的な理由でもあるのならば、生徒もきちんとした説明を受ければ納得するだろうと思う。(もし理由も説明できないのであれば、採点自体の正当性がないということになる。)

満点を目指した子、はじめての80点突破を目指した子が、理不尽な採点でガッカリしているのを見ると、とてもかわいそうになる。

cannotのことを思い出すと、理不尽さを教えることもひとつの教育なのか、とさえ思う。
しかし先生が理不尽さを教える役を買って出る必要はないと私は思います。


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Commented by ラルゴ at 2010-12-15 20:03 x
これは永遠の課題というか問題です。うちの生徒にも「100点? そりゃ、おかしいよ。96点ならわかるけど。こんな出題が含まれているのに。」と言ったことがあります。
「その先生とのつきあいも、あと3か月。でも英語とのつきあいは、まだ何年も続くから…」とでも言ってあげるしかありません。
しかし定期考査の内容が検証されずに無批判に放置されているのは、なんとかならないものかとため息をつくばかりです。
Commented by terakoyanet at 2010-12-20 12:09
ラルゴさん、コメントありがとうございます!
ラルゴさん、と言ったら、これを見た本校の中3生は「あのテキストのラルゴさん!!?」と全員分かってしまいます。

定期考査については、もっと中学校の先生たちどうしが健全につっこみあう関係であれば変わってくるのではないかと思うのですが、なかなか難しいのでしょうね。
by terakoyanet | 2010-12-14 15:49 | 連載(読み物) | Trackback | Comments(2)