沖縄南部戦跡巡り

私はこの数年、太平洋地域のさまざまな戦跡(主に太平洋戦争の戦跡だが、その他も含む)を巡ってきました。そして、そのようすをこのブログにもアップしてきました。

原子爆弾を投下した爆撃機が飛び立った滑走路があるテニアン島をはじめとする北マリアナの戦跡タイの泰緬鉄道と連合国側の視点というものをまざまざと見せつけられたカンチャナブリーの戦争博物館"Thailand - Burma Railway Centre"、カンボジアの地雷博物館、ベトナムホーチミンの戦争博物館、日本軍の攻撃を受けたオーストラリア・クイーンズランドの鉄道と廃駅瀬戸内海に浮かぶ毒ガス工場跡とウサギの島-広島県大久野島など。


私は訪れても楽しくないばかりか気持ちが沈みがちになる戦跡になぜこれほど引き寄せられるのか、ということを今日初めて考えてみました。

なぜ戦争の跡をこの目で確かめる必要があるのか。
おそらくそれは、現在の私自身の問題、そして社会の問題、例えば、原発の問題、被災者の心の問題、それらが内包する種々の要素が、戦争という場では凄惨なほどリアルに目前に現れるからではないかと思います。戦跡の前に立ち、戦争の現場に耳をそばだてることで、私と私たちが抱える問題がいままでより身に迫る形で私の前に現れるのです。

今回の震災、特に津波の被害の現場では「戦争のようだ」という形容が多く使われました。
震災の映像を見、震災の被害状況を知った多くの人たちが、心を動かされ、それこそ真面目に自分ができることを考え、それを実行しました。
多くの人が善意を行使したことは、必ずしや現在逆境にある方々の力になると信じています。


しかし私たちがもうひと踏ん張り、いまだからこそ気づかなければならないことは、非常時だけ「いい人」になってもしょうがないということです。

私たち塾の先生たちは子どもたちにいつも言います。
「テスト前だけでなく、日ごろから勉強しなさい。」

これは私たちにも言えるのではないでしょうか。
災害時だけでなく、戦時だけでなく、日ごろから勉強し、日ごろから考えなさい。


私たちは日常の中での「戦争」について、もっと日ごろからよく考える必要があります。
日ごろ「戦争」に加担しておいて、いざ全体戦争となって自分の身が危なくなったときに騒ぎたてても遅いのです。

私たちの日々の生活、日々の選択について熟考し、私たちの心の中にある戦争の火種と向き合う必要があります。
今回のような災禍の教訓として私たちはこのことをどうしても学ばなくてはなりません。



私はいろんな場所に出かけ、戦跡を見てきましたが、日々の生活に忙殺されている私にとって、戦跡の前に立って、真面目になる時間、真面目に考える時間がどうしても必要だったのだと思います。
「忙」という漢字がりっしんべんに亡くす、つまり心を失う、と書くように、忙しさは人の心を損ないます。日々、心を失っている私は、どうしても極端に心を取り戻すような場を必要としているように感じます。



日本の本土では、戦争の傷跡を生々しく残す戦跡はわずかです。
しかし、沖縄にはまだ多くの戦争の生傷が残っています。
今回はそのごく一部のご紹介です。

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沖縄県糸満市摩文仁 沖縄平和祈念堂


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平和の鐘


平和祈念公園はとても広いです。公園全体が与える整然とした生真面目な印象が、ここが特別な場所であることを鋭く私たちに伝えます。
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両側に平和の礎が並ぶ園路を通って、平和の広場へ。
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平和の礎の中心に沖縄がある、という強いメッセージを感じます。
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これほど美しい場所で、南部の果てに追い込まれた住民たちが命を絶ちました。
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ひめゆりの塔へ。
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正式には沖縄陸軍病院第三外科壕跡です。
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この深い壕(ガマ)のなかに病院施設と、女生徒達の生活の場がありました。
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近くの第一外科壕跡や、陸軍病院本部壕跡も訪れました。
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これらの場所は決して物見遊山で行くようなところではなく、慰霊の場です。
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これらの壕ではまだ現在も遺骨の発掘が行われているそうです。
これらの壕は、地元の平和学習指導を行っている方に案内していただきました。

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南部を巡り、那覇の国際通りに戻ってきました。
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なんだかほっとしました。でも戦跡を訪れてよかったと思いました。


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by terakoyanet | 2011-04-09 05:10 | 雑感・授業風景など | Trackback | Comments(0)