『虹の兵士たち』 “Laskar pelangi(The Rainbow Troops)”

現在、福岡市総合図書館の映像ホールシネラではインドネシア映画特集ということで、連日インドネシア映画の秀作が上映されています。

一昨日、たまたま時間が合ったので、仕事の合間にリリ・リザ(Riri Riza)監督の『虹の兵士たち』“Laskar pelangi(The Rainbow Troops)” を鑑賞してきました。

本当に素晴らしい映画でした。過去に見た映画すべての中でも指折りの印象に残る作品です。10月8日(土・明日)の14時から、あと1度だけ再上映があるので、是非とも見ていただきたいと思います。

はじめのうちはうむうむと普通に面白い作品かなと思って見ていたのですが、途中の音楽祭の練習シーンあたりからは最後までググっと胸をつかまれっぱなしで、終わったときはちょっと放心状態でした。

話の筋自体は、子どもと貧困、貧困のなかの子ども教育の問題を描いた、ステレオタイプな物語です。しかし、登場する子どもたち一人ひとりが眩しいまでの存在感をもってきらきらと輝いていて、彼らの痛いほど真っ直ぐな視線を通すと、どんなにささやかな悲喜も大きな情感となって私たちの心に迫ってきます。そこで感じる情感は、他の凡庸な映画では決して味わうことのできないとてもとても温かいもので、自分自身の中にそのような感情があることを有り難くかけがえのないものと感じます。

舞台のブリトゥン島はリリ・リザ監督の出身地。この島でこの映画のために選ばれたという子どもたちは、演技というより素の表情を見せているとしか思えませんでした。

*ブリトゥン島は、日本でも高校地理で「バンガ島・ビリトン島はすずの産地」として習います。

<以下ややネタバレ>

話の筋は、決して私たちの情感を邪魔しないように組み立てられています。音楽祭での優勝も、クイズ大会での優勝も、私たちの臓腑に落ちるように話が丁寧に構成されています。

この映画を見て思い出したのが、少し前にヒットした『スラムドッグ$ミリオネア』"Slumdog Millionaire"。しかし、こちらの映画では、クイズ大会優勝シーンでちょっと強引な展開だなぁと思いましたし、最後の大げさな展開にヒロイズム的な臭みを感じてしまったのですが、こちらの映画はそういった少しがっかりするような場面や展開がありませんでした。


心に温かいものが残る映画です。
ぜひとも機会をつくって見てみてください。


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by terakoyanet | 2011-10-07 10:00 | 連載(読み物) | Trackback | Comments(0)