大英博物館のミイラ
2012年 11月 12日
こういう話、恐いけどみんな好きですね。
これ以降、棺やミイラの写真が出てきます。
苦手な方は閲覧をご遠慮いただければ。
大英博物館にはエジプトの王族の棺が多数展示されています。
女性の棺がたくさん…。
有名な赤毛(ジンジャー)のミイラをはじめ、いくつかのミイラが展示されていました。
生徒たちに大英博物館の話をすると
「写真撮影OKなんですか」
と尋ねられました。
日本の博物館と違って、海外の博物館は写真撮影可能なところが多いですね。
ミイラという人の亡骸を見て厳粛な気持ちになったかというと、そうでもありません。
炭化した人の身体を見て、改めて自分の身体も物質なんだという既知の事実を確認したにすぎません。
しかしながら、5500年前にこの世を去ったある女性は、まさか自分の亡骸が5500年後に世界で最も権威のある博物館の中で衆目にさらされるようになるとは思わなかっただろうな、と彼女のその数奇な運命に思いを馳せずにはいられませんでした。
同時に、そうやって5500年前の亡骸の前に立って、そしてそれをカメラに納めようとしている私はいったい何なんだろうということも考えずにはいられませんでした。
博物館に展示されているもの一つひとつは、私たちに人間のおぞましいほどの生への執着と、その裏にある人という存在の脆弱性を私たちに見せつけます。
しかし、それらが博物館という装置の前で一堂に並ぶと、それらが急に親和的な微笑みを湛えて私たちを迎え入れようとするのが不思議です。
大英博物館については、他にも興味深い展示が数多くありました。
気が向いたらまた記事にしてみようと思っています。
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