寺子屋ブログ by 唐人町寺子屋

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2013年 01月 12日

テレビでコクリコ坂があったんですね。

今日はテレビで「コクリコ坂」があったんですね。
今日の授業で2年生のある女の子が『「コクリコ坂」を見ようと思っていたのに。』と、ぷんぷんしているのを見て知りました。

見た方どうでしたか。
私は1年半前に映画館で見たのですが、とっても面白かったです。

良さがわからん・・・と特に若者たちの多くが言っていますが、
私は年を重ねてきたせいでしょうか。
堪能できました。

アニメ映画といえば、私は昨年「おおかみこどもの雨と雪」を見ました。
とてもいいですが、でも私は「コクリコ坂」のほうが好きです。
近年のジブリでは一番好きです。




以下は2年前に私が書いた感想です。
いま読むとちょっと斜に構えた文章ですが。

―――――


先日、ジブリの「コクリコ坂から」を見た。

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*ホークスタウン(生徒曰くホータン)のユナイテッドシネマにて。


ノスタルジーがつまった映画。

挿入歌に坂本九の「上を向いて歩こう」が使われていたが、私はこの曲を聴くたびに強い憧憬が心をよぎる。その憧憬とは、この曲が持つメッセージが真っ直ぐ人たちの心に届いていた時代に対するものだ。いまよりずっと純粋でずっと単純だった時代に対する憧れ。

一度、この映画の主人公たちと同じく1960年代に青春時代を過ごした人たちに尋ねてみたいところだ。本当にこのような時代はあったのですか?と。



話が逸れるが、2001年にウルフルズとRe:Japanが坂本九の「明日があるさ」をカバーした。
私はそのとき、この時代にこの曲をカバーするなんてバカげていると思った。
ニコニコと「明日があるさ」と歌う歌手を見て、なんて空疎なんだと思った。なんて無神経なんだと思った。バカにしていやがると思った。

集合写真でひとりだけ笑っていない人に、無理やり笑顔をつくらせるような強引さ。
「明日があるさ」と高らかに謳っておきながら、実際には「明日がない」というネガティブな共同体がはじめから前提とされており、それでもカラ元気を出して「明日がある」って言っとかないとねという強迫的とも言える所作を感じ、身震いがした。「明日がある」と言っている奴らが実際のところ一番ペシミストじゃないか、と思った。



で、本題に戻ってこのコクリコ坂。
すべての嫌悪すべきものが排除されていた。大人のいやらしいところなど微塵も描かれておらず、恋の駆け引きも何もなく、ただひたすらさわやかだった。その徹底したさわやかさにとても好感を持った。

この物語を観て強いノスタルジーを感じるのは、1963年を経験していない私たちであっても青年時代に体験したことがある真っ直ぐでひたむきな思いがそこに描かれているからだ。
実際のところ、私自身に真っ直ぐでひたむきな時代があったかどうかはわからない。しかしこの映画には、私自身がかつてこのような気持ちを抱いた時代があり、そしてこれからもそれを大切にしたい、と思わせる力があった。これぞ物語の力だ。

映画のディテールにも優れたところが見られた。
私たちの世代には全くなじみのないカルチェラタンのカオス的な雰囲気。
下宿人が描いた油絵から、海が旗をつけた船を発見する場面の色彩。
学校の理事長を廊下で待つ場面のコミカルな時代描写。
思わず笑みがこぼれるシーンがいくつもあり、観ながら穏やかな幸福感を感じた。


強迫的に希望的未来を押しつけるより遥かにすぐれた方法で、私たちに明るい未来のあり方を教えてくれるこの映画が私は好きです。


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by terakoyanet | 2013-01-12 00:07 | 寺子屋エッセイ(読み物) | Trackback | Comments(0)
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