宮古列島の歴史的遺構 来間ガー

宮古島といえばまばゆいほどの碧い海。

しかし、宮古島をはじめ、沖縄県の島々は概して晴天率が高くありません。
4泊5日以下の旅行では、1日も晴れなかったということも珍しくはありません。

沖縄の海は晴天のときと、曇天や雨天のときとでは、全く表情が違います。
本当に全く違うんです。

曇天や雨天のときにビーチに行くと、かなり残念な思いをします。
晴天のときの海がこの世のものとは思えないほど美しいために、そのギャップに泣くことになります。



だから私は、沖縄の島に旅する人たちは、天候が悪いときのために、海以外の楽しみを知っておくことを強くお勧めしたいです。

沖縄は独特の歴史と文化を持っています。
それは内地(日本本土)では決して見ることができない類いのものです。

沖縄の歴史的遺構は石灰石・珊瑚石を使ったものが多く、その外観が沖縄の固有性を際立たせます。
昔のまんま手つかずの姿で残っている遺構が多く、内地の整備された遺構に比べ、遺構が使用されていた当時の空気感がそのまま伝わってくるという意味で、沖縄の遺構の魅力は計り知れないものがあります。

また、沖縄各地には、民藝運動の柳宗悦らが称賛した伝統工芸がいまだに息づいています。
やちむんや紅型、芭蕉布、宮古上布…。これらの工房を訪れ、手仕事からしか生まれえない美しいものたちを見るだけで、沖縄に来てよかったと、心の琴線がことことと揺れるのを感じます。


今回の宮古の旅でも、海以外にいろんなところに出向き、いろんなものと出会うことができました。

伝統工芸センターで、おばあたちにまじって芋績み(ブーウミ)[宮古上布に使われる糸づくり]をしたり、作家さんの工房に行って宮古上布を編む困難について話をしたり、革工芸屋さんで工芸屋さんが大切にしていることや今後やりたいことを聞いてみたり、宮古一のスパイスカレー屋さんでお店をはじめるまでの話をきいたり、宮古唯一の三線工房に行って三線を作る過程を見たり、三線の表面に貼る蛇の皮を触ったり、夜には工房の三線教室に飛び入りして三線のイロハを学んだり、伊良部島の元漁師さんから漁業・農業と陰暦の関わりを学んだり。本当に楽しい時間でした。




前置きがとても長くなりました。
上記以外に、たくさんの歴史的遺構を訪れました。

今回、宮古列島を巡って、最も感銘を受けた歴史的遺構のひとつが、宮古島と橋ひとつで繋がる来間島の来間ガー。

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宮古の言葉で「ガー」とは泉や川など水が湧き出たり流れたりする場所という意味だそうです。内地語の「~川(ガワ)」と音が似ていますね。

タクシーの運転手によると、ここに観光客を連れてきたのは初めてとのこと。
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来間ガーは、来間島唯一の集落近くの海岸近くにあります。
1975年に宮古島からの送水が行われるようになるまで、この泉が来間の人たちの命の綱でした。

来間ガーの入口。長年、来間の人たちに大切にされてきたこの場所は、御嶽のような独特の雰囲気があります。
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保存状態が良く、その丁寧なつくりに感銘を受けます。
ここで生活していた人たちの体温が感じられる、とてもすばらしい遺構でした。

また、少しずつお話ししたいと思っています。


唐人町寺子屋オフィシャルホームページはこちらです。
by terakoyanet | 2013-04-05 09:47 | 塾長おすすめの場所 | Trackback | Comments(0)