宿題の出し方について考えること―2007.12.3―
2013年 05月 04日
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宿題の出し方は難しいです。
私が一番いやなのは、子どもたちが学校の数学のワークなどを答えを写して体裁だけ整えて提出するやり方です。
学校では生徒の人数も多いからだと思うのですが、明らかに答えを写しただけにしか見えないワーク提出があっても、ページ数だけこなしていれば、判定Aのマークがついてるということになることが多いようです。
でも私はどうしてもこれを許したくないという気持ちがあります。
だから、もし答えを写しただけの宿題提出だと思った場合は、しっかり指導します。
まず何のために私がその宿題を出したかということを考えてほしいと子どもに言います。
そしてその宿題のやり方のどこがまずかったのかというのを子どもの気持ちに訴えてわからせます。
さらに、子どもは答えを写すだけの宿題のやり方が悪いというのは実は重々承知しているのですから、承知していながらそんな宿題のやり方をするのは宿題を出した私への嘘と裏切りだし、本人にとっても時間と紙の無駄だということを言います。
以上のことを感情的にでなく、穏やかに、でもその内容は厳しく言います。
子どもは本来素直な子が多いです。
ですから、自分の気持ちで納得したことについては、できれば次には果たそうという気持ちを持ってくれることも多いです。
昨日は1年生の宿題で数学プリントの提出がありましたが、全員が答えを写すのではなく、しっかり解いてきた様子がうかがえてよかったと思いました。
宿題の出し方で難しいのが暗記モノです。
特に英単語は各人の覚える力にもかなり差があり、とても難しいと感じています。
今年の1学期は、1・2年生については、毎回毎回の単語テストの結果をその都度ご家庭に通知し、確認していただき、叱咤激励してもらうシステムを取りました。かなりの成果がありました。
ただ、お忙しいご家庭の一部では、時にご負担に感じられる場合もあったようです。
勉強のことは塾で指導してもらえればいいはずなのに、これでは家で宿題をやっただのやってないだの毎週何度も言い合いになってしまうと、しかもそれが続くと親としては言葉がなくなってしまうと、そういう気持ちを持ったご家庭もあったのではないかと思います。
ご家庭での指導あっての塾という側面は当然捨てがたいものの、勉強を見るという点について、それぞれのご家庭により、塾の役割と家庭の役割の分担の度合いについての考え方に違いがあるので、ご家庭参加の宿題確認の方法というのはなかなか一筋縄ではいかず難しいものがあります。
私は宿題というものは、先生と生徒の信頼関係を確立するために、とても大切なものだと思っています。
私は宿題をやってこなかった生徒に対して、かなりの精神的プレッシャーを与えつつ、指導をしています。
なかには宿題ができないプレッシャーに負けてしまって塾を去った子もいます。
本当はすべての子に宿題の意義を納得させた上で宿題を出せたら一番いいのですが、(個別指導はそれが成り立つことも多いのですが、)集団授業ではなかなかそこまでは難しいです。しかし適度なプレッシャーが各個人にかかることこそが、集団授業の強みでもあるわけです。
わたしは、集団授業における「宿題」という先生と生徒がつながるためのツールを今後も大切にしていきたいと思っています。
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