個別指導と集団授業
2013年 06月 26日
個別指導をする先生にかなりの力量がなければ、個別指導は相互依存、甘えの関係が成立しやすいし、宿題をやる強制力は働きにくいし、弱点はもろもろあります。もちろんその子の「わからない」点を掘り下げられる点は個別指導は素晴らしい。でも、教えられる側も教える側も「わかった」「わかってくれた」と納得=自己満足しやすい分、そのあとの適切な復習や演習がなければ、そのときの「わかった」ことがすぐに瓦解してしまうという単純なことに気づきにくいのです。
ある程度力がある生徒にとっては、集団授業のメリットは大きいです。
個別指導だと、どうしてもその子自身が無意識に抱いている「自分の限界」を突破することは難しい。
その点、集団授業では、ここまでのレベルまで達してほしい、という指導者の明確なビジョンのもと授業が進むので(そうでなければ集団授業を束ねることはできません)そのレベルまで達しようと努力することで、ときに知らず知らずのうちに自分自身の限界を突破し、私はいつのまに、こんな力がついたの!?ということだって起こり得ます。だから私は、集団授業には特別な魔法がはたらくことがあるということを知りつつ、その効用を生かしたいと思いながら指導をしています。
でも、魔法といえば、個別指導だってあります。
対話しながら教えているときに、あるひとつの理解をきっかけに生徒の中の疑問点が氷解し、まるで何かの化学反応のように、理解が新たな理解を生み、その理解の連鎖によって、生徒の視界が急に開け、目の前の生徒がいままさに新しい世界との出会いを体験しているという現場に立ち会うことがあります。そんなときは、生徒は興奮状態、私たちも生徒の頭の中の運動が、軽快でアッパーなジャズのリズムのように伝わってノリノリになります。そんなときに私は、生徒に魔法がかかった、と思います。これはきっと個別指導でしか味わえない類いのものです。
集団授業、個別指導、それぞれに長所と短所がありますが、こうした魔法の現場に立ち会えることこそ、教える仕事の醍醐味だと感じています。
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