玄海原子力発電所周辺の観光案内(2)-唐津市街-

いよいよ参院選直前ですね。
それぞれの政党や候補者が、原発についてどのような発言をしているのか、注意深く見極める必要があります。
刹那の悦楽に等しい原発の旨味を齧り続ける状況が是正されることを願っています。


今日書く記事は、先日書いた記事「玄海原子力発電所周辺の観光案内(1)」の続編です。この記事を書くに至った経緯については、(1)に書いていますので、読んでいただければ幸いです。

前回は玄海原発から半径10㎞圏内の観光案内をお届けしました。半径10㎞圏内だけでも、実に多くの見どころがありました。

今回はさらに驚くほどの魅力的な場所がある半径20㎞圏内、その中でも唐津市街にスポットを当ててお話しをしようと思います。(このシリーズは全3回でお届けすることになりそうです。)

今回の福島の事故では多くの人々が土地を奪われましたが、不幸にして20㎞圏内に全国的知名度の都市や施設、歴史遺産がほぼなかったことが、その悲惨さを過少に伝えることに寄与しています。
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福島第1原子力発電所周辺―濃い赤丸は10㎞圏内、赤丸は20㎞圏内



一方で、玄海原子力発電所から半径20㎞圏内には唐津市街がすっぽり入ります。
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玄海原子力発電所周辺―濃い赤丸は10㎞圏内、赤丸は20㎞圏内

佐賀第2の都市で、全国的にも知名度のある唐津市が原発事故のために蛻(もぬけ)の殻になるようなことがあれば、そのインパクトは計り知れないものがあるでしょう。(全国を見渡してみても、唐津市は、原発20㎞圏内にある都市の中で間違いなく最も知名度の高い土地のひとつであることは間違いありません。地図を見ると、なんて文化産業の集積度が高い土地に原発をつくったんだと驚かざるをえないのです。) 



唐津市街は、駅から歩けるごく狭い範囲に、たくさんの見どころがあります。

1回目の記事でも土平窯をご紹介しましたが、唐津といえば、やはり唐津焼です。

唐津駅から徒歩5・6分の御茶碗窯通り
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細い路地の先には
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苔むした登り窯が。大正時代まで使われていたというこの登り窯(唐人町御茶碗窯跡)は国指定史跡。



そして御茶碗窯(中里太郎右衛門窯)の展示館へ
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足元の美しい石畳に気を取られながら
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展示館に到着。立派な建物だなあ。
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中に入るとひんやりとした気持ちのよい緊張感がある空間。
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丹念につくられた器ひとつひとつを見る楽しさを実感できる、素晴らしい展示です。



唐津の町を歩くと、古い家と新しい家がまだらに混じりあっていて、残念ながら町並みの歴史的風情は中途半端と言わざるをえません。
しかし、あらゆるところに、古いものを大切にする人たちが暮らしている息遣いを確かに感じることができます。
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唐津城の周辺は、いくつもの美しい散策路があります。(夏は暑すぎますが。)
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海沿いの散策路の隣にはすぐに砂浜が広がっています。
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そして唐津城
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天守閣の上から、唐津市街を一望。
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ちなみに、城は坂道が多くて健脚でないと足がもたないよという方も、こちらの唐津城には斜めに上昇するちょっと不思議なエレベーター(有料:片道100円)があるせいで、無理なく天守閣の前まで上ってくることができます。



唐津城から程近い旧高取邸
次に書く記事(3)で触れることになりますが、唐津は日本で最も古い炭鉱の町という側面を持っています。
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旧高取邸は杵島炭鉱の経営者として知られる高取伊好の居宅で、能舞台や欄間を備えた驚くほど豪華な建物です。
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ぜひ内部を見てみてください。高取さんのお洒落さんぶりに感嘆すること間違いなしです。



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レンガ造りの旧唐津銀行。福岡出身の私は一見して「赤煉瓦文化館」(天神1丁目)に似てるなと思ったのですが、それもそのはず、赤煉瓦文化館と旧唐津銀行はどちらも辰野金吾とその弟子によるものとのこと。
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銀行の下は宴会場??なのか、下手な(失礼)「さざんかの宿」が聞こえてきて笑ってしまいました。



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旧唐津銀行の近くには唐津を代表するうなぎの名店「竹屋」があります。木造3階建ての歴史ある建物。
お櫃に入ったほかほかご飯を唐津焼の茶碗に入れて、そこに炭火の香ばしい香りはじける鰻をのせて食べるぜいたくを味わうことができます。

竹屋に行ったときにはある地元のおじいさんと話しをしました。
私が筑後出身と話すと、久留米の話で大盛り上がり。
唐津くんちの話になり、若いころは、くんちの騒動にまぎれて夜這いしたよとか、かなり豪快な話を伺いました。唐津の別の顔を見た、面白すぎたひととき。
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市民会館前の唐津くんち曳山展示場に行けば、館内に閉じ込められてなんだかそわそわしてそうな曳山たちを一斉に見ることができます。



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そして唐津を代表するもうひとつのお店といえば商店街の中にある「川島豆腐店」。こちらは販売だけでなく食事亭をもあり、夕食だけでなく、朝食を予約していただくこともできます。
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私は朝8時に予約して朝食を食べました。
店主の審美眼を感じる唐津焼でいただく豆腐のフルコース。
大豆にはこれほどに甘みと旨味があったのかと、心底美味しくいただきました。


商店街内にはいくつもの唐津焼ギャラリーがありますが、私が特に気に入ったのは「一番館」。
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こちらには現代日本を代表する陶工の中里隆さん(隆太窯)の作品をはじめ、オーナーの坂本さんが選び抜いた器が並んでいます。
ついついあれもこれもと欲が出ますが、日常使いできるものだけ買いなさいと、自分の衝動を抑えるのに必死になります。


長くなりました。

最後に唐津の名宿3つをご紹介。
唐津の名宿に共通する特徴は、魚介をはじめとするお食事が素晴らしいこと、そしてお食事を美しい器で楽しめること、近すぎず離れすぎない丁寧な接客を心がけていることでしょうか。



綿屋
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風格のある純和風旅館です。唐津では唯一温泉があります。
お湯にはあまり特色がありませんが、湯桶の美しさを見るだけでも、この宿が大切にしている粋なこころざしを感じることができます。




洋々閣
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唐津を代表する旅館といえば洋々閣。
唐津城から虹の松原側に橋を渡ったところにあります。
唐津焼のコレクションで知られる宿ですが、美に対する宿主の透徹したこだわりを感じさせるところに、この宿の最大の魅力があります。




水野旅館
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唐津城に近い風趣のある場所に位置する水野旅館。
古いながらも趣のある客室からは玄界灘を望むことができます。


旅館については今年中に宿泊する予定がありますので、改めて書きたいと思います。




今日紹介したのはすべて唐津市街の見どころで、全て徒歩で巡ることも可能です。
唐津という町は、町全体としての景観に統一感がないからか、一見して無愛想な表情をしているように見えますが、ひとつひとつ手を触れるごとに鮮やかな色彩がぱっと開けるような発見が生まれます。

奥深い唐津の旅をぜひ体験してみてはいかがでしょうか。


玄海原子力発電所周辺の観光案内第2回目は、唐津市街のご案内でした。
次回(最終回)は、唐津市郊外と玄界灘の島々について書きたいと思います。
(数か月後になりそうです。)

唐人町寺子屋オフィシャルホームページはこちらです。
by terakoyanet | 2013-07-19 14:02 | 塾長おすすめの場所 | Trackback | Comments(0)