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自分とふたりっきりで暮らす

いまFACEBOOKを見ていたら、谷川俊太郎氏がバカボンのパパに託して書いた一篇の詩が流れてきた。



自分とふたりっきりで暮らすのだ

自分のパンツは自分で洗うのだ

自分は自分を尊敬しているから

それくらいなんでもないのだ

自分がニコニコすれば

自分も嬉しくなってニコニコするのだ

自分が怒ると自分はこわくなるので

すぐに自分と仲直りするのだ

自分はとっても傷つきやすいから

自分の言うことさえきいていれば

自分は自分を失うことはない

自分は自分が好きで好きでたまらない

自分のためなら生命も惜しくない

それほど自分はすばらしいのだ





原詩では、ひらがな部分はすべてカタカナで表記。

バカボンのパパのセリフだからカタカナで書かれたわけだが、カタカナ表記で、且つ自恃を感じさせる内容が、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を連想させた。

私(たち)が日ごろ気疲れしているときというのは、たいてい、他の人の評価を気にしていたり、他の人に腹だっていたりする。

でも、そんなときこそ、投げやりになることなく、自分の心と対話しながら、しかるべき道を定めていきたい。




バカボンのパパの「これでいいのだ」という全肯定は、私たちの心を蝕む自己否定に対する最大の対抗手段である。

それは決して開き直りではなく、諦念でも思考停止でもなく、むしろ、否定の悪循環を停止する意志を持ち、そういった意志を持つ自分を頼みとすることが、私たちの生きる術であり、ひいては私たちの幸せにつながるということを示唆していると、私は考えたい。


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by terakoyanet | 2014-10-20 09:23 | 連載(読み物) | Trackback | Comments(0)