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2014年 11月 28日

国東半島芸術祭―明後日まで―

今年の10月4日から大分県の国東半島にて「国東半島芸術祭」が行われていましたが、その期間もいよいよ明後日11月30日までとなりました。
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会期中は6つのプロジェクト+1つの展示があり、パフォーマンスプロジェクトが行われる日もある中で、わたしは無理やり仕事の合間を縫って出かけたため、わずか2つのプロジェクトしか訪れることができませんでした。


大学時代、国東半島に初めて出かけたときの第一印象は「さびしい場所」。
国東半島では、阿蘇や九重のような、人に微笑みかけるような親和的な自然を見ることができません。

何の規則性もなくただ無雑作に山を覆う雑木林、延々と続く似たような田園風景。
そして盛夏の中で、国東半島の植物たちは、ただその暑さを身を縮めてやり過ごしているように見えました。

国東半島は瀬戸内に面しているために、山がちな地形のわりに雨量が少なく、九州山地の凄絶な生命力を持った森林を見慣れた人間からすると、生える植物、殊に森林たちが貧弱に見えるのです。

だから、そのような森林たちの間を縫って辿り着いた石仏たちも、ことさら繊細でか弱いものに見えました。
(その繊細さに惹かれ、その後2・3度足を運びましたが。)


日本全国の半島、殊に鉄道の便が悪い半島には、近代化後の開発を逃れた手つかずの自然や文化の足跡が残されています。国東半島はその好例で、神仏習合の神社や寺(跡地を含む)に向かう参詣道の石畳、それに寄り添うように佇む無数の石碑、石仏は江戸時代とそれ以前の姿をそのまま私たちに伝えます。

そのような手つかずの場所に、今回の芸術祭では一時的にではあれ、(見る人によっては)得体のしれない赤い人形(千燈プロジェクト・後述)などが持ち込まれたため、一部の方などは眉を顰める場面もあったそうです。

しかし、今回の芸術祭の素晴らしさは、そのプロジェクト自体が国東半島が本来持つ風景の美しさ、文化の深遠さに触れる機会を見る人に与えてくれたことにあります。

私自身、ペトロ・カスイ岐部というかつての殉教者に思いを馳せながら辿り着いた岐部プロジェクトでは、木製の教会に立って、そこから見える思いがけない海と姫島の美しさに感銘を受けました。そして千燈プロジェクトでは、国東半島の六郷満山の原型が残る千燈寺付近の雰囲気の中に、凝縮された時間の厚みを感じ、そして赤い人形に釣られて岩場を登った先にあった五辻不動尊からは、瀬戸内・中国を遠望する圧倒的な景観を見ることができました。まさにアートプロジェクトが、国東半島がもともと持つ魅力に私を引き合わせてくれたのだということを感じました。その意味ではこのプロジェクトは成功と言えるのではないでしょうか。

そんな芸術祭も明後日まで。あと2回は訪れたかった。
でも、今回の導きにより、国東半島に行く楽しみが大きく増しました。
半島内に訪れたい場所がまだまだいくつもあります。

以下はプロジェクトで訪れた場所の写真です。



◇岐部プロジェクト

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この芸術祭に国東半島の写真集も出している石川直樹さんという若い知性が参加しているのは幸運なことだと思います。彼の写真はとても素晴らしく、国東半島に濃密な時間が流れていることを改めて思い知りました。(※写真撮影は許可をいただいています。)


◇千燈プロジェクト
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by terakoyanet | 2014-11-28 12:56 | 好きな場所 | Trackback | Comments(0)
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