強行採決
2015年 07月 16日

昨日は明らかに違憲である法律が無理やりに強行採決されるという、近年稀に見る怖ろしい出来事が起こった特別な日になりました。
昨日の出来事に対する賛否は、支持政党や右左など、元の政治的信条が関わる話とは私には思えません。
安倍政権が行っているのは、立憲政治や民主政治の根本に対する挑戦です。それでも安倍政権を支持する人たちは、自身が立憲政治や民主政治の根本を犯しているということを、明確に自覚する必要があります。
支持者の中で、立憲政治の枠組みの中で安保法案が成立することの正当性を論理的に説明できる人がいるのでしょうか。もし論理的に説明できない人がいるなら、胸に手を当てて考え直すべきです。一時的な感情や情緒に振り回されて憲法をないがしろにすることがいかに危ういことかということを学ぶべきです。たくましい論理の構築物である立憲政治、民主政治のしくみに、もっと敬意を払うべきです。もしそうでないならば、自身が立憲政治、民主主義を支持していないということを明確に自覚すべきです。
強行採決後に「国民に丁寧に説明していく」という滑稽なことを安倍政権は言っています。自分とは意見の異なる国民の話などはじめから聞く気がないことは、野党とのやりとりを見ていても火を見るより明らかです。何より、明らかに違憲の法案を彼らは実際に可決し、今日にも衆院を通過させようとしているのです。これは本当にまずい。
戦争するための法律ではなく、戦争を回避するための法律。もっと冷静に考えて。そう支持者たちは訴えます。しかし、彼らは、その法律がなし崩し的に違憲状態を生み出すことを見ようとしません。「~するために」というような、あらゆる大義名分や理由付け自体が人間の狂気を生み出してきた、そういった反省の上に、最高法規である憲法の存在があることを理解していません。今回のような、政府の理屈によるなし崩し的導きに対抗するために憲法は存在しているのです。
安倍政権がいまさら立憲政治、民主政治に敬意を払っていると発言したとしても、それは詭弁です。
もし彼らが本気でそう言うのであれば、立憲政治、民主政治の本懐を知らない人たちが国民の代表者として働いているわけですから、私たちは彼らからその役割を取り上げなくてはならないでしょう。
私は普段、仕事中に政治の信条について話すことはありません。これは今後も変わりません。だって私が保護者様に求められている仕事はそれではないから。
しかし、今回はあまりのことだったからか、中2の生徒、高2の生徒、あるお母様から、それぞれ「安保法案についてどう思いますか」と質問や意見を伺いました。そして繰り返しになりますが、私は今回の問題は、内閣を支持するかというよりも、立憲政治を支持するか、というより根本的な問題だと思っています。ですから、今回だけは私が思っていることをここに少し書くことにした次第です。
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