原鶴温泉で
2016年 05月 05日
原鶴温泉のなかでも入ったことのなかった2つのお湯に入りました。(光泉と佐藤荘に入りました。)
浴槽に入る前、シャワーを浴びている時点で、お湯がヌルヌルしていて、これはすごいやと思い、浴槽に入ると、とろけるような湯ごこち。原鶴温泉ってこんなにすばらしかったっけと驚きました。(特に、佐藤荘さんはうたせ湯もあり、浴槽は清潔で広く、もちろん源泉掛け流し。本当に素晴らしかったです。)
5月5日の祝日、各地が賑わっているのに、そしてこんなにいいお風呂なのに、浴槽を独占してしまったことに意外なうれしさを感じつつ、ほてった体にさわやかな風をあびながら、おまんじゅうがおいしそうな近くの小さなお店へ。
そのお店でまんじゅうを注文すると、近所の目元がきりっとしたおばあちゃんに「あんたどこから来たとね」と話しかけられ、そこから、私は大刀洗出身で、原鶴温泉の橋を渡って筑後川の河原までよく来ていたこと、そこで菜の花やつくしをとったこと、久しぶりに入った温泉のお湯がすばらしくて驚いたこと、おばあちゃんは近くの小さな民宿ホテルを運営していること、おばあちゃんの風呂もいいけど私が選んだ2件はお湯がおばあちゃんのところと同じで間違いなくいいお湯だということ、おばあちゃんのお孫さんは福岡市の小笹でなんやようわからんしゃれたものを売っていること、そんな雑談をしているうちに先日の地震の話に。
あーんた、ここはなーんも被害受けとらんのに、なんか知らんばってんキャンセルとかがでて大変やったとよ。原鶴は、ゴールデンウィークでも、いつもほとんどの宿が埋まってないんに、今回の地震は、弱り目にたたりよ。(原文ママ)
被災は大変ばってん、ここはもともと被災してるようなもんやけん(ここでおばあちゃんとまんじゅうやのおばちゃん大笑い)、あんた、湯布院とか人が来んとか言うばってん、同情できんとよ。あんたみたいな若い人が来たいって思うものがここにはなーんもなかやろ。私らはいいお湯につかれればよかばってん、若い人はそれじゃものたりんのやろうから。〇〇旅館は3年前、若い人に使ってもらいたいってがんばってきれいに改装したんよ。でも、ここに人が来んから改装してもだれも気づかん。改装したのに人が増えんとよ。かわいそかよ。
被災というのは、日常から突然突き落とされる恐ろしさがあり、それはもう耐えられないものだけれど、一方で、日常から困った状況にある、そんな温泉地でふとこぼれるような話が聞けたことが、今日一番心に残りました。
私が行政だったら、吉井の町並みと原鶴温泉をむすぶサイクルロードや韓国のオルレのようなあそびマップを作るのに、どちらもすごい遺産を持っているんだから、そんなことを頭でグルグルと考えながら、帰路に就きました。
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