親の感情と子育て
2016年 07月 04日
ご参加いただいたご家庭の皆さま、ありがとうございました!
面談のときにした約束は、その後果たせていますでしょうか。
(めちゃめちゃ張り切っていたのに少し緩んできた子もいます。)
面談のときに、子どもの成績を伸ばすために、親はどこまで干渉していいのか、というご質問をいろいろなご家庭からいただきました。
その回答はご家庭によって異なる、という前提がありますので、とても難しい質問だと思いつつ、これは共通して言えるのではないかと思うことについて少しお話しします。
私は大学時代、妹の家庭教師をしていました。
兄弟だったらけんかになりそうなところなのですが、私自身、家族というフィルターで妹を見ることなく、他の家庭教師の子(当時7~8名の家庭教師をしていたのです)を教えるときと同じように指導することができました。
その結果、妹の成績は伸び、希望の高校に合格しました。
私はここで何が言いたいのかというと、親子間、家族間で教えるときの最大の障害はその関係性だということです。
親は子供に感情的になりすぎる。子どもは親に甘えすぎる。これで 教える-教えられる の関係が成立するわけがないのです。
以前、親が子供を叱るときのポイントについてまとめた記事がありますので、よければご参照ください。
親が子どもにきちんと何かを伝えたいのであれば、その感情的な関係をコントロールすべきです。
ときに感情的に「怒る」ことで、子どもに切実に伝わることもあるでしょう。
しかし、感情的に「叱る」ことは避けられなければなりません。
子どもに指導する際も、いかに子どもを、自分のさまざまな感情と切り離されて独立した人格として認めたうえで対話ができるか、そしてそれを一貫性を保ちながら継続できるか。子どもに伝わるかどうかはそこにかかっていると思います。このことは私自身、日々子どもたちと接しながらいつも心に留めていることです。
そんなことは親子では難しい。確かに難しいのですが、自らの心を振り返り、その感情をコントロールできるようになることは、きっと子どもへの大きなギフトになります。
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いまある学年の子どもたちの間で、寺子屋をやめた生徒たちが成績を急激に下げていることが話題に上っています。
うちの塾においても、どうしても年間に数人だけ途中退塾する生徒が出ます。
そのような子が、そのあと成績を急落させるという話は、毎年耳にすることです。
でもこれは別にうちの塾だけのことではなく、成績を伸ばすスキルがある塾ならば当然のことで、やめたら落ちるに決まっています。
塾をやめる子というのは、「成績が上がらないから」という理由でやめることが多いのですが、でも「成績が上がらない子」というのは、いま塾に来ている環境で、彼らが自分のペースで努力できる範囲で勉強して、いまの成績なのですから、塾という武器がなくなると、よほど、それこそ2倍も3倍も自分自身で真剣に取り組まない限り、成績が下がるのは当たり前のことです。それが難しいからみんな塾に通って、できるだけ効率的に学習を進めているのです。
そもそも「成績が上がらない」という判断を親がすること自体危険をはらんでいます。(よほど毎日つきっきりで子どもの指導をしていたら別ですが。) なぜかと言えば、成績というのは相対的なものであって、成績が上がっていないから、その子がいま悪い状況とは全く限らないからです。
塾をやめるとき、それが本人の判断であれば、そのあとうまくいくことも少しはあるのですが、それが親の判断の場合、勝算は低いです。その判断は感情的になされており、本当にその子に寄り添ったものであることが少ないからです。
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子育てというのは親の感情が絡むから難しい。
でもどうか、そういう感情を持つ自己を責めることがありませんように。
その感情自体は自然なもので、それは他のさまざまな感情と結びついている大切なもの。
自分についても、子どもについても、できるだけフラットに穏やかな判断ができるよう、考えていきたいですね。
私自身、修行の日々です。
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