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祖母のこと

今日は、認知症を患い、最近は食べ物もあまり喉を通らなくなった祖母に会いに大刀洗へ。

先々月に会ったときより痩せていて心配になったけれど、最近は会うたびに、また会えますようにと願ってさよならしているから、いまは会えたうれしさが静かに心を満たしています。

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祖母のいる部屋に見たことがないアルバムがあり、それを開いて見てみると、祖母や今は亡き祖父、幼き日の父と兄弟が写った写真が何枚も綴じられていました。

その中に、祖母(写真右端)がたくさんの子どもたちと写った写真があり、「これは?」と母に尋ねると、「おばあちゃんは保育所を作ったんよ。子どもの世話できる人を連れてきて。そのころは平戸にそういうのはなかったけんね。」との答え。初めて聞く話に私は驚き、写真を祖母の顔にぎゅっと近づけて見せながら「おばあちゃん、保育所始めたの!?すごいねー!」と大声で話すと、祖母はこのときだけ、ぎゅーーっと口を噛み締めて、全てのエネルギーを顔の中心に集めるような表情をして、おばあちゃん、認知症が進んで自分でお話しもできなくなって、いろいろなことがわからない、忘れてしまったと思われているけど、おばあちゃん違うよね、ちゃんと覚えているよね、この保育所のこと、この子どもたちのこと、だからいま精いっぱい何か伝えようとしたんだよね、そう思うと、ほんとうに祖母に保育所を始めたときの話を聞きたかったと思うし、胸の深くからこみ上げてくるものを感じます。

いま私の父は、大刀洗で社会福祉法人の運営に携わっており、海の星保育園(下のしゃしん)というところの園長を務めています。祖母が始めた保育所と、海の星保育園は、何も関係がないのだけど、でもどこかで繋がっているんだろうなとも思うのです。

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by terakoyanet | 2016-10-12 18:03 | 寺子屋エッセイ(読み物) | Trackback | Comments(0)