杖立温泉のみちくさ市へ

11月6日(日)の7時~10時の間に杖立温泉で開催されたみちくさ市に行ってきました。

2ヶ月に1度のペースで開催されている杖立温泉みちくさ市、本当は前日から宿泊して楽しみたいところですが、それはどうしても叶わないので、今回は早朝6時からN先生と出かけました。大分自動車道に入ってしばらくすると、目前にせまった山と山のはざまに雲海が広がっていて、初冬の朝の美しさをつくづくと感じながら杖立に向かいました。

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日田インターからはR212号線を南下します。熊本地震の影響で4カ月もの間通行止めになっていた国道。複数箇所が片側通行であるなど、現在でも影響が残っています。到着直前に「ここのダムによって沈められた集落はどんな町だったんだろう・・・」などと言いながら通過した松原ダムが、まるで台湾の絶景地として知られる日月潭さながらの息をのむ美しさで、初冬の早朝に出かけることで出会えたさまざまな景色に顔をほころばせながら、インターから40分弱でいよいよ杖立温泉到着です。

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普段の晴れた日のみちくさ市は、桜橋下の蒸し場前で行われているのですが、今回は11月となり外の寒さが厳しいため、「杖立温泉会館」が会場となっていました。こちらは杖立集落にかつてあった分校跡の木造校舎。
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私もN先生も、小学時代に木造校舎を経験した世代なので、廊下の雑巾がけしたよねーなどと話しながら、ワクワクと会場へ。

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地元旅館の料理人の方々(米屋別荘さん、旅館よろずやさん)が、地元の食材を最大限に生かしてつくった朝定食は予約制。当日に電話予約してみたのですが、定食完売で、私たちはアラカルト(写真)をいただきました。温泉水の蒸気を使ってつくられたお料理の数々。もう、本当に、お世辞なんていっさい抜きで、絶品!とてもとても美味しくいただきました。朝市でこれだけ本気のお料理が出るなんて素晴らしいです。

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(*このお写真のみ杖立温泉みちくさ市FACEBOOKページからリンクされていました穴井様よりお借りしました。)

◎11月 みちくさ市の献立

(A定食)
小国原木椎茸と黒豚の焼売 竹の子芋と栗 銀杏の餡かけ 冬至南瓜豆腐

(B定食)
肥後赤鶏のつくねみたらし餡 阿蘇高菜ピリ辛出汁巻き卵 小国大根の風呂吹き 紅葉麩

(AB共通)
蒸し野菜サラダ(かぼちゃ・人参・いんげん・甘藷・厚揚げ) デュッセル特製ソーセージ 山菜おこわ 味噌汁

(アラカルト)


―――

こちらのみちくさ市は、2004年から杖立温泉に住み、住民の立場からまちづくりにかかわってこられた、九大の専任講師、田北雅裕さんとそのゼミ生たちが、杖立温泉観光協会、住民の方々と協同して運営なさっています。会場に入ったとたん、フレッシュな女の子たちが明るい笑顔で迎えてくれるのですが、彼女たちが、田北ゼミ生の子たちですね。(写真撮らせてもらったらよかったです。)

早朝からのイベントですから、前泊してイベントの運営に参加する彼女たち。日ごろ考えていること、研究していることの「実践の現場」を見ることで、きっといろいろな刺激を受けるでしょう。特別な場所で特別な空気を味わうことができている彼女たちを(かつて同じ学生だった者の目線で)とてもうらやましく思いました。

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みちくさ市の会場では、いくつかのお店が出展されています。
今回の会場では、コーヒー(Carubon Companyさん)、ハンドクラフト(KIKORIさん)、お豆腐(小国のゆめさん)、パン(ASO DELIさん)などが出品されていました。

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私が会場の物販で買ったものをひとつご紹介。
こちらはなんと地元のみねおばあちゃん(御年98歳!)が味噌からつくった「にんにくみそ」。
アツアツご飯にかけて食べましたが、最高でした。

みちくさ市に参加する人たちは、朝日を浴びた杖立川沿いに立ち上る美しい湯煙を見ながらこの会場を訪れるでしょう。そして、出される朝ご飯を通して、そして物販とそこにいる地域の人たちを通して、杖立の、小国の素晴らしいところを次々に発見していくでしょう。さらに、朝市に参加したあとには、それぞれが気持ちのよい朝風呂に入りに行くでしょう。
そういったこの土地ならではのよいところと自ずと出会えてしまう。この朝市の魅力はそこに尽きます。なんて楽しい朝。

このような有機的な循環を生み出すことは、決して一朝一夕の思い付きでは不可能で、この土地に住み、十年以上土地と直接にかかわってきた人だから可能になったことがあると感じました。そこらへんのことも、今度の11月23日にとらきつねのイベントに登壇する田北さんに伺ってみたいなと思いました。

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朝食を食べ終わって外に出ると、朝霧が消え、青空が広がっていました。
杖立温泉の川沿いの景観と、温泉街らしい古い町並みは本当に魅力的で、もう心をつかまれてしまいました。

お風呂は、今回のみちくさ市でお料理を出された米屋別荘さんへ。(*入浴のお客様が不在のタイミングで撮影させていただきました。)
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源泉が直下にある、迫力のある温泉でした。打たせ湯があり、蒸し風呂もあり、清潔感のあるすばらしいお風呂でした。筑後川水系の温泉は、肌になじむ泉質のお湯が多いのですが、こちらのお湯もやはり柔らかな感触のお湯で素晴らしかったです。

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正午までに福岡に戻るというノルマがあった私たちは、後ろ髪をひかれる思いで再来を誓って魅力的な温泉地を去りました。

次回のみちくさ市は2月開催とのこと。楽しみですね。


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今回、私たちは時間がなくて行くことができなかったのですが、今回のみちくさ市の案内に載っていた「おすそわけ野菜のレストラン松原」さんもとても気になっています。

今回のみちくさ市では、来場者の方々がそのあとレストラン松原に行ってお食事をすれば、「小鹿田DE杖立プリン」をいただくことができる、という特典がありました。レストラン松原は杖立温泉から県境を超えたお隣の大分県日田市の中津江上津江地区にあるのですが、こういった、行政区を超えて協同してイベントを行う取り組みも、やわらかな実践をなさっている田北さんたちならではのアイデアだなと思いました。

レストラン松原では、この地区で暮らす高齢者の方々が自家用に育てた野菜を「おすそわけ」していただくことで、それを使用した料理を出されています。高齢者の見守りをかねたこのような取り組みのアイデア、とても面白いですよね。


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田北雅裕さん、坂口恭平さんが登壇するとらきつねのイベントは11月23日、勤労感謝の日に開催です。
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定員のため、お申込み受付は終了しています。



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by terakoyanet | 2016-11-10 11:50 | 塾長おすすめの場所 | Trackback | Comments(0)