もっと疑う力を。

もっと疑う力を。_d0116009_128428.jpg

この画像の問題は、二酸化炭素濃度の上昇が、いかに地球の平均気温を上昇させているかということを類推するという、中3理科で頻出の問題ですが、私はこの問題を指導するときに、強い懸念を覚えます。

この2つのグラフを見て、「二酸化炭素濃度の上昇にともなって、平均気温も次第に上昇している。」と答えることができた生徒は正解となるのですが、私は、このような問題に子どもたちを馴れさせたくないと感じています。

この2つのグラフだけを見て、その2つを関連付けることは、とても恣意的です。
この左のグラフが右上がりになっているからと言って、それが右のグラフに直接的な影響を与えているかどうかなど本来はわからないはずです。(もしそれでOKなら、代わりに何か適当に右上がりのグラフを持ってこれば何だって成立することになります。) それなのに、何の疑いもなく、この2つのグラフに相関関係があることを読みとらせる、これは、疑う力を鈍らせます。恣意的な情報操作に騙されやすくなります。

むしろ私たちに必要なのは、そこに本当に相関性が存在するのかを疑い、見極める力です。それこそが生きる力につながります。もっともっと「疑う」力をつけることが、私たちにはどうしても必要です。




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by terakoyanet | 2017-01-20 01:43 | 雑感・授業風景など | Trackback | Comments(0)