プウホヌア・オ・ホナウナウ
2017年 11月 10日
プウホヌアというのは、カプ(=Kapu|禁忌・英語のタブー"tabu"の語源)を破った者が罪の赦しを請うために訪れる地のこと。当時、カプを破ったものは死罪になるというのが通例でしたから、逆に言えば、その赦しを請うためのこの地がいかに特別な場所だったということは想像に難くありません。
同時にここにはカメハメハ大王の祖先をはじめ23人の王族の遺骨を納めた霊廟ハレ・オ・ケアヴェがあり、死後も骨にマナ(生命の力)が宿ると考えたハワイ人たちにとって、マナが充溢する神聖な場所でもありました。まさにこの地は、生と死の力が交錯する、ハワイ人にとって第一級の聖地であったわけです。
プウホヌア・オ・ホナウナウはこの土地にさえ来れば、全てのものからその生命が守られる、そういう場所でした。ですから、この場所では生命が失われてはならないのですから、普段は殺し合っている部族どうしでも、ここでは静かに話し合いをしなければいけません。この場所で争うことは決して認められなかったのです。
また、どんな凶悪な犯罪者も、この場所にさえ居れば決して罰を受けることがありません。そこでは全てが贖われているのですから。それだけではなく、この地で彼らの魂はこの地で清められるのです。
かつてプウホヌアは海からしか訪れることができない土地でした。カプの赦しを請うために、自由な魂を得るために、ハワイ人たちはまさに命がけでこの場所に辿り着いていたのです。
私はこの話を初めて聞いたとき、すっかり魅了されてしまいました。この場所にさえ来れば全てが赦されるプウホヌア。その場所を目指して海を渡ったハワイ人たちのことを考えると、私もその場所に行きたいのに、行かなければならないのに。そんな空想とも現実ともつかない考えで、頭の中がいっぱいになってしまいます。
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