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森田真生『数学する身体』を再読。

ロンドンに向かう飛行機の中で、先ごろ文庫版が出たばかりの、森田真生『数学する身体』を再読しています。
この本は、私の中では過去10年に出た本のうち、最も刺激を受けたもののひとつです。


不安の中に、すなわち間違う可能性の中にこそ「心」がある、そのことを知り抜き、数学を通して「本当の心」に辿り着こうとしたチューリング。
物理的な「個」の肉体の中に閉じ込められた「心」の本来の広がりを、数学を通して取り戻そうとした岡潔。

2人の数学者を通して見えてくるのは数学の真理のようなものというよりは、ふだん私たちが閑却の彼方に置いている、思考という営みを続ける私たちの身体の生成と動きそのものの姿。そして、むしろ私たちが日々求める真理のようなものが、いかに特殊で限定的な思い込みであるかということをまざまざと知らされるのです。驚異的なほど腑に落ちる本。


数学なんて無理、そう思う方でも大丈夫です。本に登場する、虚数も解析関数もわからなくていいんです。
わからないところは読み飛ばしても、この本の核心は掴めます。
だってこの本は、数学という名をまとった、哲学の、生き方の本ですから。まさにいま読むべき本です。

大人に、そして高校生に、ぜひ読んでほしい。
数学は、単に計算を扱う学問ではないよ。

現在、とらきつねで取り扱い中です。

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by terakoyanet | 2018-05-01 07:14 | おすすめの本・音楽 | Trackback | Comments(0)