西南学院中高の教職員研修会で講演を行いました。

昨日は、西南学院中学・高校の教職員様の研修会で講演を行いました。

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前半・後半各1時間ずつ、次のような内容についてお話しをしました。


前半

1 現代の宗教と学問について 

宗教が力を持たない時代/科学と宗教/歴史学について/正しさ vs 正しさ/
ピラトの尋問の場面に現れる他者性の問題/メタファーとしての宗教と哲学/
可塑性が「共通了解」の土台をつくる


2 実学偏重の教育
   
手段の目的化を疑わない実学/MITの教養教育・リベラルアーツ/
マラケシュの修道院/学問と祈りは近接している/祈るとは(池澤夏樹の文章)                      

3 現代の子育てを取り巻く諸問題  
 
唐人町寺子屋のこと/拙著『親子の手帖』について/親に伝えるのは難しい/植本一子さんのこと/
「正しさ」を探しまわる親たち/「きまり」について/現代の親の苦しさ/
言葉では伝わるという誤解/子どもに対して、祈り、接すること



後半

1 公私の対立を超えて 
  
社会の多様化と子どもの不安定化/壁になれない親/西南の生徒たち/
杉並区教育委員会の「哲学による教育政策」プロジェクト/公と私という二分法の弊害/
私を充実させることで自ずと公や社会とつながる/e-ポートフォリオの問題点/遊びと企て


2 人と人との間の作法
   
ユマニチュードについて/よい扱いとは/キュアとケア/相手の能力を奪わないこと
関係そのものに、尊重する要素が含まれている


3 関係性、それ自体が私なんだ
   
人と人との間を、地政学的に見る/世界は分けてもわからない(福岡伸一)/
私たちはひとつの現象である/関係そのものが私である/
アラン・チューニングの「人間の心」について/森田真生の「人間の心」について/タマネギの主体/
新しい西南に向けて ー教養の学府として、存在のゆりかごとして



宗教や信仰について、歴史学について、大学入試改革に対する懸念など、西南という場所だったからお話しできたことが多々ありました。本質的な話がしたいと思ってお話しをしましたが、先生方が驚くほど心の深いところから言葉を絞り出して、本音でお話しをなさっていたことが印象的でした。昼食時の先生3名の話は心に残るものでした。講演後の分班による話し合いの場でお会いした先生方はとても魅力的でした。そして、寺子屋の卒業生が西南の先生になって、会場にいた!とてもうれしかったです。

今後もこうして学校の先生たちと継続してお話しをする機会があれば、私にとっても有り難いことだと感じました。


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by terakoyanet | 2018-08-30 09:07 | お知らせ | Trackback | Comments(0)