今年最後の東京講演(『親子の手帖』お話し会)とその他のこと

先週、東京の文京区シビックセンターにて講演(『親子の手帖』お話し会)を行いました。
お話しをするのは今年6回目になります。(東京3・大阪1・京都1・福岡1)
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主催の香取さん、桜井さんは、心の深いところで話を感じてくださる人たち。再会を楽しみに出かけました。

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会場では、有志による手話グラレコが行われました。

手話を通してグラレコをするというのは、とてもチャレンジングなこと。

私の話 → 手話 → グラレコ(絵と言葉)
という経路で情報が伝達されます。

桜井さんは、「伝わる」ことより「伝わらない」ことを土台にコミュニケーションを考える人。
私は、「伝わる」と信じて疑わない人よりも、「伝わらない」ことを知っている人を信頼します。

そういう人が、手話グラレコに挑戦していることは面白いことだと思いました。


内容は、


親と子の間、人と人の間、私と私の間の話       

1 目の前の子どもは「他者」かもしれない

●今日お話しすること

●親と子のいびつな関係

●子どものことが「わかる」ということ

●彼女はそのままに世界を見ていた

<ブレイクタイム 旅の話>


2 皆さんからいただいた言葉から

  ●皆さんから事前にいただいていた質問に答える時間



その他にも、お子さんについて、人との関係について、深く、切実に考えている方々が参加されていて、大切な時間になりました。香取さん、桜井さん、時間がぎりぎりになって、ばたばたさせてしまい、ごめんなさい。



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来年の2月に附属福岡小で行われる「12歳からの哲学」と題した小学6年生の研究指導に参加することになりました。先日の打ち合わせでは、担当の先生が子どもや学校のことを真剣に考えていることがひしひしと伝わってきました。(先生は『親子の手帖』もしっかり読み込んでくださっていました。)


6年生に哲学的アプローチをするのは難しいことです。揺らぎやすい子どもたちの心が、さらに不安定化する危険があるからです。(だから本校ではディスカッション[哲学的な問いを立てて議論をする授業]は高校生のみに参加させています。高校生は、最も哲学に接近しやすい年代だと感じるから。)でも、日ごろから6年生を教えている身として、多くの子どもたちは「根本的な物事」については興味津津であるという事実を知っています。だから、面白くなりそう、という予感だけはすごくあります。




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『親子の手帖』はさまざまな場所で販売していただいていますが、糸島のくらすことさん(今年の夏にはカフェ「おやつと雑貨 くらすこと」をオープンさせて話題になりましたね)のご紹介が、丁寧でまじめで好きです



自我が芽生え、自分を確立していく過程にある思春期のこどもたちと向き合う親は、これでいいのだろうかと様々な問題に苦悩し、正解がないからこそ迷う。
子育てにマニュアルはない。どんな親かにより、どんな子かにより、その親と子の組み合わせよって、ベストな解は異なるからだ。

毎年、150人以上の子どもたちが通う、福岡市にある学習塾「唐人町寺子屋」の塾長を務める著者が、一心に子どもたち、親たちと向き合い紡がれた物語。
受験、成功体験、カンニング、発達障害、学力と差別、不登校、いじめ、夫婦関係、理解のある親、幻想の共同体、中1ギャップ、第三の居場所、スペクトラム化する社会、親の葛藤、子の自立…
それらはフィクションの形をとりながらも、ひとりひとりに真摯に寄り添って来た著者の道筋を、感じ見ることができる。

親ならば、できることなら辛く険しい道ではなく、最適と思える道を歩いてほしいという願い。
そんな願いや期待を捨て、目の前の子どもの声にただ耳を傾け、正直に対峙することでしか、答えはないのではないか。個と個とし、ひとりの人間同士として。
マニュアルはないけれど、そんな唯一の方法に気がつかせてくれる、親子の教科書のような本。
お母さんをはじめとする、子どもに関わる方々への精一杯の応援の気持ちも込められています。
子どもが思春期を迎える親たちにぜひ読んでほしい、そんな一冊です。

くらすことさんのカフェ、今年中にはきっと行きたいと思っています。





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by terakoyanet | 2018-11-12 15:35 | 行事・イベント | Trackback | Comments(0)