日々のつぶやき。

毎週高校生たちと、何で勉強するの?英語ってほんとうに必要なの?大学行く意味あるの?いまを犠牲にする必要があるの?お金になぜそんなに執着するの?とかいろいろディスカッションをしているけど、そのせいで彼らの生きる気力が奪われることは全くない。きらきらしてる。



東大王が大好きな子どもたち多い。少し前まで、これからの時代、知識だけの「コンピュータ人間」なんてつまらないよ(外山滋比古)だったのが、一周廻って、コンピュータみたいな人間ってすごくね?ってなってる気がする。



勉強にのめり込むことは、自らの孤独を知るのと同義だと、大学受験のために研鑽を重ねる高校生を見ながら感じることが多々ある。



若い世代は特に「何かにつけて反対する人は空気が読めない(共感の共同体を乱す)面倒くさい人」という認識が強烈で、自民党はその心理を戦略的に利用している。野党はとにかく戦略が足りない。


勉強が苦手だと言う小6男子。テスト中に手が止まった彼と目が合ったから「がんばれ」と口の動きで伝えると、彼は口元をぎゅっと結んでもう一度答案に取り組み始めた。その一瞬の彼のまっすぐさがいとおしくて、相対的な苦手意識より彼の中にある絶対的な好きこそを発掘して一緒に味わいたいと思った。


いまだに手を出すことだけが暴力と思っている人がいる。先日はある中学校で、数か月ずっと悪口を言い続けた子よりも、それに対して1発だけ悪口を言う相手を殴った子の方だけに指導が入り、謝らせるという出来事があった。悪口を言われ続けた子がどれだけ辛かったか。


こういう話を書くときは「一般化したふり」で書いているけれど、実際には「昨日〇〇なことがあったから書いた」というふうに具体的なきっかけがある。つまりいつも「宛先のある届くかわからない手紙」を書いている。


最近すごく実感するのは、ブログで発信している海外の旅の話は子どもたちの食い付きがすごくて、他の勉強とか教育とかの話よりずっと、多くの子どもたちに直接の影響を与えているということ。内容とかじゃなくて、写真だけで充分な刺激のよう。


中2のTくん、「え~!ほんとー!?」というシチュエーションのたびに、「マジすか学園!?」と言うの、ぜんぜん面白くないからそろそろやめてほしい。


二者間に意見の対立があるときには、それぞれの意見が「どちらも正しい」という一見矛盾と思われることが案外いちばん多いという現実を痛みを伴いながら受け入れることから始めた方がいいと思う。


ツイッター上の、相手の思想背景を鑑みずにイメージでその人を非難・否定するやり方を見ると、その人自身のトラウマが、反射的に感情的に「殺される前に殺してやる」という刃(やいば)を振らざるをえなくなっているのが見えて怖ろしくなる。止むに止まれぬ「殺される前に殺してやる」にどうやって抗することができるのかを考えることが、平和について考えるということではないか。


人に説諭ができる人の感受性について考えると地獄のような想像しかできない一方で、日ごろ教え諭す立場とされている人たちというのはそういった傲慢さと紙一重のところに立っているのだろう。


・・・


『旅をしても僕はそのまま』


今年中にナナロク社から出る予定の新刊に先駆けて、

本校の出版部門、啄木鳥社から初のZINEが先日発売になりました。

店頭ととらきつねBASEにて同時に発売開始です。

全国のいくつかの書店でもお求めいただけます。



旅をしても僕はそのまま(啄木鳥社)
文・写真 鳥羽和久  絵 馬場通友
本体 594円


もくじ

残照
バワの残響
レインボーカラー
罪について


本文より


旅という行為から剰余として溢れ出す、隠喩に彩られた濃密な思索は、読む人を捻じ伏せるように圧倒し、そして時にひどく悲しくさせる。-「残照」より-


道具を介して行為することは、おそらく知らず知らずのうちに、私たちの中に或る思考の型をつくる。だから、私たちが道具を使うことで忘却の彼方に追いやられた感覚や思考は、他にもたくさんあるはずだ。-「バワの残響」より-


「カプセルホテルでは、妻と別のフロアに泊らなくてはならなかったんだ。カプセルホテルの部屋に入ったとき、妻との別れが寂しくて涙が出たよ。」そう言いながら夫婦で目を合わせて笑い始めた。「私も、寂しくて死ぬかと思った。」「そう、50年間1日も欠かさずに朝に訪れていたイレクションがその日に止まったんだ!なんてことだ日本!」もう涙が出るくらい夫婦で笑い合っている。幸せなふたりだ。ー「レインボーカラー」よりー


私たちの不完全さは、私たちを愛で満たすための器そのものだった。-「罪について」より-



こちらのZINE、お取り扱いの希望をいただける店舗さまがありましたらお知らせください。3冊からお送りします。
当店では馬場通友さんのZINE「3」も発売中。合わせてご覧ください。



日々のつぶやき。_d0116009_17052679.jpg
日々のつぶやき。_d0116009_17061140.jpg




とらきつね on Facebook 随時更新中です。


by terakoyanet | 2019-07-14 17:08 | お知らせ | Trackback | Comments(0)