【明日のNHKで放送】今年のディスカッション授業のこと
2020年 05月 27日
Topic 1 休校下の生活 福岡県 緊急事態宣言(特定警戒都道府県)
Topic 2 情報とのつき合い方
Topic3 コロナ禍と民主主義
人間は確かに動物である。だから動物を管理するように管理すれば感染は防げる。でも同時に人間は動物では「ない」。そのことの意味を、絶対忘れてはならない。
AERA 4/20 「eyes 東浩紀」より
私は皆さんに保証したい。自由に旅行し移動する権利を得るのがとても大変だった私のような人間に言わせれば、こうした制限は絶対的な緊急時にしか正当化されません。民主主義社会では決して軽々しく発動されてはならず、暫定的でないといけない。しかし今は、多くの命を救うために欠かせないのです。
論座 藤田直央(朝日新聞)メルケル独首相 テレビ演説より
Topic 1 なぜ勉強しなくちゃいけないんだろう?
Topic 2 しなくちゃいけないという問い方に疑問を持たなかった人へ
Topic 3 千葉雅也『勉強の哲学』
①勉強とは、これまでの自分の自己破壊である
身近な環境になじんできた自分を客観視することで環境から引きはがし、別の考え方(言葉の使い方)をする新しい環境に引っ越すこと
言葉を言葉として意識していない状態から、言葉を言葉として意識している状態への移行
②アイロニーとユーモア
アイロニー・・・自分が従ってきた環境を客観視し、それを疑うことでツッコミ(=批判)を入れ、真理を目指すこと
ユーモア・・・環境に対してボケをかますこと。つまり、これまでの1つの見方に縛られがちな環境に対して、別の見方を提示し、見方を多様化すること
⇒アイロニーは過剰になると、「絶対的に真なる根拠を得たい」という欲望になる。でもそれは実現不可能。だからアイロニーを過剰化させずにユーモアで折り返すことが推奨される。
⇒事実上私たちの言語使用では「ある見方」が仮固定されるもの。それは「こだわり」となってユーモアを切断してしまう。「こだわり」を固定的なものとみなすとそれは運命的に私たちを縛る。「勉強」はそのような「こだわり」を変化させ続けるもの。
Topic4 将来のためにいまを犠牲にすること
満ちたりた将来のためにいまできるだけがんばっておこうという論理、これは未来の幸福のために現在をとてつもなく貧しくする論理である。そのような論理にしたがって生きるひとたちは、老いれば老いたで、今日じぶんがあるのは…と過去をふりかえるのだろう。つまり過去の自分の延長線上にいまの自分を設定するのだろう。いってみれば、じぶんを過去の「実績」から逃げられなくするのだ。
老いの充実というのは、多くの場合、過去の栄光の記憶にのっかっている。あのときがんばっておいたから、いまこうしていられる…。「幸福な老年」とは、いままでの自分の業績に満足している状態である。つまり、過去の記憶とそこから生じた財によっかかって生きることである。ということは、別の生きかたというものをあらかじめ封じ込める生き方のことである。それは確定した過去の延長線上でなりたつ現在であり、したがってこの充実した老いはますます限定された狭い世界に入っていく。変化すること、存在がめくれることをみずからに禁じるような生きかたである。ー鷲田清一『じぶん・この不思議な存在』
Topic 1 あなたは幸福ですか?
Topic2 幸福とは何か?
社会学における「消極的幸福」「積極的幸福」
①消極的幸福…飢えや寒さ、命への脅威がなく病気や重労働など不幸や不安に苛まれない状態マイナスをゼロにする考え方
②積極的幸福…家族の幸福のため、自己実現のために物質的に豊かになること
高度経済成長期 物質的に豊かさになること=人(家族や世間を含む)から認められることと直結していた
成長神話⇒今日よりも明日がよくなることを誰もが信じていた豊かになる⇒人から認められる
=幸福の時代
③新しい消極的幸福…不安を煽り、不安を過度に共有しようとするマスコミや世間マイナスの疑似体験からゼロを得ようとする時代に
⇒モノを買うことでモノの向こうにある幸福を手に入れようとするのではなく、幸福を直接手に入れる方法を考える必要がある
Topic3 幸福を直接手に入れるとは?
①自分で気づかなかった自分の内部とつながること
「はまる」行為
*cf.人類の近代3大発見
1)コペルニクス 地動説 地球は世界の中心じゃなかった!
2)ダーウィン 進化論 ヒトは神の分身ではない!?
3)フロイト 無意識ヒトは自分自身さえわからない!?
②社会や身近な他人とつながること
定年後の再就職や大学院進学災害支援、ボランティア
ー山田昌弘『幸福の方程式』