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磯野真穂さんの講演 サマー合宿(中1・中2)& 夏合宿(中3)

先日こちらでご報告した石川直樹さん講演の感想、たくさんの方にご覧いただきました。

今日は、同じく今年の合宿で講演が行われた文化人類学者の磯野真穂さんの講演を、子どもたちの感想と共に振り返りたいと思います。

磯野真穂さんは、講演前日にTwitterにて

明日9日、 鳥羽和久さん @tobatoppers の学習塾「唐人町寺子屋」で中学生向けの文化人類学の授業をさせてもらうことになりました。こちらはその前振りとして作ったスライドです。

とことわりを入れた上で以下の内容を投稿され、本校生に向けた講演の内容をチラ見させてくださいました。(そしてこの投稿がバズっていました。)


磯野さんは子どもたちの心を掴んでしまう人、そんな気がしていたのですが、想像以上でした。遠隔(ZOOM)で行われた講演は、中1・2と、中3のそれぞれで内容の異なるものでした。

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以下に、子どもたちの感想の一部を掲載します。子どもたちの感想を読んでいただくだけで、磯野さんが子どもたちに伝えたかったこと、伝わったことを読み取っていただけるのではないかと思います。
中1・中2生と比較した受験生である中3生たちの感想の「深化」具合も楽しんでいただけたら。

みんな長文を書いているので、全員分を紹介できないこと、内容を抜粋していることをご了承ください。



自分が思っている普通と、相手が思っている普通が違うなって思う場面に遭遇したことがあるので、磯野さんが言った「居心地が悪い」ってことにすごく共感した。日本の常識と他国の常識がぜんぜん違うことを知って、常識って文化によって異なるって言ってたけど、じゃあ常識ってことばがなんで生まれたのかな(笑)って思いました。常識って言葉がないのもだめだけど、1人1人の普通が存在するから、非常識もだめだけど、1回常識をすててみたいなと思った。(中2Y)


私は、よくお母さんに「勉強しなさい」と言われます。勉強しようとして机にむかうと、「はぁ~、やりたくないなぁ~」とついやる気をなくしてしまいます。自分のやる気がなくて、勉強をやらないわけだけど、やっぱり、やらなすぎると不安になります。「自分ってできないのかな」とか「どうやったらやる気になれるのかなぁ」と考えても、あまり答えが出てくることはありませんでした。でも、磯野さんの話の中で、やる気がないのは人間である証拠、いつもやる気があるのはロボットだけ、という言葉を聞いて、すごく気持ちが楽になりました。でも、勉強はしないと伸びないし、最近「やろう!」という気持ちになってきたので、毎日コツコツがんばろうと思います。磯野さんの話は、分かりやすく、とても面白かったです。クイズがちょこちょこあったので、参加しているという実感がすごくわいて、たのしい時間がすごせました。磯野さんの本も読みたいです♪(中2H)



現代のモデルやアイドルがとてもやせていて、多くの人が劣等感を感じていて、少し太っているだけでSNSなどでけなされる。この講演を聞いて「もっと広くまわりを見てみなよ!」と文化だけで決めつけている人に言いたくなった。学校にある暗黙の了解のようなものにも似ているなと思う。おそらく私たちは「決めつける文化」という檻の中にいて、その檻から出ることで新しい世界が見えてくるのかなと思った。(中2N)



私もちょっとしたことだけど、友達の言っていることに「ん?」と思うことがありました。今までは、「それが普通なんだ」とか「いつかそう思うようになる」と思っていたけれど、今日話を聞き、磯野さんのように、自分に共感してくれる人を自分で見つけに行こうと思えるようになりました。(中2K)



歴史・社会・学問によって文化が地域で違い、どれが良い悪いではなく、その地域の文化をみとめていくことが大切だと思った。また、最近、文化が社会によって変わっていっていることがわかった。磯野さんが問題を出してくれて、文化のルールが違うことが実感できたし、今まであたり前と思っていたルールも他の地域ではあたり前ではないことがわかった。友達と話し合ってとても楽しかったです。問題を出してくださって、私たちが楽しめるような講演でとても楽しい時間でした。ありがとうございました。(中2O)



文化人類学と聞いて、原始人など昔の人の歴史に関する学問だと思ったが、世界の文化の違いに前向きに取り組む学問で、話を聞いていると、当たり前の右、左の方向指示なども文化の違いで変わってくると聞いて、人が作る文化の力はすごいなと思いました。
磯野さんとは直接会ったわけでもないし、磯野さんの過去を知っているわけでもないけど、学生時代のときは、居心地が悪かったと聞いて、本当かな?と思うほど明るく楽しく生きていそうな人で、文化人類学と出会ってたような考え方を持った人は、物事をポジティブに考えるというか、色んな視点で見ることができる人はとても楽しそうに生きていると思いました。多様な考え方をもっている人は幸せに生きれると感じました。僕は、これからの出来事を色んな目で見て、たくさんの思い出や記憶を笑顔で楽しい日々だったと思えるよう、これからたくさんの経験をしたいと思いました。(中2H)



文化が違うということはいろいろ知っていたけれど、それをなぜそのようになっているのかを考えたりできて楽しかった。びっくりしたことは、それを考える「文化人類学」という学問もあるんだと知っておどろいた。国の文化の違いもあるけど、自分と周りの違いもあるんだなと知った。
居心地が悪いことや気に食わないことも、自分が悪いのだけではなく、自分を取り囲んでいる「当たり前」の文化のずれなんだと知れて少し楽になった気がした。自分もいろんな文化を考え、また、いろんな人と共有したいと思った。(中2K)

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僕は今日、初めて「文化人類学」を知りましたが、今まで僕が感じてきた事と一致したような気がしました。日本の昔からある文化が、今になって根強く残っていることは、良い部分もありますが、外国から見ると悪く見えてしまうことは、他国については気づけても、自国に対しては何とも思わないことが多いと感じました。自国の文化を大切にすることも必要ですが、文化を見直して、どうしてこのような文化ができたかを考える必要があると思いました。(中2M)



文化人類学。私たちから見ると、不思議だなと思っていても、他の国から見ると、おかしかったり残酷だったりすると分かった。文化や伝統の違いで、今に居心地の悪さを感じることがある。その感じを共有してくれる人を見つけることで、楽になる。強く共感してくれることで、安心したりする。今の日本では、周りがこうだから、私も同じようにしないと。
周りにまどわされず、自分の意志も大切にしていきたいです。(中1U)



文化人類学という学問は、評価する学問ではなく、なぜそのような文化なのかを考える学問ということが特に知れてよかった。私は、性別で生き方が決められるというのはかわいそうだなと思うし、もし自分がそうなったらいやなので、文化人類学の考えはいいなと思ったし、おもしろいなとも思った。文化によって違う考え方が知れたことがおもしろいと思ったし、あれがいい、これがいいと、いろいろな生き方があるということも発見できてよかったなと思えた。(中1M)



今日は、文化人類学について、くわしく知ることができた。文化の関係で、いろいろなことを思っている人がいると初めて知った。人によって感じることや思うことがちがい、差別があり、文化を考え直していかないといけないと思いました。ぼくはそういった事を感じたことはないので、気持ちは分からないけれど、内容はよく分かりました。文化の違いで、人がいやだと思うことや、その他いろいろな話を聞けてよかったです。(中1U)



文化人類学というのを初めて聞いて、驚きました。なぜかというと、自分があたりまえだと思っていたのが、他の国では考えが違ったり、反対に、他の国の「あたりまえ」が、自分では違ったりしていたからです。なので、日常生活でも、これはおかしいと決めつけるのではなく、なぜそのようになるのかを、そのこの生活の特徴や、そこの人たちの方法を見つけ、おかしいと思うのではなく、そのことを尊敬して関わっていきたいです。(中1S)



磯野さんのお話を聞いて、私はあまり同情することはないと感じていたので、やっぱり人が思うことは人それぞれなんだなと思いました。私はけっこう自由な性格で、文化に興味をもったりしないから、ここで初めて向き合った感じがしました。磯野さんがとてもおもしろくて、友達になりたいと思いました。また、磯野さんは正直で、自分の過ちもたくさん話してくれて、そういう性格にとてもあこがれを持ちました。しかも自分の経験からのお話しだったので、説得力があったと思います。
文化で居心地が悪くなるのは、自分が悪いわけじゃなくて「当たり前」が悪い。だから自分の考えを共有することが大切というのが1番心に残りました。(中1N)



磯野さんは、中学生、高校生の時に、何も夢もなくても将来たくさんできることがあったりするから心配ない、やる気がなくても大丈夫など、人生についていろいろなことを聞いて、自分に少し自信というか、勇気が出ました。
外国(他国)と日本では、文化も男女の差も全く違ったりすることを明らかにしていく文化人類学は初めて聞いたし、最初は謎だったけど、聞いていくうちに、もっと知っていきたい!もっと謎を見つけていきたい!と思い始めました。そして、居心地の悪さを解決できて共有していける人を見つけていきます。そして、居心地の悪さを感じる人を助けていけるようになりたいです。(中1A)



すごくフレンドリーな方で面白かった。また、一つ一つ質問してくれた事が、考えてみれば分からなくて、不思議な事がたくさんあったけれど、しっかり考える事ができて良かったです。今度から、おかしいと思うのではなく、ちょっと立ち止まって考える事が大切だなと思いました。
特に、なぜやせている方が美しいと思うのか、という質問が心に残りました。考えてみるとなんでだろう?と思う事も多く、でも、深く掘り下げて考える事によって、本当の文化人類学というものを学べた気がします。(中1M)



普段考えたり、疑問を持ったりすることがないようなことを考えるいい機会になったのでよかったです。私は、やせている方がいいなど、そういうことは、だれかが言ったら、みんなと同じがいいから、自分も合わせようとして、普通になってしまっているんだと思います。私は正直にやせている方が良いと思ってしまいますが、今日の話を聞いたことで、少し考えが変わったので良かったです。
私は今日のお話しの文化人類学のように、物事に疑問を持って色々な角度から見ることで、もっと知れると思いました。
「好きなことがなくても大丈夫」「やる気がなくても大丈夫」
私はクラシックバレエを習っていて大好きだけど、他にもたくさんやりたいことがあるので、磯野さんが言っていたよう、好きなことがなくても良い。ということも思い出しながら、これから頑張って行きたいと思います。(中1U)



磯野さんの話を聞いて、私は、文化人類学ってなんだろう?と思って聞いていて、聞いているうちに、文化人類学をだんだん分かってきました。文化人類学は誤っていることを評価するのではなく、なぜそのような文化が存在するのかを聞いたり観察したりして明らかにします。自分が居心地悪い所にいたら、すぐ辞めたり、死にたいとかいう気持ちになったりするけど、逆の気持ちになってみたら、ずっとここで仕事したいという気持ちになるというように、みんなが同じ文化じゃないということを知れたのでよかったです。(中1M)



「文化」とは地域や人々にふんわりと共有されたルール=他の地域の人々から見ると奇異に見えてしまうことがある。自分が「あたり前」と思っていることは、人によって全く違う。他の人との「ズレ」を感じる。居心地の悪さ。
今日、磯野さんの話を聞いて、文化人類学というがくもんについて語ってもらって初めて、そんな学問がある事を知った。とてもおもしろい話を聞けてよかったと思う。それから、高校、大学といろいろ行くけど、これからもこの話を大切にしていきたいなーと思う。この話を家族にも聞かせたいなと思った。
磯野さんはとても明るくていい人だったので、またお話ししてほしいなーと心から思う。(中1H)



僕自身も中学で生活検査などで、個性を大切にするとか言いながら、なんで髪型とか長さが決められているのか、毎回疑問に思っていて、先生とかに聞いても、結局完璧な理由を先生たちも特に理解しておらず、言い訳を聞いているみたいだった。けど、磯野さんの話を聞いて、「なんだ、周りの文化が僕とずれていたんだ!!」と気付くことができた。はじめ文化人類学、どういうこと?だったのが、話の後、自分のもやもやを解決してくれたものに変化していて、とても身近なものになって、とても文化人類学を大変してみたくなった。
今日はとても自分のためになるようなお話をしていただきありがとうございます。おかげ様で中学でずっと疑問に思っていたことを自分なりに解決することができ、今日一日で文化人類学にとても興味がわいてきました。人生が楽しくなりそうです。文化による、変、おかしい、と思うのはなぜ?と考えるのが、文化人類学。(中1F)



中学・高校・大学でいろんな経験をつんできた磯野さんだからこそ、いろんな考え方があり、多くの人に反響が続いているんだと思います。
色々な例を示していただいて、分かりやすく、頭に入っていきやすかったです。世界では太っていた人の方が美しいのに、日本はやせている方が美しいと思われているという話では、みんなでいろいろなアイデアをだしあったのがおもしろかったです。日本は豊かになりすぎて、食の他のことに気が向いているのだと思います。また、「居ごこちが悪いかもしれないけれど、それを共有すてくれる人が必ずどこかにいる」という言葉が響きました。
自分のあたり前(文化)を人におしつけることは、人の居ごこちを悪くさせることだと思います。なのでいろいろな人の文化を知って、「みんながいて楽しい空間をつくっていきたいと思いました。(中2I)



磯野さんの話を聞いて、とても驚きました。正直、文化人類学なんて興味ないし、おもしろくなさそうだと思っていました、しかし、僕のその思いは、講演が始まってすぐに、もっと話を聞いてみたいという思いに変わりました。
磯野さんからの、なぜ太っている人が良いとされる地域と、細い人の方が良いとされる地域があるのかという質問、アメリカで女子サッカーが女子サッカーがなぜ盛んなのかという質問を受けて、僕は答えることができませんでした。しかし、答えられなかったからこそ、その答えを知りたいし、なぜその答えになったのかが知りたくなりました。そのようなところに文化人類学のおもしろさがあるのではないかと、自分で勝手に思っています。今日の磯野さんのお話は、心の底からおもしろいと思いました。文化人類学によって、居にくいと感じているのは、自分と、自分の周りを囲む文化がずれているからだということを学びました。(中2A)



今日初めて文化人類学について知りました。左右の話、サッカーの話、くじらの話、特にダイエットの話は印象に残りました。実際私は自分がとても太っていると思っていて、話を聞き終わった今でもそう思っていますが、他の国や地域の文化の違いについてがわかりました。また、自分と同じように疑問や不安を持つ人を見つけていきたいと思いました。世界を見たら、人の考えの違いや、国の文化の違いはたくさんあると思うので、これからはそれらも考えていきたいです。
最後に、文化人類学が、人のいごこちの悪さを言葉で伝えてくれることを学んで少し興味を持ったので、もし大学で出会ったら学ぶことも考えたいし、周りにそれで困っている人がいたら、声をかけたいと思いました。(中2A)



学校の勉強と違って、ふわっとしてるものだなと思った。視点の高い客観的って大切。
最後に磯野さんがあげたおかしいと思う例に、私も違和感を感じた。まわりの人も「え?」と反応していたし、日本には男尊女卑と言う言葉もあるし、男女の差については日本の文化が段々と変わってきているような気がする。セクハラ、パワハラの乱用とかで、逆に女性の立場が強くなっている気もするけど。
「はやく大人になりたい」と言っている人たちは、私たちが思っているよりも何か抱えているのではないかと思った。大人になるにつれて、皆の言う普通に違和感を感じておかしいと言える機会が減ってきている思う。皆が赤が好きだと言って、その子は青が好きだと言って、それが自由な発想と評価されるなら(認められないよりかはいいけど)文化っていうのは人によってはずいぶん固くきついものなのではないかと思った。
スライドの愛の石壁背景に白文字と黄色の線のセンス、高貴な壁画ってかんじがして大好きです。
てっきり拒食と過食について説かれると思っていたので、文化について話し始めたときにはびっくりしました。お話、ありがとうございました。そういえば、時折飲んでいたのは何ですか?予想は氷の溶けた麦茶です。理由は特にありません。(中2S)



今日の授業で一番印象に残ったことは、文化が違うと事柄のとらえ方、考え方、感じ方が違うということです。ある民族は、女性は太った方がよいとされていて、やせていると生活習慣大丈夫?と思われることにはとてもビックリしました。これが多様性なのかなと思いました。
今まで知らなかった言葉や考え方を今日、たくさん知りました。ありがとうございます。文化人類学は難しそうだったけど、様々な視点から見たり、色々な考えをすることがとても大切であり、日常でもこれらは大切なのではないかと感じました。(中1F)



文化人類学ってのははじめてきいたけど、おもしろかった。磯野さんは、留学して文化人類学にふれたって言ってたけど、自分もいつか文化人類学にふれるかもしれない。今日の講演の途中で磯野さんが言ってたけども、自分と自分が取り囲む文化のずれが起こってるかもしれない時は、いごこちの悪さを共有してくれる人を探していきたい。(中1T)

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日本の女子高生は他の国と比べても痩せすぎていると言われているのに、当の彼女達は太っていると感じているそうだ。太っていると痩せているに明確な基準はないから、どうしても周りと比べて、自分がどうかを測ろうとしてしまう。そうやって、基準がどんどん極端になっていくのではないかと思った。
何が正しいのか、どうあることが必要なのかをつくっていくことはとても難しい。その中で、当たり前が何かを考えていくのが文化人類学だと初めて知った。色々な視点から物事を見ると、同じ事柄も全く違ったことに見えてくる。とても不思議なことだと思った。私達のような年代の人が、当たり前について考えることが、世界をつくることにもつながるのかもしれない。(中3I)



想像より多くの生き方がある世界だから、今は今を生きることに集中するという言葉が心に残りました。広い視野で将来を見据えると今までとは違う新しい世界が見えてくると思うからです。この言葉を聞くと、自分が住んでいる世界がどういう場所なのか、もっと知りたくなりました。
文化人類学とは、そういった研究だと感じました。普段の日常で自分達が当たり前だと思っていることも、世界的に歴史的に見ると全く違います。世界中を見ると、いろいろな気候、様々な世界情勢があり、各民族の文化があります。その中にはそれぞれの当たり前があると思います。このように、どんどん疑問が出てきますが、疑問に思うことはこれまでの勉強のおかげだと磯野さんは言いました。今まで勉強をする本当の意味を知りませんでした。そもそも勉強をする本当の意味を考えたこともありません。ですが、今日の講演会でなぜ勉強をしているのか初めてその理由を知りました。また、鳥羽先生が社会の授業の時に、政治やニュースに対して批評するためにも知識をつけないといけないと言っていた意味を理解しました。
今の世の中は僕よりかなり上の人達が政治を始め国を引っ張る立場にいます。ですが、三年後には政治に参加することが可能です。そのときに周りに流され、自分の中ではよく考えていないものがあると思います。それらを同じ一票として数えても良いのかと感じています。ですが、このことを防ぐために普段勉強していることを、今日、文化人類学的視点から学びました。これからは、目の前のことのみに活かすのではなく、将来大人になっても活かせる勉強をしていきたいです。(中3O)



私は磯野さんのお話を聞いて、最初は日本の当たり前や世界の当たり前がなぜそうなったのか教えてくれる会なのかと思っていました。しかし、なぜかと考える中で、自分たちの当たり前が崩れて新たな疑問が生まれました。疑問の答えを探す中で、新たな疑問が生まれて、自分が普段気にしたりしていないだけで世の中には疑問がたくさんあると気づかされました。特に「右と左のない社会」の話を聞いたとき、目からウコロが落ちるような思いでした。自分にとって「右と左」というのは完全に生活の中に溶け込んでいて今まで考えたことがありませんでした。気づかなかったことに気づくと、一つまた世界が開けたような感覚で、うれしかったです。(中3Y)



今日の講演の中にはたくさんの問題提起があった。しかし、その多くは明確な答えがないそうだ。私は、身の周りにあふれる「なぜ」の全てに答えがあるわけではないということにびっくりした。
今回、磯野さんの話を聞いて、生活の中でたくさんの疑問を持つことが重要だと思った。疑問を持つことが物事を発展させ、よい未来へつなげる。そのために、まずは学校や塾、受験に向けてや興味を持ったことなどについて率先して勉強をすることで知識を増やしていこうと思った。(中3A)



今日の講演会では、文化人類学がどんなものかを学んだ。「当たり前というのは、世界中の人々にとっては当たり前ではない」というふうに疑うのが大事と知った。また、文化人類学は違いをおかしい、誤っていると評価するのではなく、なぜそのような文化が存在するのかを明らかにする学問であるということも教えてくれた。この考え方を人々が知らないせいで、いじめがあるんじゃないかということも学んだ。
いろいろな話の内容を通して、世界には「当たり前」という言葉はないんじゃないかと思った。人それぞれの考え方、文化、環境、食事、そのような個性があるから世界は成り立っているんではと思う。唯一あるとすればみんな「平等」という当たり前だと私は考える。
今日、磯野さんの言葉により勉強する意味が自分がこれまで知っていた意味の中で一番心に残った。将来の自分が世界のあり方を変えるとき、今までのあり方を知らなければいけない。だから、勉強していて感じた「なぜ」をためていくために勉強する意味があるという考え方を絶対に忘れないようにしたい。この考え方が広まれば、戦争や争い、いじめがなくなる一歩目だと私は思う。(中3I)



今日の内容で、磯野真穂さんがやっている人類学者にとても興味がわきました。世界の当たり前を調べる仕事と言われてみて、簡単な仕事だと自分の感覚で感じましたが、話を聞き続けるにつれて、何なんだと疑問が頭の中に出てきました。
それは最初の質問で、右と左がない国があるので、その国はどうやって右と左を表しているだろうという質問でした。驚いた理由は2つあって、1つ目は、本当に右と左がない国があるんだということ。2つ目は自分達の国では、当たり前と思われている常識がその国にはないということでした。(中3K)



僕は今日、当たりまえについて少し考えました。
自分が生きていることも学校に行けることも当りまえではないのだと思いました。
ところで「あたりまえ」の作られ方は二種類あると思います。
一つ目は誰かえらい人が勝手に決めること。磯野さんがおっしゃっていた国語や数学の問題のことです。僕たちがあたりまえに解いていた数学や国語の問題のことです。これは問題を作る人やそれが得意な人が勝手に決めたことで、僕たちがそれにケチをつけても良いと思いますが、なぜかケチをつけることができません。
二つ目はみんなが必要と思っていることです。中学に行き高校を出て必要があれば大学に行くようなことです。みんな必要なことであればみんながそれをしようとし、自然とあたりまえになっていきます。大人になったらみんな安定した仕事につきたがったり、受験前にはほとんどの人が塾に行ったりすることが、このことだと思います。
しかしこのあたりまえをしなくても普通に生きてはいけます。ではあたりまえなんていらないのでしょうか。もしかしたら、本当はあたりまえなんてないのでしょうか。ただ一つ「あたりまえ」があるならそれは死ぬことくらいです。(中3H)



磯野さんは今回の講演で、いつも私たちが感じている「当たり前」に対しての考え方を教えてくれました。自分達が今学校や日常で何気なく感じる当たり前の出来事や風潮は、他の国や地域に行けば全く「当たり前」なんかじゃなくて、多少違う所もあれば、正反対の所もあるんだということを教えてくれました。疑問を持つ事、学習する事は、今ある世界を越えるためだと教えてくださって、ありがとうございました。(中3H)



今日の磯野さんの講演は、自分達との関係が深い「受験勉強」と文化人類学をつなげた話で、とても分かりやすかったです。「歴史の教科書ではなぜ男性ばかりが出てくるのか?」、「作者の気持ちを答えよという問題はなぜあるのか」といったものだけでなく、そもそもなぜ勉強するのかという根本的なことを問うものもあって、すごく身近に感じました。自分たちの「当たり前」に疑問をもつことは、とても大切なことなんだと分かりました。(中3H)



私は今日、磯野さんの講演によって、いろいろな「あたり前」が「あたり前ではない」ことを知ることができました。私もはじめはおかしいなと思っていても、そのうち「あたり前」にねじまげてしまっていたこともたくさんありました。
日本で生活していると、日本の文化に慣れ過ぎてしまって、全然違う文化に驚いたり拒否したりすることがあります。しかしどの国の文化が正しいとかいうものはなく、ただ、すべてをまわりに合わせないで世界に目を向けてみてもよいということがわかりました。
だから、自分の意見をまわりにあわせてもそれが私にとっての正解だとかかぎらないので、自分の意見をきちんと持って自分が何者なのかを知っておくことが一番大切だと思いました。
今日の講義をふまえて、今までの自分を見直してみたいです。そして、疑問に思ったことはむりにねじまげて解決しようとせずに、ずっと疑問のままでも大切に胸の中にしまっておきたいです。そして、「自分は~な人だ。」と口に出して言えるほど、しっかりした人になりたいです。(中3S)



今日の内容の感想は、哲学的な話だった。「当たり前」を「なぜ?」と思うことは今まで考えたこともない上に、考えたら「なぜ生物が生まれたのか?」とか「どうして自分は生きているんだ?」などまさに哲学的なことを考えそうだなと思っていたのに、今日の磯野さんの内容は、文化人類学の入り口に過ぎなかったが、中学生が分かりやすい疑問や「当たり前」の問題提起をしてくれて、とても頭に内容が入ってきた。他にも、明確な答えは一応あるけどそこまでの過程や自分で導いた答えが「抽象的ではないか」や「その答えの根拠は何か」という推敲をして、自らの答えをよりよいものにしつつ、それを他の人達と議論することを楽しむ学問なのかと体験することができた。
また、国それぞれの文化が何故できたのかということや、歴史も関わってきて、その歴史が本当なのか偽りなのかというパラドックス的なことが起こるが、それらを研究して、いつの失敗か?どこの災害か?を推測してそれらを次の世代につなげて紡いでいくのが学問をする意味なのかなど、自分で勝手に推測した。(中3H)



磯野さんの文化人類学の話を聞いていると、今までどれだけ自分たちが小さな世界の目に見えているだけのことを信じて生きてきたかがとても分かりました。歴史も国語も、今まで自分の中野「当たり前」がとても矛盾しているように思えることができました。
鳥羽先生から、磯野さんの話はとても面白いと聞いていて、どんな話だろうと期待していたら、想像の斜め上を行くような話をしてくれて、最初も「文化人類学」?なんだそれは?と思ったけど、講演が終わった今はとても興味がわいてきました。昨日までは自分が「当然」と思っていたことが、今日のものの1時間で崩れていくことがとてもおどろきでした。自分が今まで信じていた「当たり前」とはなんだろう?と考えることができました。
最後まで、とても楽しかったです。いつか書店などで磯野さんの本を見つけることができたら、4冊とも読んでみたいです。(中3F)



文化人類学とは、私たちの身の回りにある様々な「当たり前」に対して疑問を持ち、世界にはどんな「当たり前」があるのかを探す学問。磯野さんの話を聞き、私は自分がいかにたくさんの「当たり前」について考えたことがなかったかを実感することができました。同時に、自分の身の回りにはこんなにも疑問にあふれているのかと気付くことができました。その「当たり前」の起源について考えてみると、その国の文化やその当時の状況が反映されていたりして面白かったです。
今回の講演を通して、今までは考えたこともなかった身近な「当たり前」について深く考えることができ、とても楽しかったです。少し見方を変え、いろいろなことに興味や疑問を持つことができれば、自分の視野が大きく広がると思うので、そういった姿勢を大切にしていきたいと思います。(中3H)



日本人は何故やせているのを「かわいい」や「かっこいい」と言うのだろうか。私は、小さいころから見た目のことを言われ続けるとそうなると思う。やせているのが「かわいい」というような「当たり前」ができるのだ。
このような日本人に根付く「当たり前」のことを、「何故そうなのか」という疑問が将来この世界のつくり手になる私達には大切である。磯野さんの話で、色々なことが見えてきた。(中3T)



真穂さんは、「それでも勉強をするのは、今の世の中に疑問を持ち、新しい世界をつくっていくため」だと言いました。歴史とは世の中に疑問を持った人たちが世の中を変えるために立ち上がることを繰り返しているのではないかと思いました。今は勉強を頑張って新たな世界をつくっていこうと思います。(中3K)



磯野さんは話の中で、「なぜ日本の若年女性はやせすぎているのか」などの例を挙げていた。なぜだろう。普段当たり前のように「やせている方がかわいい、かっこいい」と考えたのだろう。世界には食料を得るのが難しい人たちがたくさんいる。その人たちは太っているほうが健康的と思われる。でも日本人は自分たちは太っていると思うのは「まわりと比べている」からだという。まわりと比べるというのはときに恐ろしい事にもつながる。なのでまわりではなく、「自分」と向き合うことが大事なのだ。
磯野さんはもう一つ、「なぜ勉強するのか」を例に挙げた。それは自分がいい大学に入るのでもなんでもない。自分が大きくなったとき、今の世界のあり方に対して疑問を持ち、自分が世界をつくりだすためなのだ。そのために、今の世界をつくる大人たちが何を必要だと考えているのか知っておかなければいけない。だから私は、勉強を頑張りたい。今の世界がどのような状況か理解し、自分の手で世界をつくっていけるような人になりたい。決して簡単なことではない。でも、一つ一つにご門をもってそれをきちんと理解していきたい。(中3S)



磯野さんは、勉強する理由について、世界のあり方に対し問いをたて、世界の新たな作り手になる。そのために今の世界の「正解」「必要」を知っておかなければならないので、勉強をしている。とおっしゃっていた。必ずしも世界が変わるとは思わないけど、現実を知っておくことは確かに必要だと思った。
私は中学校に入学してからずっと感じていることがある。それは、数学の必要性だ。小学校で習う算数は日常生活において必要だと分かるが、中学校の数学を使うような場面はなかなか思い浮かばない。直角三角形の合同条件なんて、入試や定期テスト以外で使うのだろうか。そんなことを考えていても数学の宿題は進まないので、普段はその考えを封印している。しかし、そのような考えも、新しい世界をつくる道具だと今日の講演で学んだ。なぜ?という疑問をもう少し大きくなるまで覚えておくことが大切だそうだ。
疑問は探せばどんどんあふれてくる。今、最も疑問に思っているのは、なぜ体育では、やる気を声の大きさではかろうとするのかという疑問だ。このような小さな「なぜ」を取りこぼさず胸にそっとしまっておき、大人になったときに存分に「なぜ」を探求してみたい。(中3N)



磯野さんの講演は高校に行く僕たちのために役に立ったと思います。中学校の中で疑問に思うことは社会をつくるためにとっておく、といった言葉が一番耳に響きました。それは今、知識を得る時期で、将来、働くときに必要な力になることを意味しているんだなと思いました。また、日本で「当たり前」と思っている右左や、痩せているほうがかっこいい、かわいいといったものが無かったり、逆だったりしているのを聞いた瞬間、驚きました。そういった知識を得ておくために勉強が大切なのかなと思いました。
今までの講演の中でも一番と言っていいほどおもしろくて、じっくり考えさせてくれるような話でした。普段考えないことを考えるがあまりに楽しいので、磯野さんに感謝します。自分の勉強の中で出る疑問を、将来働くとき、大きな力にできるような希望を持ちました。(中3I)

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磯野真穂さん、子どもたちにたくさんのギフトをありがとうございました。傍から見ていて、画面越しなのにかかわらず、子どもたちの多感な心に届いているという実感がありました。

磯野さんの明るいキャラクターに魅力を感じた子も多く、友達になりたい!、さらには、磯野さんがいる大学に行きたいー!!と言っている子もいました。

磯野さん、次回は福岡にお招きして子どもたちと対話をしてもらいたいと願っています。
同時に、とらきつねのほうでもイベントを企画させてもらえたらと思っています。

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磯野真穂さんの本、『なぜふつうに食べられないのか: 拒食と過食の文化人類学』(春秋社)は、私が『おやときどきこども』の執筆の際にも影響を受けた本で(巻末の参考文献にもあげています)、拒食と過食の分析が面白いだけでなく、人の「語り」がどのように形成されるのかを紐解くという意味で興味深く、とてもお勧めです。(この本に興味がある方は『ダイエット幻想』のほうもぜひ。)

そして、宮野真生子さんとの共著、『急に具合が悪くなる』については、子どもたちに事前に次のように紹介していました。この数年の中でも私が特に推したい1冊です。まさに一生モノの本。

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ぜひ、大人のみなさんにも磯野さんに出会っていただきたいと思い、ご紹介でした。





by terakoyanet | 2020-09-15 14:58 | 生徒のがんばり(テスト結果等) | Trackback | Comments(0)