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川内イオ『ウルトラニッチ 小さな発見から始まるモノづくりのヒント』(freee出版)レビュー

イオさんの記事や著書はとにかく読ませるので、今回も(最初は付箋つけまくってたのに途中からそれすら忘れていまうほど)夢中で読みました。発売当初から私も大好きな「おやさいクレヨン」の木村尚子さんのエピソードは涙なしでは読めないし(マジで感動巨編です…)普段、私は時計とか自転車に全く興味がないのに、読んでるうちに菊野さんがつくる時計や今野さんが手がけるケルビムの自転車が猛烈にほしくなってネットで検索してウットリしたり。いつの間にか「わかりはじめた、マ~イ・レボリューション♪」と渡辺美里が歌い始めるレベルで脳内革命が起き始めます。

この本、ワンチャン狙ってる若い人たちに読んでほしいです。ワンチャン上手くいったと思われてる人たちって、努力という言葉では言い表せない、特有の持久力や作法を持ってるんですね。そのあたりの秘密が、この本にはギュっと詰まってる。イオさんもそこらへんが面白くて稀人(まれびと)たちを追ってるんだろうなー、だって面白いもんねと合点がいったときに、著者が全力で面白がってるこの本が面白くないわけがないよなと思うのです。

私もイオさんほどじゃないけど文章を書く人間なので気になるのがその取材力。この本にはめちゃ個人的なことやお金のこと(たびたび具体的な金額が書かれている)なども書かれていて、どうやってここまで話を聞きだしているのかということ。さらに、イオさんはいろんな世界に飛び込んでいくわけで、となると、きっと取材しながらわからないこと(その業界の専門的な知識など)もあるだろうに、そこらへんが読者にめちゃ分かりやすい伝わりやすい形で提示されていて唸ってしまう。これは私には絶対マネできないことで、ひとえに勤勉な勉強の成果なのか、単に頭のいい人なのかなんなのか。あとは、取材してるときっと、これめちゃ面白いんだけど、さすがに使えないな(プライバシー的にとか倫理的にとかいろいろ)ということもあると思うけど、そういうのはどうしてるんだろうとか、とにかくいろんな疑問が次々と湧き出てくるわけです。

ということで、明日のイベントでは、イオさんにそこらへんを聞いてみたいと思います。
(あと席が2だけあります)





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最狭のスモールビジネスで、無競争の世界へ! ニッチをさらに絞り込んだ、スモールビジネスの新概念――“ウルトラニッチ"。 小さな発見、小さな疑問、小さな違和感を起点に、これまでにないアプローチ“ウルトラニッチ"で市場を拓く新時代のモノづくりのパイオニア10人をピックアップ。

スプーン作家、動物専門の義肢装具師、直径1.7mmの極小部品まで手作りする独立時計師など、自らのアイデアと努力でウルトラニッチな市場を生み出したそれぞれの足跡とは? 各自の想いやストーリーだけでなく、金銭面などの経営のリアルも描くことで、 新しい生き方やスモールビジネス経営の実際が見えてきます。


これは、版元のfreee出版(「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、 統合型経営プラットフォームを提供しているfreee株式会社が発足した出版レーベルとのこと。プロデュースにnumabooks/本屋B&B共同経営者 の内沼晋太郎さんの名が)によるこの本の解説。

イオさんといえば、ジャンルを問わず「世界を明るく照らす稀な人」を追う稀人ハンター(著者プロフィールより)を名乗り、たびたびWEBメディアなどに話題の記事を送り込む気鋭のライター。既刊の『1キロ100万円の塩をつくる』(ポプラ新書)や『農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦』(文春新書)など、イオさんの既刊をすでに手に取られた方もたくさんいらっしゃることと思います。


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by terakoyanet | 2021-10-02 03:13 | おすすめの本・音楽 | Trackback | Comments(0)