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中学入試について考えること




茂木さんの恒例とも言える「中学入試は無駄」ツイート。

塾関係者は反発する方が多いと思うが、私はうーむとは思うけれども煮詰めれば結局茂木さんとほぼ同意見だ。

中学入試をやってよかったよ、と思っている親子も茂木さんの意見に反発する人もいると思うが、そういう親子の「巻き込まれ」が見ていられなくてきっと茂木さんは意見しているわけなので耳を傾ける意味があると思う。

中学入試をやってよかったと思っている親と子供がいることについては私自身、体感として知っている。それが結果論であり、大人が作った狭い現実の中での実感に過ぎず、多くの場合、子供の満足感が他人に対する優越感に根差すしょうもないものであることを差し引いても、それでも公立ではない居場所が必要で、それを確保するための親と子の闘いであったという例があることを知っている。

しかし、そのことを踏まえても中学受験は問題が多すぎる。それは多くの場合親子で「将来への不安」に対する「課金ゲーム」に乗せられているだけだし、わずか12歳前後の時期に一時的な満足感を得るだけで、そのあとなんのプラスにもならなかったという空虚感を抱いている子供も多い。何より小学生は単線的な勉強よりも、好きなことを深めることや、自分なりの世界との向き合い方のバランスを探っていくことのほうがずっと大切だ。

公立中生に対する優越意識を持っている子供なんかを目撃すると、受験社会の弊害に早くも染まったこの子はすでに自分の可能性を閉じてしまっていないかと心配にもなる。

そういうわけで、うちの教室では中学受験指導をしないという方針で運営しているが、現在のシステム自体に問題がある以上、すでにシステムに巻き込まれている親と子の思いに巻き込まれる形で、塾側もいっしょに巻き込まれてその都度の最善を練る、その結果、中学受験をいっしょにがんばるという展開になることは当然ありうる。状況に巻き込まれながら、同時に抗うことをしていくしかない。だから、茂木さんのような意見は必要だ。



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by terakoyanet | 2022-07-21 07:38 | 雑感・授業風景など | Trackback | Comments(0)