全国学力テストの結果が出ました。

全国学力テストの都道府県別の結果がドカーンと昨日の新聞に掲載されています。
福岡県の中学生たちは残念ながら、国語・数学ともに全国平均を下回っています。

秋田県の全国1位には驚きました。東北勢の躍進!と記事にはありますが、東北勢が強かった理由のひとつには、公立高校の入試問題や合格基準の性質にあるのではないかと思いました。

私は仕事柄、全国の都道府県の入試問題を解いてみたり、それを使ってテキスト作ったり、授業で実際に使ったりしていますが、東北地方の公立入試問題というのは、福岡県のそれに比べるとかなり難しいです。例えば、福岡県の英語の長文は、いつも無味乾燥で当たり障りのないおりこうさんな内容なのですが、東北地方の長文は、ときにとても読み応えのある人生訓や昔話などが出てくることがあります。大阪・東京・愛知といった、都市部の問題と比べても、東北地方の公立問題というのはやり応えがあるという感想を持っています。
公立問題のハードルが高ければ、やはり指導内容も変わってくるわけで、そんなところも福岡と秋田の格差の原因になるのかもしれないと思いました。
新聞記事にもあるように、当然ながら学校の1クラスの平均生徒数の違いも大きく作用していることだろうと思います。その他、私立が強い都道府県は平均点が伸びにくいというところもあると思います。

あとひとつ、大阪府・福岡県などの都市部の伸び悩みの原因として、絶対評価の導入や内申評価の偏重傾向も理由に挙げられるのではないかと思います。私は高校が内申評価によって生徒を取りすぎることにとても疑問を持っていて、それは学力低下にも結びつくと思っています。

これらは思いついたことをつらつら書いたにすぎません。学力低下、学力低下とさわいでいますが、点数だけ底上げしたいのなら、それこそ受験制度を各都道府県が細かく見直せば、劇的に学力テストの平均点が向上する可能性はあると思います。でも本質はそんなところにはないわけで、そもそも学力とは何なのか、なぜ学力が必要なのか、学力と一人ひとりの人生がどのようにかかわる可能性があるのか、そういう部分がもっと見えてこないと、何も変わらないだろうなと思うし、私たち教える者たちも面白くないんじゃないかと思います。

全国学力テストの結果が出ました。_d0116009_2195658.jpg
コスモスが咲く季節  熊本県山鹿市
October  2007

by terakoyanet | 2007-10-26 02:16 | 雑感・授業風景など | Trackback | Comments(0)