高校準備講座と15歳のハローワークアンケート
2008年 03月 18日
☆これまでの今年の高校準備講座の内容
・三島由紀夫「サーカス」の読解
・村上春樹「パン屋再襲撃」の漢字読み取り
・漢字穴埋めテスト
・Dixie Chicks "Not Ready To Make Me Nice"リスニング
・Green Day "Time Of Your Life"リスニング
・特別企画「15歳のハローワーク」
①働くことについて生徒たちにアンケート&その結果について考えること
②働くことの意味、現代における働くとは
③具体的な職業の紹介:なるために必要な資格・学歴・適性条件・年収等
パイロット・弁護士・医師・公務員・自動車整備士・フラワーデザイナー・
中学高校教員・お笑いタレント・テレビ局職員
④働いている人たちの実際例
NPO職員・バイオリニスト・パティシエ・建築会社事務・大学講師・フリーター
*次回で高校準備講座は最後になります。高校の因数分解や文学作品の読み取り等を行います。
◇15歳のハローワーク アンケート
*3年生(卒業生)高校準備講座参加者21名に、無記名で働くことについてのアンケートを行いました。以下はそのアンケート結果の抜粋です。皆さんが何かを考える一助となればと思い、掲載いたします。
Q1 あなたはいつから親から自立して自分で得た収入をもとに生活ができるようになると思いますか。
No.1回答 ●大学(大学院)を卒業後、就職してから 15名
その他の回答 ●高校卒業後、就職してから 4名 ●全く見当がつかない 2名
0票の回答 ●自分なりにやりたいことをやって、そのあと生活のことを考えればよい 0名
●結婚して夫(妻)の収入に頼るようになってから 0名
●必ずしも親から自立する必要はないと思う 0名
Q2 将来の夢はありますか。
No.1回答 ●よくわからない 8名
その他の回答 ●漠然とある 7名 ●具体的にある 6名
Q3 学校の職場体験学習は、将来の職業を自分なりに考える上で役に立ちましたか。
No.1回答 ●少しは役に立った 14名
その他の回答 ●全く役に立たなかった 6名 ●大いに役に立った 1名
Q4 あなたが仕事を選ぶ上で、大切だと思うことは何ですか。
No.1回答 ●働くことに生きがいを感じられる仕事かどうか 10名
●収入が多く、生活に安定感がある仕事かどうか 10名
その他の回答 ●社会的貢献度が高く、人々のためになる仕事かどうか 2名
0票の回答 ●社会的地位が高く、人から認められる仕事かどうか 0名
Q5 一生フリーターとして生活をする人がいる時代になりつつあります。それについてどう思いますか。
No.1回答 ●きちんとした職業に就いたほうが本人にとってよいことである 12名
その他の回答 ●別に本人が好きでやっているならよい 8名
●税収など国家経済のことを考えると、フリーターは避けるべきだ 1名
Q6 男性が外で働き、女性は家事をするものだという考え方をどう思いますか。
No.1回答 ●どちらとも言えない 16名
その他の回答 ●反対 5名 ●賛成 1名
Q7 自分が将来きちんと働いて食べていけるかということに対して不安はありますか。
No.1回答 ●少しある 7名 ●あまりない 7名
その他の回答 ●大いにある 5名 ●全くない 2名
Q8 私たちが将来、希望の職に就くために、必要なことは何だと思いますか。(複数回答可)
No.1回答 ●仕事に対する真面目な姿勢 14名
その他の回答 ●資金 13名 ●社会の流れを読む力 11名 ●運 11名
●技術と経験 11名 ●資格 10名 ●学歴 9名
●人間観察力 8名 ●感性 7名 ●人を感動させる力 3名
●人脈やコネ 2名
Q9 何のために働くのだと思いますか。(複数回答可)
No.1回答 ●収入を得て生活していくため 18名
その他の回答 ●家族や周りの人々を幸せにするため 16名
●生きがいを見つけ、自分の人生を楽しむため 14名
●社会全体に貢献するため 7名
●社会に自分の存在を認めてもらうため 4名
●働くのは国民の義務だから 2名
Q10 働くことに対する次の意見のうち、賛成するものはどれですか。(複数回答可)
No.1回答 ●自分の好きなことが職業になれば、それはとても幸せなことだ 20名
その他の回答 ●働くことより大切なことが人生にはたくさんある 12名
●働くことは生きることそのものと同じだ 6名
●働くことを考えるより、人生を楽しむことを考えるほうが大切だ 3名
この結果を見て思ったことは、子どもたちの考え方は、意外に(というかやはりというか)保守的だということです。
大人に聞いた結果とさほど変わらない感じがします。子どもの考えにしては面白くないなあという穿った見方もありますが、私としては、きちんとした考えを持っているんだなあと感心しました。
働くのは「収入を得て生活していくため」だと考えている子が最も多いのはとても現実的で、それでも、希望の職に就くためには「仕事に対する真面目な姿勢」が最も大切だと考えているところは、ちょっと感動的というか、真面目な子が多いんだなという印象を受けました。
将来の夢について、漠然とでもイメージを持っている子が全体の3分の2近くいることには驚きました。私は中学のころもっとボケーっとしていたので、みんなすごいなあと手放しで思いました。ただ、みんなには、まだ今からいろいろな出会いや経験を通してやりたいことが変わるかもしれないから、自分の好きなことをどんどんやったほうがいい、そしたらより自分の適性にあった仕事に就けるかもよということを話しました。
卒業生はいよいよ明日合格発表です。ドキドキします。
良い結果でも、悪い結果でも、それをしっかり受け止め、いまからの自分をつくるのは自分自身という強い気持ちを持って前に進んでいってほしいと思っています。


私たちの世代に比べ、いまの子どもたちは年齢のわりに現実をよく見ているなと思います。
子どもたちには、今日の合格発表後にはもう進路が正式に決まるんだから、それからはあんまりハメをはずさずに、しっかり高校に入るための準備(心の準備と勉強)をしろと言っています。

でも子供たちは将来についてしっかり考えるいいきっかけになった「人生準備講座」だったと思います。ありがとうございました。
なかなか彼らが自主的に考えることではないと思いますが、鳥羽先生がおっしゃるように、親が思うよりちゃんと考えているんだなと思いました。時々修正は必要でしょうが、これからも基本的に子供を信頼し、後悔しないように本人の意思をできるだけ尊重していきたいと思います。
講座では、元本の「13歳のハローワーク」より、もっと現実的なイメージがつかめるように、敢えて、職に就くために必要な資格や条件、年収等にも触れながら、お話しをしました。
中高時代は子どもが自分の一時的な欲求や感情の高まりによって周りが見えなくなることがある時期だと思います。凛とした母様が仰るように、子どもたちは本当に基本的なこと、常識的なことについてはほとんど大人と同じ考えを持っています。大人が思っているよりずっとちゃんとした考えを持っています。
でも、何せ経験も少なく、自分の感情が高ぶったときに、それを抑えて客観的に自分を周囲の価値基準と照らし合わせてみるといった作業ができないことから、時に暴走してしまうのだろうと思います。
日ごろから親に信頼されていると感じている子どもは、親のその信頼に応えようとします。だから、凛とした母さまがこれまで、子どもさんを信頼してきた姿勢というのはきっと子どもにいい作用をもたらしてきたのだろうと思います。
これからも根が真面目でとことん優しい彼の持ち味がさらに輝くような人生を送ってほしいと願っています。