ほめること、バカにしないこと、信用すること
2008年 06月 22日
生徒の宿題の出来がよかったときは、なるべくベタ褒めする。難しい問題ができたときには、すごい!超あたまいい!!とほめる。ちょっとほめすぎかなと思うほどに。
そうすると子どもというのは先生がほめた自分に近づこうという意志が生まれる。これが大切です。
外山滋比古さんは、ベストセラー「ちょっとした勉強のこつ」の「バカにつけるクスリ」において、ほめるほめられるというのは、一種のプラシーボ効果(=偽薬であっても一定の薬効があらわれる)だとし、次のように言います。
ほめる、ほめられるのプラシーボ効果も大きい。立派なことをしてほめられるのなら当たり前であるが、なにもしないのに、ほめられるのは、偽薬である。それでもほめられると、そうなろうとするのが人間である。頭がよいかどうかは別として、頭がよい、とほめられれば、その結果、本当にいくらかは頭がよくなる。間違ってもバカと言ってはいけない。本当にダメになるおそれがある。
子どもたちのなかに、たまに中学在学中に急におバカになる子がいます。(これは圧倒的に女の子が多い。) そういう子は、自分がおバカだといつのまにか友達の前で公言したり、バカキャラを演じたりしているうちに、いつのまにか本当のおバカになってしまったという場合が多い。おバカキャラを演じるというのは実は恐ろしいことで、これ以上に自分自身を本当のおバカにする方法はないのです。
親御さんは子どもに間違っても「あんた本当にバカね」とか「あんたお姉ちゃんよりできないからね」とか言ってはいけません。そうすると、その子の力は育たなくなります。本当に「おバカ」で「お姉ちゃんよりできない子」になるだけの話です。
いやいやそんなことはない、お前はできるよできるよと、言い続けることで、そうじゃない場合よりも子どもは伸びます。「そんなことをしてもうちの子はたかがしれてます。」 え?いやいや、そんなことはない。まずは自分からしっかりだまして、そして子どもを伸ばるために、盲目に「できるよ」と声をかけてあげてください。「できない」と思い続け言い続けた結果よりはずっといい結果が生まれるのですから。
これと同じ寸法で、「お前のことが信用できない」ということを子どもに言い続け、疑い続けると、ウソつきの子どもが育ちます。子どもが信用ならないことをしたときにぐっとがまんして(これはかなりの忍耐が必要ですが)、私はあなたのことを信用してるから!という態度を一貫して取ることで、たいがいの子どもの暴走は防ぐことができます。「そんなことをしても甘えて好き勝手やるだけ」と思われるかもしれませんが、それはいままでの態度が子どもをそうさせているだけ、いまから少しずつ変えることで、子どもも少しずつ変わっていくのではないでしょうか。
このように保護者の方のコメントがあるって,ほんとうにうらやましいです。
まさにこの日記のテーマでしたね(笑)
お世話になっているカウンセラーの先生にも鳥羽先輩とおんなじ事を言われていたので、実のところつき合いだして2年間、彼を褒め続けていました。そしたら回りの友人が「彼はあなたとつき合いだして驚く程、人当たりが柔らかくなったね」と口々に言ってくれるようになりました。だから、「褒める」ということのパワーは実感済みです(^^)
まだまだ「イラッ」としてしまうことはありますが、相手は自分の鏡だと思うし、彼が本来持っている良い部分に心の中で語りかけるように心がけようと、ちょうど、今日考えていたので、鳥羽先輩のこの日記に背中を押してもらった気分です。
サイパン島の夕日、素晴らしいですね☆
長々と失礼致しましたm(_ _)m
受験生はまさにこれからが勝負というところですが、私もお子さんのピカイチの笑顔をいっしょに見ることができるよう、褒めて叱って一生懸命指導していきます。
「ほめる」に関連して、Yojiさんが「叱り方のポイント」というお話をなさっていましたよね。あれはかなり参考になりますよね。転載を許していただけるのであればさせていただきたいと思います。
ほめるということについて追記すれば、ほめるときには責任が伴うということです。
まず、ほめる内容については自分なりのひとつの筋が通ってなければならないし、そのためにはある程度自分のなかで「ほめる基準」というのを培っておかねばならないということです。
次に、ほめる自分自身について熟慮を重ね、相手にとってほめるタイミングや内容がふさわしいものかということをいつも鑑みる必要があります。
そうやっていくうちに、ほめている自分自身が不安定になることもあるかもしれませんが、考えを重ねることで、「褒めてあげている」という上からの立場ではない特別な場所から相手に語りかけることができるようになるかもしれないと思います。
ちなみにサイパン島の夕日は私が撮影したものではなく、同行したガイドさんが撮影しました。とにかくサイパンは美しいところです。