塾生のこと つづき

先日、「塾生のこと」の記事を書いたところ、Yojiさんから次のようなコメントをいただきました。

 
「保護者様がお子さんにしっかり目を配っているご家庭」がなぜ貴塾を選び,反抗的な子の家庭がなぜ貴塾を選ばないのか,それも知りたいですね。

うちの塾生の生活態度・授業態度(及びそれに伴う成績)の向上は、最近数年で急速に進みました。
はじめのころはもっといろんな子がいたように思うのですが、最近は生徒に占める女子の割合の上昇もあり、きちんとした子が多くなったなあと思います。そして今後もこの傾向は続くような気がします。


塾に反抗的な子がいないことの理由はいくつか考えられます。

①友達紹介で入ってくる子が非常に多いため、似たタイプの子が集まる。
②うちの塾が意外と口うるさいし厳しいことが子供たちの間で広まっており、規則が守れないような子は最初から敬遠して入ってこない。
③きちんと先生の話を聞いて真面目に授業を受ける子が多数なので、そんなところで反抗的な態度をとっても自分が浮くだけ、だから学校で反抗的な態度を取ることがある子も大勢(たいせい)に従っている。
④日頃の授業と子どもたちとのかかわりのなかで、「寺子屋の授業をじゃましたり、先生に反抗したりするなんてありえない」という雰囲気と意識を、子どもたちの頭と生活習慣の中にしみこませている。
⑤私たちは子どもを頭ごなしに叱る(怒る)ことはしません。子どもは自分の頭で考える力を十分に持っています。だから子どもの話をちゃんと聞くという態度を一貫して取っています。(話を聞いた結果、子どもの言っていることがおかしい!と思った場合は叱ります。) こういう態度を取り続けると、子どもから反抗されるということはなかなかありません。子どもは叱られるにせよ、叱られないにせよ、私たちが言っている内容が理不尽なものではないことを理解するわけですから。
(※ただし学校ではそうはいきません。学校という組織は大きすぎてそこにはいろいろな先生がいます。だから学校総体で、「この学校の先生たちには反抗するべきじゃない」という心理を子どもたちに植え付けるのはほとんど不可能です。子どもたちは「学校の先生」という色眼鏡で先生たちを見るので、子どもによっては、「先生」=「すべて(体制側の)敵」と映ることもあります。でも塾のような小さな組織のなかでは「先生」は敵ではない、ということを子どもたちに知らしめることが可能です。)


うちの塾の子たちを「いい子」と表現しましたが、なかには学校では「いい子」ではなく、学校の先生に反抗的な態度を取る子もいるようです。学校の中では自己顕示欲を満たすために学校の先生に反抗するけれど、塾ではなんとなく自己顕示の必要性をさほど感じないので静かにしている、中にはそういう子もいるようです。


「保護者様がお子さんにしっかり目を配っているご家庭」が当塾を選んでくださるのは本当にありがたいことです。保護者様の間でもいい口コミの連鎖があるのだと思います。

私は中学までは、子どもの学習環境をつくるために親の協力は不可欠だと思っています。特に、学習が遅れがちな子ども、明らかな苦手科目がある子どもについては、保護者様の継続したはたらきかけ次第で、子どもの成績と進路は大きく変わってきます。
(*高校になると、勉強ができる子どもは自分で自分の環境を整えて勉強するようになります。また、そうでなければいけません。)

「生活面は家で見るのは当たり前ですが、勉強はすべて塾にお願いしてますから。」
こういうセリフが出る保護者の場合、「勉強はすべて塾にお願い」するときに、子どもが家庭学習をするためのはたらきかけや環境づくりさえも放棄していることがあり、そうなると子どもは伸びません。保護者様が必ずしも二次方程式を解いたり化学反応式を完成させたりすることができる必要はありません。ただし、保護者は「勉強はすべて塾にお願い」することはできません。直接勉強を教えなくてもはたらきかけの違いで子どもは変わってきますから。

きっとここのところがわかってあるご家庭が多いのだろうと思います。アプローチの仕方はさまざまです。毎日はたらきかけをこまめに行うご家庭もあるでしょう。あまり勉強のことは言わずに、ただ子どものことを信頼するという態度をとり続けているご家庭もあるでしょう。全く何もしていないように見える、でも立派な子育てをされるご家庭もあるでしょう。

本塾ではご家庭に成績資料を頻繁にお渡しすることで、ご家庭も子どもの教育に参加する形になっています。世間では塾に預けるだけで安心してしまう家庭もあるかもしれませんが、塾に通うことでむしろ子どもと家庭の双方が子どもの学習に興味を持ち、目を向ける、そういう状況を生み出していくことができれば、と思って塾の運営をしています。


なんだか話が右や左にそれました。
私は教室に来ている子どもたちのことをとってもいい子たちと思っており、預けてくださる保護者様方に感謝しています。

でも、この記事を書き始めたとき、実は、子どもたちの弱点についても、いろいろと書くつもりで書き始めました。これについては今後少しずつ書いていきたいです。

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沖縄県波照間島ニシ浜
September 2008

Commented by かねごん at 2008-09-23 09:18 x
先生こんにちは。事後承諾で申しわけありませんが、上記の記事をブログにて引用させていただきました。先生の楽しさと厳しさが融合した指導はとてもいいですね。見習いたいと思います。
Commented by とよ爺 at 2008-09-23 13:59 x
鳥羽先生、お久しぶりです。
沖縄の記事やいろいろな記事は欠かさず読まさせていただいています。
今回の記事は地域密着主義の先生の塾の面目躍如と言ったところです。
うちの若い先生たちにも是非読んでもらいたい記事です。
あの正義感の強い、正統派のかねごん先生までが引用されているのですから、
頭が下がるばかりです。
こういう記事を読むと私たちの職業の将来を感じます。
これからもお互いに頑張っていきましょう。
Commented by terakoyanet at 2008-09-24 01:25
かねごん先生こんにちは。記事拝見しました。
ご紹介いただいて光栄です。

まだまだ私自身が未熟な部分と闘いながら指導する毎日ですので記事にしていただいて恐縮しています。

これからはますます3年生に厳しい部分をしっかり伝えていかなければならない時期になります。お互い頑張ってまいりましょう。
Commented by terakoyanet at 2008-09-24 01:40
とよ爺さん(先生)、コメントありがとうございます。
私も先生の記事はいつも拝見しています。

思いついたままに書いたまでの記事ですので、ふーんくらいで読んでもらうと助かります。

こちらもとよ爺さんの記事に触発されながら頑張ってまいりたいと思います。
by terakoyanet | 2008-09-22 12:28 | 当校の特色 | Trackback | Comments(4)