国語作文の減点ポイント指導
2008年 10月 06日
作文で確実に点数ととるためには、難しい内容を書くよりは、減点されない文章を書く力が求められます。
今年の3年生は、原稿用紙の使い方がわかっていないなど、基礎がわかっていない子はいないので、それ以外の表現等の指導を行いました。
指導テキストは、夏の県模試の国語答案から子どもたちが実際に書いた作文を取り出し、間違いを並べ上げて作りました。テキストに自分の書いた文章の一部が誤りとして出てくるので、子どもたちはその誤りを自分の課題として受け止めることができたようです。
[子どもたちの作文より]
*訂正は一例です。
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→漢数字「一」に訂正。縦書きなので例えば「3時」「1回」などの数字も漢数字で。
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→「なので」は文頭に接続詞として用いてはいけない。「だから」等に訂正。
→「招」に訂正。誤字は絶対にやってはいけないミス。
・私
→「が思ったこと」を削除。単語の重複や文章のねじれに注意。
・手紙を書いたり電話をするのは先生も喜ぶと思います。
→「~たり」は2つのものを並立させるときに用いる。「電話を」のあとに「したり」を追加。
・どう書いたらいいのか分からなくなる
→話し言葉は使わないように。「けど」を「けれど」に訂正。
・担任の先生と
→同上。「いろんな」を「いろいろな」に訂正。
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→「生先」って誰!? 漢文的な語順ですね。ちょっとびっくりしますが実は「先生」を「生先」と書く子どもを見るのはめずらしくありません。20人に1人くらいは間違えるのではないでしょうか。
→「答えれる」は「ら」抜き言葉。「答えられる」または「答えることができる」に訂正。
・直接話すことはできない
→同上。「けど」を「けれど」に。
→「ちゃんと」を作文で使う子が多いが、これは話し言葉。「きちんと」等に訂正。
→「~とが」とあるが、「AとBとが伝えられる」という形でないとおかしいのでこの文章では「~とが」の「と」を削除。
→「伝えれる」はら抜き。「伝えられる」に。
・なぜかと言うと当日前ぐらいには届かない恐れがあるから。
→「なぜかと言うと」はちょっとくどい。「なぜなら」でよい。
→「当日前」のあとに「ぐらい」を持ってくるのは、「前」という言葉の意味をぼかすのでわかりにくい日本語になる。
→「から。」で終わるのではなく、「からだ。」「からです。」等に。
・手紙はいくら心がこもっていても届いていなければ意味がない。だから電話を選びました。
→文体不統一。敬体「です」「ます」、常体「だ」「する」はどちらを用いてもよいが、どちらかに統一する。「ない」を「ありません」に訂正。
・確かに手紙で連絡すると
→「言う」をひらがな「いう」に、「所」をひらがな「ところ」に訂正。(*補助動詞や形式名詞はひらがなで。) その他、ひらがなのほうがよいのに漢字で書いてしまいがちなものの例として「とき」「こと」「もの」等がある。この場合、「ところ」は具体的な場所を表わすものではないし、「とき」は具体的な時間を表わすものではない。「ところ」「とき」「こと」「もの」等が具体的な物事を示さない場合はひらがなで。
・言葉でしっかりと伝えることが出来る
→「んじゃ」は音便化された話し言葉。「のでは」に訂正。
・僕は、電話で連絡する
→文中に句点を用いない。
・私は、電話で担任の先生に電話を
→電話で電話をする、そりゃそうだね。電話で手紙は書けない。同じ語の二重使用は×。「電話をする」を「連絡(を)する」に訂正。
→「わけ」を「そのわけ」に訂正。
→「早く」を2度使うのは悪文。2つ目の「早く」を「すぐに」等に訂正。
→「する。」「です。」は文体の不統一。最初の文章を「私は、担任の先生に電話で連絡します。」に訂正するとよい。
・手紙のほうが
→カタカナにしない。「スゴく」を「すごく」に訂正。
・僕
→「思う」という動詞を2度使っている。「が思うに」を「は」に訂正。
・手紙のよいところは、相手に気持ちが伝わりやすいです。
→「ところは」のあとは「ところです」や「ことです」に。
・理由は、電話の方が早く伝えることができます。
→「理由」なので、文末は「できるからです」等に。
子どもたちがやりがちな間違えがかなり網羅されたものとなりました。
これらの減点ポイントに注意しながら作文を書いていきましょう。

我がセミナーで添削の講演をお願いしたくらいです。ちなみに、私のブログも添削していただきたいくらいです(・・冷や汗・・・)。
かねごん先生のブログの文章は、文章の背景、情景が浮かび上がるすばらしいものなので、添削なんてとんでもないです。わたしはボーっと書いていると文が無機質になってしまうので困っています。かねごん先生のようにはいきません。