苦手意識を全体化しないこと。

「私は数学が苦手」と言う子がいます。

しかしその子を教えてみると、その子は計算は抜群にできる。できないのは主に図形とグラフの問題だったりします。
この子の場合、苦手なのは図形の問題とグラフの問題であり、数学全般ではありません。
ですから、このような子に周りが「数学が苦手だね」というべきではありません。

自分が苦手な内容を分析しないまま、「数学が苦手」と苦手意識を全体化することは大変危険です。こんなことをしていると、名実ともに「数学が苦手」な子ができあがってしまうのがオチです。「数学が苦手」と思っている子にも、得意な単元、苦手な単元があるはずです。そこを峻別することが学力向上の第一歩です。

苦手意識を全体化せず、苦手な内容を吟味すること、これが本人にとっても周囲の指導者(保護者)にとっても、とても大切です。



しかし、このような全体化は、時にはいい作用をもたらすことがあります。

歴史が大好きな子がいます。その子が興味があるのは「歴史」、しかも「日本史」の「戦国時代」であったりします。しかし、その子は戦国時代が好きだからいい点が取れる、そうすると、歴史全体も好きな気がして歴史ならいつでも点数が取れるようになる、さらに歴史は社会科の一部だから、地理でも公民でも社会なら点数が取れるようになる、そういうことはよくあります。

これは良い全体化の例です。



全体化自体は悪いことではありませんが、それが負の面に働きそうなときは、そこを制御することが大切だと思います。

苦手意識を全体化しないこと。_d0116009_12464132.jpg
白川郷の合掌造り集落
岐阜県白川村 世界文化遺産
December 2007



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by terakoyanet | 2008-12-08 12:47 | 寺子屋エッセイ(読み物) | Trackback | Comments(0)