寺子屋ブログ by 唐人町寺子屋

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2009年 10月 27日 ( 1 )


2009年 10月 27日

九州・山口の産業遺産・近代化遺産①万田坑

22日の西日本新聞で、世界遺産登録を目指す、「九州・山口の産業遺産・近代化遺産群」の構成遺産が絞られたことが発表されていました。

こちらの構成遺産は、九州・山口の全ての県にまたがっていて、有名どころでは、本校の昨年のサマー合宿でも訪れた八幡製鉄所や、長崎造船所、鹿児島の集成館などが含まれています。

将来、世界遺産になるかどうかは別として、私は産業遺産が好きで、これまでに、これらのあちこちの構成遺産を訪れています。今日はそのうち万田坑をご紹介します。

061.gif万田坑 熊本県荒尾市 (国指定史跡・国指定重要文化財)
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こちらの万田坑はかつての日本最大級の炭田として日本の近代化を支えた、三井三池炭鉱のなかでも最大級の規模を誇った炭鉱です。福岡県大牟田市と熊本県荒尾市の県境に位置します。

私がもし九州外の知人に「九州の見どころを案内してくれ」と言われたとしたら、私は迷わずこちらの万田坑を目玉の一つとしてコースに入れます。万田坑は、私がこれまでに見た近代化遺産のなかでも、最も印象に残る場所です。

万田坑は現在、後世に遺産として継承するための保存修理工事と周辺整備を行っており、特別公開の日を除き、立ち入ることができません。2010年3月より、再び公開が始まるようですので楽しみにしています。

私たちが万田坑を訪れたのは、保存修理工事が始まる直前の2008年6月でした。
そこには、閉山したまんま手つかずの建物、機械がそのまんま残っており、時間の経過こそ感じるものの、炭坑で働く人たちの息遣いがすぐそばで聞こえてくる感覚がありました。

保存修理前の建物は確かに安全性の面で難ありと感じました。みしみしと悲鳴をあげる木の床や、崩れ落ちそうな煉瓦壁、油断していたら首でもひっかけてしまいそうな無作為に伸びる配線コード、、、
到底、楽しい週末を訪れるためにやってきた家族連れを迎え入れるような場所ではありませんでした。

しかしながら、それだからこそ、貴重な場所、ただならぬ場所という感覚が体に響いてきました。
そこには、見られるべき場所として用意されたものではない、ホンモノ感が漂っていました。



工事後に万田坑はどのような姿で私たちの前に表れるのか、楽しみに待ちたいと思います。






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作業員たちはここ山の神の前で立ち止まり一礼をし、坑内での安全を祈願したと言います
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浴室
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安全灯室 
ここで作業員たちは命綱である安全灯(ヘルメットライト)を身につけます
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こちらのケージ(エレベーター)で地下深くの炭鉱に入っていきます
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第二竪坑坑口(明治41年完成)
ここからケージが地下に降りていきます。
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こちらの木材は閉山以来、水に浸ったまんま

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煙草の吸殻まで当時のまま
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第二竪坑櫓と巻揚機室
櫓は明治41年完成で高さは18.8m、巻揚機室は明治42年(ちょうど100年前!)完成とのこと



歴史の重み、、、と言う言葉では片付かない、というか不釣合いなものを感じました。

歴史にしてしまうにはまだまだ消化不良の何がが万田坑には漂っていました。
歴史というよりは、そこに存在した人、一人ひとりの生活や労苦や楽しみの痕跡が色濃く残っており、それが私の胸をぎゅっと執拗なほどに締めつけました。

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by terakoyanet | 2009-10-27 01:35 | 好きな場所 | Trackback | Comments(0)