現在、全国の書店で話題の1月末にミシマ社から刊行されたばかりの本、『モヤモヤの正体 迷惑とワガママの呪いを解く』の作者、尹雄大(ゆん・うんで)さんを来たる2月11日(火祝)にお呼びしてお話を伺います。

☆速報 2月7日に、わずか発売1週間で『モヤモヤの正体 迷惑とワガママの呪いを解く』の増刷が決定しました!おめでとうございます!


「人に迷惑だけはかけなさんなよ」そう大人に言われ続けて育った私たち。
そんな私たちは、他人をすぐに「迷惑」だとラベリングするし、自分が人に迷惑をかける行為をそれを「ワガママ」だからだと自制します。
尹さんは、私たちが迷惑やワガママを許せない心理の背後にある「怒り」の感情について、葛藤と克服の物語について迫っていきます。
尹さんは、私たちがほとんど無意識のうちに手中にしている判断基準や価値観について鋭くメスを入れるので、そういう価値基準の中で生きてきた私たちの心の中には抵抗や煩悶、憤りが生じることもあるかもしれません。自分の大切なものにケチをつけられたような感情が生まれる人もいるかもしれません。
でも、そういう日ごろは見ないようにしている自分の弱さがあぶり出されることでようやく腑に落ちることもあると思います。約2年ぶりの尹さんとの時間が良いものになりますように。


〇尹雄大トーク『モヤモヤの正体 迷惑とワガママの呪いを解く』刊行記念トーク福岡 出演:尹雄大 進行:鳥羽和久

◇日時 2月11日(火祝)15:00~17:00
◇チケット販売:とらきつねBASE https://torakitsune8.thebase.in/:またはとらきつね店頭にて
◇会費 2,700円(学生1,000円)
※高校生以下無料、お子様連れ可能ですが託児施設等はございません
※学生さんのみ電話・メールでの予約が可能です。(学生さんのみ当日の支払い可。一般の方々は事前にチケットをご購入下さい。)
※チケットレス制です。ご予約の方に予約番号をメールでお知らせしますので、当日受付にて予約番号をお申し付けください。(チケットはございません)
※質疑応答あり
※トーク終了後に尹雄大さんの書籍販売、サイン会あり※キャンセル不可(払い戻しはできません)

◇プロフィール尹雄大(ゆん・うんで)
1970年神戸市生まれ。物書き。政財界人やアスリート、アーティストなど約1000人に取材し、その経験と様々な武術を稽古した体験をもとに身体論を展開している。主な著書に『やわらかな言葉と体のレッスン』(春秋社)、『体の知性を取り戻す』(講談社現代新書)、『増補新版 FLOW 韓氏意拳の哲学』(晶文社)、『脇道にそれる』(春秋社)など。



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尹雄大『モヤモヤの正体 迷惑とワガママの呪いを解く』(ミシマ社)、たくさん気になるフレーズがあります。少し書き出してみたいと思います。


どこかに正解があるはずだと、手にしたものをすぐさま放り投げるのではなく、摑んだ失敗や間違いを余すことなく体験し、それを徹底して味わってみる。それがこの世界のわけのわからなさを「わけのわからないもの」としてまるごと理解するたったひとつの道なのではないでしょうか。

言葉を覚えたての幼子が飽きもせず「なぜ?」を連発するのはどうしてでしょうか。それはおそらく答えを欲するのではなく、ただ問うているからでしょう。

「正しくあらなければならない」という考えは葛藤の存在を示しています。「そうでなければいけない」と言えば言うほど明らかになるのは、当人が決して現状に満足していない様子です。

正義を問うことが対立を生むのだとしても、それのいったい何が問題なのでしょうか。

自信が持てないのは何かが欠如しているからではなく、「自信がない」という設定を自らに許しているからではないか、ということでした。

「迷惑かもしれない」という配慮は、他者への気遣いでも繊細さでもなく、客観性の名の下に相手をコントロールしたいという欲望の表れだとは言えないでしょうか。

意識は過去に囚われ、これまでのことを後悔しても決して取り戻せない。一歩も前に進まない。焦りは募り、変わりたいという思いは空転する。絶望感でいっぱいになります。ですが、身体はそうなっていません。毎日を新たに生きたがっています。いや増す絶望感をよそに、身体は生に向けて歩みを続けています。

自分が無視してきた体感にフォーカスしていくと、長年かけて育てた感性が実は社会に合わせていたことや、わかって欲しかったけど理解されなかった経験があったのだと気づきます。

いろんな方の話を聞いて思うのは、弱さやダメなところがあるから問題なのではなく、それらを認められない、認めるわけにはいかないというその人の切実さがつまずきになっている、ということです。

わからなさを知ろうとすることがわかるということであり、共感に投資することが自己の理解の道のりではないはずです。


少しだけ抜き出そうとしたら、たくさんに。。。

著者は1章において「複雑な世の中であるからこそ白黒つけられないところに留まる足腰の強さはあったほうがいい」と言います。この本は、そういった足腰の粘り強さを頭で理解する以上に体得していくこと、「覚束ない足取りでも」(「おわりに」より) それを留まることなく続けていくことを呼びかけるために書かれたものだと感じました。


「人に迷惑だけはかけなさんなよ」そう大人に言われ続けて育った私たち。そんな私たちは、他人をすぐに「迷惑」だとラベリングするし、自分が人に迷惑をかける行為をそれを「ワガママ」だからだと自制します。そのような迷惑やワガママを許せない心理の背後にある「怒り」の感情、そして葛藤と克服の物語を通して、私たちが何を切実に手に入れようとしてきたのか、この本は詳らかにしていきます。


かつて作家の吉本ばななさんが尹さんの文章のことを次のように言いました。


この人の描く言葉は

他のだれとも違う彼だけの速度。

だから信用できるしほっとする。


そのころ(5年前)以上に今回のこの本の尹さんの文章は、余分なものが削ぎ落されていると感じます。理屈だけで読もうとすると、うまく読めなんじゃないかという気もします。読む方も試されているなと感じるのです。


尹さんの2018年の著書『脇道にそれる』(春秋社)の中にあった「私は現実ではなく、現実らしさを望んでいたのだった」という一節を思い出します。共感という道筋で他者の価値観に依存し、私を見つけようとしたところで、その私には根が全くなく、決して安心できない。それでも、私たちは「わかるよ」と頷きあって慰め合う。尹さんはそのことを「現実らしさ」と呼び、私たちが「現実らしさ」から抜け出すために、自分自身に立ち返ることを呼びかけます。


さて、いよいよ尹雄大さんのとらきつねでのトークイベントの開催が4日後となりました。

尹さんといっしょに本の内容について(上にあげたフレーズについても)いろいろと話してみたいと思います。参加者の皆さまには、お話しを聞きながら自分が何を感じるか、その内観を味わっていただきたいと思います。

ご意見や感想、質問などを伺う時間やサイン会もありますのでぜひお楽しみください。


尹雄大『モヤモヤの正体 迷惑とワガママの呪いを解く』刊行記念トーク福岡開催のお知らせ_d0116009_02405620.jpg


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by terakoyanet | 2020-02-07 02:41 | とらきつね | Trackback | Comments(0)