カテゴリ:おすすめの本・音楽( 123 )

ここのところ、寺尾紗穂さんの『光のたましい』をずっと聴いている。




今年の6月に配信リリースされた『光のたましい』は、彼女が年末恒例のライブを行っている東京・上野のゆくい堂工房で出会った古いピアノを使って演奏・録音されたもの。


この曲について、寺尾さんはリリースに合わせて綴られたブログ(ブログタイトル「光のたましい、老ピアノとのダンス」)の中で次のように綴っている。


これはいわば、私とおばあさんピアノとのこの日限りのダンスであり、対話である。人が老いるように、楽器も老いるということ。私たちだれもが不完全なように、楽器にもまた不完全な音があるということ。美しい整った音で演じる、という原則を外れたところに、何か不思議な化学反応がうまれるということ。そんなことを思いながら、このMVを作っていた。


この曲を初めて聞いたとき、それがピアノ1台で演奏されていることに気づかなかった。むしろ、もっと複雑な音が鳴っているような気がしていた。でもよくよく聞いてみたらやっぱりピアノだけで演奏されていて、弦が揺れるたびに軋む金属音や、ピッチがあっていない幾つかの鍵盤が、独特の淀んだ音響を作り出してして、それがある種の複雑な深みを醸し出していることに意外な驚きを感じた。


この曲が今年生まれた必然について考える。


日ごろからギリギリのところで踏ん張っている人たちが、今年に限って、こんなに厳しい時勢だから、こんなに厳しい環境だから、ギリギリのラインを越えてしまって命を落とした人もいるのではないかと思うのだ。今年はほんとうにおかしな年だと思う。


「光のたましい」では、「どこにでも答えはあるの」「どこにでも自由はあるの」の声と音の響きの中に逆説的にギリギリが織り込まれているように感じました。


私が「光のたましい」の歌詞について寺尾さんに投げかけた言葉。これに対して寺尾さんは


そうですね、あの二つの問いは疑問符がつく感じです。


と応えてくださった。アルペジオの美しい流れを裂くようにフォルテッシモで発せられる「どこにでも答えはあるの」「どこにでも自由はあるの」という問いかけは、私たちが生まれながらにもっているはずの答えや自由をすっかり見失ってしまい、ただただ立ちすくむ人たちの声を連想させる。


わたしたち みんな
孤独な魂
心凍らす ことはできずに

わたしたち みんな
光の魂
見えない 右手
抱いて 眠る


私たちはみな、孤独な魂であり、光の魂である。
そう歌うこの曲が、不完全な音を鳴らすおばあさんピアノとの対話を通して生まれたのは、
なんだかとても必然のことのように思われて、胸をうたれます。



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by terakoyanet | 2020-10-02 02:55 | おすすめの本・音楽 | Trackback | Comments(0)

週刊文春に掲載された山崎ナオコーラさんの書評が、今朝、文春オンラインに掲載されました。
以下で全文をお読みいただくことができます。



山崎ナオコーラさん。その小説の中にはどこかぎこちない人たちと、彼らによるぎくしゃくした対話が出てきます。そしてそのエッセイの中には細かすぎて伝わりにくい居心地の悪さや違和感、そしてその背後にある情念が描かれます。いつもブツブツと呟きながら、自分はどうなんだと考えを膨らましながら、そしてときおり武者震いしながら、山崎ナオコーラさんの本を読んできました。そんな山崎さんに「読み物として素晴らしい」と言ってもらえたことはとても嬉しいです。

処方箋を綴れば実用書になる。個別性を描こうと思うなら文学がいちばんいい。哲学の普遍も、実用の一般化も、文学を一度透過することで個別の光を宿したままに普遍を照らせるかもしれない。だから、文学の力を借りることで、哲学に触れ、同時に実用にも耐えうる読み物をという野心のもとで書いたのが『おやときどきこども』です。だから、この数日、文学ラインの感想が届いてとても嬉しいです。


この記事がYahoo!ニュースでも流れ、さらに翻訳家の村井理子さんのおすすめツイートも重なり、『おやときどきこども』が瞬間値ながら、楽天の本・雑誌・コミックランキング(リアルタイム)で鬼滅の刃を抜いて1位になりました。Amazon品切れ(総合181位)の影響で楽天に流れたと思われます。最初で最後だと思うのでぜひ見納めてください。

山崎ナオコーラさんの書評のこと_d0116009_12061586.jpg


この画像は詩人の三角みづ紀さんが首位記念にスクショしてくださったもの。
人生何があるかわからないなあと思いながら、今日も粛々と授業の準備をしています。








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by terakoyanet | 2020-08-23 12:17 | おすすめの本・音楽 | Trackback | Comments(0)

6月末刊行(本の奥付では6月25日刊行)の『おやときどきこども』(鳥羽和久著/ナナロク社刊)が、全国の書店に並び始めました。



とらきつねではさっそく100冊が完売、アマゾンでも上位発進となりました。読まれた方からは、さっそく感想も届いています。ありがとうございます。ナナロク社のnoteにて、『おやときどきこども』の全国お取り扱い店が掲載されました。こちらにも挙げさせていただきますが、お取り扱い店は今後さらに増えるものと思います。

以下ナナロク社noteより

・・・・

6月下旬刊行、鳥羽和久著『おやときどきこども』の取扱店ほぼ一覧です。
最近の注文で本が未着の場合や、すでに完売して店頭品切もあるため、ご来店前には確認をおすすめいたします。また掲載には注意しておりますが、完全にするのは困難で、未掲載の書店様や、このお店にもありました報告などぜひぜひお寄せくださいませ。なお、お取り扱い希望の方は注文サイト「一冊!取引所」やナナロク社までお気軽にご連絡ください。
電話:03-5749-4976 メール:choku(渦まーく)nanarokusha.com

『おやときどきこども 』にたくさんのコメントをいただきました


都道府県別の取扱店(6/20更新)

■北海道
BOOKS HIROSEジャスコ店
MARUZEN&ジュンク堂書店 札幌店
TSUTAYA 小樽店
TSUTAYA 木野店
ヴィレッジヴァンガード イオンモール釧路昭和
くまざわ書店 アリオ札幌店
コーチャンフォー 旭川店
コーチャンフォー 釧路店
コーチャンフォー 北見店
コーチャンフォー ミュンヘン大橋店
コーチャンフォー 新川通り店
コーチャンフォー 美しが丘店
ジュンク堂書店 旭川店
岡本書店 恵庭店
紀伊國屋書店 札幌本店
宮脇書店 帯広店
江別 蔦屋書店
三省堂書店 札幌店
函館栄好堂 丸井今井店

■青森県
BOOK CITYモア ベイブリッチ店
くまざわ書店 五所川原店
ジュンク堂書店 弘前中三店
ブックスモア 青森中央店
金入 下田店
金入 番町店
成田本店サンロード店

■岩手県
NET21伊吉書院 B・N・O二戸店
エムズ書店
ジュンク堂書店 盛岡店
リラパークこなり

■宮城県
TSUTAYA ヤマト屋書店東仙台店
あゆみBooks 仙台一番町店
ヴィレッジヴァンガード イオンモール名取
くまざわ書店 仙台エスパル店
ジュンク堂書店 仙台TR店
ヤマト屋書房 仙台長命ケ丘店
丸善 仙台アエル店
宮脇書店 気仙沼店
曲線
金港堂石巻店
蔦屋書店 多賀城市立図書館

未来屋書店 石巻店
未来屋書店 利府店

■秋田県
BOOKSアルファ
ジュンク堂書店 秋田店
ブックスモア 湯沢店
ブックスモア 秋田潟上店
ブックスモア 大曲店
ブックスモア 鷹巣店
ブックスモア 本荘店
ブックスモア 大館店
未来屋書店 秋田店
未来屋書店 大曲店

■山形県
TENDO八文字屋
戸田書店 三川店
戸田書店 山形店
八文字屋北店

■福島県
スクラム鏡石店
Go Go Round This World!Books&Café
ジュンク堂書店 郡山店
みどり書房 福島南店
宮脇書店須賀川店
鹿島ブックセンター

■茨城県
ACADEMIA くまざわ書店 イーアスつくば店
TSUTAYA LALAガーデンつくば
くまざわ書店 取手店
セキグチ書店
リブロ ひたちなか店
丸善 水戸京成店
丸善 日立店
蔦屋書店 ひたちなか店
未来屋書店 イオン土浦店
未来屋書店 つくば店

■栃木県
BOOKSオオイデ
TSUTAYA 宇都宮東簗瀬店(うさぎや 簗瀬店)
うさぎや TSTAYA宇都宮戸祭店
うさぎや 宇都宮テクノ店
うさぎや 宇都宮駅東口店
うさぎや 作新学院前店
うさぎや 自治医大店
うさぎや 栃木城内店
うさぎや 矢板店
くまざわ書店 宇都宮インターパーク店
くまざわ書店 宇都宮店
喜久屋書店 宇都宮店
未来屋書店 佐野新都市店

■群馬県
くまざわ書店 伊勢崎店
くまざわ書店 高崎店
ブックマンズ アカデミー太田店
喜久屋書店 太田店
紀伊國屋書店 前橋店
戸田書店 桐生店
戸田書店 前橋本店
煥乎堂 前橋本店

■埼玉県
ACADEMIA 菖蒲店
MARUZEN 丸広飯能店
TSUTAYA 所沢北野店(うさぎや山口店)
TSUTAYA 大利根店(うさぎや大利根店)
ycvox ワカバウォーク店
オークスブックセンター 岩槻店
くまざわ書店 アズセカンド店
ジュンク堂書店 大宮高島屋店
リブロ ララガーデン春日部店
丸善 桶川店
紀伊國屋書店 さいたま新都心店
紀伊國屋書店 浦和パルコ店
三省堂書店 大宮店
蔦屋書店 フォレオ菖蒲店
未来屋書店 大宮サティ店
未来屋書店 与野店

■千葉県
ACADEMIA くまざわ書店 ちはら台店
くまざわ書店 ペリエ千葉本店
くまざわ書店 稲毛店
くまざわ書店 松戸店
くまざわ書店 津田沼店
くまざわ書店 柏高島屋ステーションモール
くまざわ書店 本八幡店
ジュンク堂書店 南船橋店
ジュンク堂書店 柏モディ
ときわ書房 志津ステーション
ブックエース 成田赤坂店
ブックファースト 野田アプラ店
丸善 津田沼店
喜久屋書店 松戸店
紀伊國屋書店 流山おおたかの森店
三省堂書店 千葉BP店
蔦屋書店 イオンモール幕張新都心
蔦屋書店 茂原
未来屋書店 成田店
未来屋書店 木更津店

■東京都
ACADEMIA くまざわ書店 桜ヶ丘店
BOOKSルーエ
HMV&BOOKS HIBIYAコテージ
TSUTAYA 浜田山店
Title
オリオン書房 イオンモールむさし村山店
オリオン書房 ノルテ店
オリオン書房 ルミネ店
かもめブックス
くまざわ書店 IY武蔵小金井店
くまざわ書店 グランデュオ蒲田店
くまざわ書店 錦糸町店
くまざわ書店 昭島店
くまざわ書店 大泉学園店
くまざわ書店 池袋店
くまざわ書店 調布店
くまざわ書店 田園調布店
くまざわ書店 田町店
くまざわ書店 八王子店
くまざわ書店 品川店
くまざわ書店 武蔵小金井北口店
コーチャンフォー若葉台店
サンブックス浜田山
ジュンク堂書店 吉祥寺店
ジュンク堂書店 大泉学園店
ジュンク堂書店 池袋本店
ジュンク堂書店 立川高島屋店
ツタヤブックストア APIT東雲店
ブックスオオトリ 高円寺店
ブックファースト ルミネ北千住店
ブックファースト 新宿店
青山ブックセンター本店
本屋B&B
往来堂書店
丸善 お茶の水店
丸善 丸の内本店3F
丸善 後楽園メトロ・エム店
丸善 多摩センター店
丸善 日本橋店
丸善&ジュンク堂書店 渋谷店
紀伊國屋書店 新宿本店
紀伊國屋書店 玉川高島屋店
紀伊國屋書店 国分寺店
教文館 ナルニア国
今野書店
三省堂書店 神田神保町本店
三省堂書店 下北沢店
三省堂書店 経堂店
三省堂書店 成城店
三省堂書店 池袋本店
三省堂書店 東京ソラマチ店
三省堂書店 有楽町店
山下書店 綾瀬東口店
書楽
松屋浅草ブックショップくまざわ書店 浅草店
未来屋書店 板橋店
増田書店
代官山 蔦屋書店
中目黒 蔦屋書店
東京堂書店 神田本店
八重洲ブックセンター イトーヨーカドー武蔵境店
福家書店 アリオ北砂店
芳林堂書店 高田馬場店

■神奈川県
ACADEMIA くまざわ書店 橋本店
くまざわ書店 ジョイナステラス二俣川店
くまざわ書店 横須賀店
くまざわ書店 大船店
くまざわ書店 鶴見店
ACADEMIA くまざわ書店 港北店
BOOK EXPRESSリエール藤沢店
BOOKSHOP Kasper
TSUTAYA 菊名店
TSUTAYA 平塚真土店
いけだ書店新逗子店
ヴィレッジヴァンガード 青葉台東急スクエア
くまざわ書店 ランドマーク店
くまざわ書店 相模大野店
ジュンク堂書店 藤沢店
ブックファースト ボーノ相模大野店
ブックファースト 青葉台店
丸善 ラゾーナ川崎店
丸善 横浜みなとみらい店
紀伊國屋書店 ららぽーと横浜店
紀伊國屋書店 横浜店
三省堂書店 新横浜店
本屋生活綴方
未来屋書店 相模原店
未来屋書店 大和店

■新潟県
ジュンク堂書店 新潟店
戸田書店 長岡店
知遊堂 三条店
未来屋書店新潟南店

■富山県
Booksなかだ本店
紀伊國屋書店 富山店
文苑堂書店 戸出店
文苑堂書店 小杉店
文苑堂書店 藤の木店
文苑堂書店 富山豊田店
文苑堂書店 本郷店
明文堂書店 滑川店
明文堂書店 富山新庄経堂店
明文堂書店 富山有沢橋店

■石川県
北国書林 松任店
明文堂書店 TSUTAYA KOMATSU

■福井県
ヴィレッジヴァンガード フェアモール福井
わおん書房

■山梨県
ジュンク堂書店 岡島甲府店
天真堂書店 国母店
夢屋書店アピタ石和店
朗月堂 本店

■長野県
BOOKS&CAFE ニシザワいなっせ店
ブックス西沢 宮田店
改造社書店 松本駅店
笠原書店 岡谷本店
丸善 松本店
蔦屋書店 佐久小諸店
平安堂 あづみ野店
平安堂 伊那店
平安堂 若槻店
平安堂 新長野店
平安堂 諏訪店
平安堂 川中島店
平安堂 東和田店
平安堂 飯田店

■岐阜県
ACADEMIA くまざわ書店 大垣店
丸善  岐阜店
三省堂書店 岐阜店
草叢BOOKS 各務原店
徒然舎

■静岡県
MARUZEN&ジュンク堂書店 新静岡店
マルサン書店 仲見世店
戸田書店 江尻台店
戸田書店 藤枝東店
戸田書店 富士宮店
戸田書店 富士店
焼津谷島屋 アピタ大仁店
未来屋書店 浜松市野店
喫茶スズメ(24cafe内)

■愛知県
ON READING
ジュンク堂書店 名古屋栄店
ジュンク堂書店 名古屋店
ちくさ正文館本店
丸善 名古屋本店
丸善 アピタ知立店
丸善 イオンタウン千種店
丸善 ヒルズウォーク徳重店
三省堂書店 一宮店
三省堂書店 名古屋本店
正文館書店 本店
精文館書店 新豊田店
未来屋書店 新瑞橋店
未来屋書店 大高店
未来屋書店 熱田店
未来屋書店 豊田店
名古屋みなと 蔦屋書店

■三重県
ウイズ・ユー
ヴィレッジヴァンガード イオン鈴鹿
ゲオ 鈴鹿磯山店
コメリ書房 松阪店
丸善 四日市店
未来屋書店 鈴鹿店

■滋賀県
サンミュージック 長浜店
ジュンク堂書店 滋賀草津店
天晨堂ビバシティB.C

■京都府
ホホホ座
メリーゴーランド
恵文社
誠光社
ACADEMIA くまざわ書店 けいはんな店
TSUTAYA AVIX福知山店
TSUTAYA 京都リサーチパーク店
くまざわ書店 京都ポルタ店
くまざわ書店 四条烏丸店
くまざわ書店 桃山店
さとうバザールタウン舞鶴書籍売場
ふたば書房 御池ゼスト店
ブックパル 文苑五条店
丸善 京都本店
大垣書店 烏丸三条店
大垣書店 京都ヨドバシ店
福島文進堂 福知山本店
平和書店 TSUTAYA 興戸店
未来屋書店 高の原店

■大阪府
blackbird books
葉ね文庫
「本」のお店 スタントン
ACADEMIA くまざわ書店 すみのどう
MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店
TSUTAYA 貝塚26号線店
くまざわ書店 阿倍野店
くまざわ書店 天王寺店
ジュンク堂書店 高槻店
ジュンク堂書店 上本町店
ジュンク堂書店 天満橋店
ジュンク堂書店 難波店
ジュンク堂書店  近鉄あべのハルカス店
ジュンク堂書店 大阪本店
スタンダードブックストア
ヒバリヤ書店 本店
ブックファースト デュー阪急山田店
リーディングスタイルあべの店
リブロ なんばウォーク店
丸善  高島屋堺店
丸善 八尾アリオ店
丸善  高島屋大阪店
喜久屋書店 阿倍野店
紀伊國屋書店  天王寺ミオ店
紀伊國屋書店 グランフロント大阪店
高坂書店 八尾萱振店
大垣書店 高槻店
大垣書店 豊中緑丘店
梅田 蔦屋書店
未来屋書店 大阪ドームシティ

■兵庫県
おひさまゆうびん舎
1003
TSUTAYA BOOK STORE  加古川ミーツテラス
TSUTAYA 阪急伊丹駅前店
TSUTAYA 西脇店
くまざわ書店 尼崎店
ジュンク堂書店 芦屋店
ジュンク堂書店 三宮駅前店
ジュンク堂書店 三宮店
ジュンク堂書店 神戸住吉店
ジュンク堂書店 西宮店
ジュンク堂書店 姫路店
ジュンク堂書店 明石店
ブックファースト 阪急西宮ガーデンズ店
旭日書店 ららぽーと甲子園
関西学院大学生協書籍部
西村書店
未来屋書店 伊丹店
未来屋書店 明石店

■奈良県
ジュンク堂書店 奈良店
ジュンク堂書店 橿原店
とほん
旭屋書店 イオン奈良登美ケ丘店

■和歌山県
TSUTAYA WAYガーデンパーク若山店

■鳥取県
ブックセンターコスモ 吉方店

■島根県
ブックセンタージャスト新大田店

■岡山県
TSUTAYA 山陽店
丸善 岡山シンフォニービル店
喜久屋書店 倉敷店
宮脇書店 総社店
啓文社 岡山本店
未来屋書店 岡山店

■広島県
READAN DEAT
ジュンク堂書店 広島駅前店
丸善&ジュンク堂書店 広島店
紀伊國屋書店 広島店
紙片
中国堂書店

■山口県
ヴィレッジヴァンガード イオンタウン防府
くまざわ書店 下関店
ロバの本屋
宮脇書店コープ湯田店

■徳島県
ヴィレッジヴァンガード フジグラン北島

■香川県
ヴィレッジヴァンガード イオン高松店
くまざわ書店 高松店
ジュンク堂書店  高松店
本屋ルヌガンガ

■愛媛県
TSUTAYA BOOK STORE 重信店
ジュンク堂書店 松山店
蛙軒
新丸三書店 本店
明屋書店 MEGA西の土居店
明屋書店 大洲店

■福岡県
HACHIJU-ICHI
MINOU BOOKS&CAFE
taramubooks & cafe
TSUTAYA 中洲gate’s店
TSUTAYA 老司店
ヴィレッジヴァンガード イオン福岡伊都店
ヴィレッジヴァンガード 福岡ビアウォーク
くまざわ書店 サンリブもりつね店
くまざわ書店 小倉店
くまざわ書店 福岡西新店
くらすこと
とらきつね
ジュンク堂書店 福岡店
ノドカフェ
福岡おもちゃ箱
フタバ図書 GIGA春日店
フタバ図書 TERA福岡東店
ブックスキューブリック けやき通り店
ブックスキューブリック 箱崎店
ブックセンタークエスト小倉本店
メトロ書店 フレスタ千早店
リブロ 福岡天神店
縁側
丸善 博多店
喜久屋書店 小倉店
紀伊國屋書店 福岡本店
紀伊国屋書店 天神イムズ店
紀伊國屋書店 ゆめタウン博多店
紀伊國屋書店 久留米店
黒木書店 長住店
西南学院 大学生協書籍部
積文館書店 大野城店
積文館書店 天神地下街店
蔦屋書店 イオンモール筑紫野
福岡金文堂本店
福家書店 福岡木の葉モール橋本店
本のあるところajiro(書肆侃侃房)
未来屋書店 八幡東店
未来屋書店 福岡伊都店
未来屋書店 福津店
明屋書店 行橋店
明屋書店 小倉沼新町店

■佐賀県
TSUTAYA 鳥栖店
ブックス グリーン ウッド小城店
紀伊國屋書店 佐賀店

■長崎県
TSUTAYA BOOK STORE させぼ五番街店
TSUTAYA 広田店(蔦屋書店 広田店)
くまざわ書店 佐世保店
ひとやすみ書店
紀伊國屋書店 長崎店

■熊本県
TSUTAYA AVクラブ田崎店
TSUTAYA 天草店
ブックスまるぶんイオン天草店
本屋と活版印刷所
紀伊國屋書店 熊本はません店
紀伊國屋書店 熊本光の森店
長崎書店
橙書店
蔦屋書店 嘉島店

■大分県
くまざわ書店 大分店
ジュンク堂書店 大分店
紀伊國屋書店 アミュプラザおおいた店
大分大学生協書籍部
明林堂書店 大分本店

■宮崎県
くまざわ書店 延岡店
りーぶる金海堂 クロスモール店
宮崎大学生協書籍部

■鹿児島県
ジュンク書店鹿児島店
ブックスミスミオプシア
丸善 天文館店
紀伊國屋書店 鹿児島店

■沖縄県
ヴィレッジヴァンガード イオ読谷
ジュンク堂書店 那覇店
田園書房 つかざん店
未来屋書店 沖縄ライカム店

・・・


6月18日に毎日新聞朝刊にて『おやときどきこども』についての記事が掲載されました。
上村記者は本を読み込んでこの記事を書いてくださり、とてもありがたく思いました。







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by terakoyanet | 2020-06-21 21:31 | おすすめの本・音楽 | Trackback | Comments(0)

私は「おやときどきこども」を読んで、母親や教師などのどんなをレッテルを持つ人でも、もとはひとりの人間なんだと気づかされました。

私は、中学生のとき教師に対して多くの不満を抱いていました。「教師」という職業に就いたからには、完璧にその仕事をこなしてほしい。生徒のことをちゃんと考えてほしい。そんなことばかり思っていました。

しかし、この本を読み終えた今では教師を、「教師」というレッテルをはがしてみることでそのひとはそのひとなりの努力をしていたんだろうなぁと、受け入れることができました。それと同時に自分のこころにゆとりができたような気分がしました。

この本はたぶん大人に向けて書かれた作品だろうと思います。けれど、わたしみたいなまだ親のもとで暮らしているこどもが読むことで、親にたいする見方が少なからず変化すると思います。

私の母親は勉強に対して厳しい人です。高校の定期テストで順位を落とすと、部活を辞めさせると脅されたこともあります。正直、母親のことは全く理解できませんでした。「脅したことで成績があがるわけないじゃないか。」と、こころのなかでつぶやいていました。でも親の気持ちを少し理解できた気がします。私の母親もきっと私のことを考えこみすぎてこんな言葉をくちにしたんだと思います。こんなふうに考えれる余裕ができたのは、この本を読んでからです。

鳥羽先生の生徒のひとりとして、これはいつも生徒全員と真摯に向きあって、一緒になって悩んでくれる鳥羽先生だからこそ書ける文章だなと読んでいながらずっとおもっていました。鳥羽先生らしい本だとすごく思います。とても考えさせられる本でした。

・・・

高校生のあやかさんが、版元のナナロク社に『おやときどきこども』の感想を寄せてくれました。自分に引き寄せて読んでくれて、これを読んだだけでも書いてよかったなーと思いました。

あやかさん、私の本に寄り添って書いてくれたから上のような書き方になったと思うのですが、日ごろから彼女からは親への愛情や感謝のようなものがひしひしと伝わってきます。多忙な中、版元から送られてきた原稿を読んでくれて感想を書いてくれたみたいで、本当にありがとう。

本が出たあと、読んでくれた卒業生、在校生がいたら感想を聞かせてください、




AI-amのよっぴー(吉田 晃子 さん)、まりん(星山 海琳 さん)が版元のナナロク社に『おやときどきこども』の感想を寄せてくださいました。この感想が届いた日、感動のビッグウェイブが出版社を襲ったそうです。

感想というか、これはもう、「大人」と「子ども」の間の関係についてつづった掌編です。以下、読んでみてください。

・・・・

親にも、子どもにも、ひとつずつの孤独がある。「わかる」ではなく「わからない」を知る鳥羽さんの言葉は、こんなにもよく聴こえてくる。

学習塾という場所は、ときどき、数値ばかりが建物を覆っているかのように見えてしまう。けれどその場所で鳥羽さんは内側からの声を見せあい、孤独と孤独のままに交わり、人間の淋しさと切実さを受容する。安全靴を履かせようとはせずに、地面の感触をたしかめる一人ひとりの裸足を見ている。そして子どもたちは鳥羽さんを介して「私」を再発見し、発展させていく。それはまちがいなく、本質的な教育の空間だ。

大人は、長い年月をかけて「正しさ」の病に侵されてきた。親は、子どもが子ども自身の「私」と握っていた手を外し、「正しさ」へ押しこめていく。人間は割り切れないものなのに、偶数の存在であることを求めてしまう。けれど鳥羽さんのひたむきな言葉は、「私」を味わう時間を切り詰められてきた親と子のあいだに引かれた境界線を滲ませていく。わからなさ、割り切れなさへと近づく勇気を灯し、親が帰るべき「いま」を見せてくれる。

この本を読んでいるあいだ、わたしたちはひとりになる。そして、その喜びを湛えて大切なひとのそばへ行き、ひとつずつの孤独で呼応しあうのだ。

https://note.com/nanarokusha/n/n402f6b4085e3

(他のご感想は後日紹介します。ありがとうございます。)


高校生のあやかさんとAI-amのおふたりからの感想(『おやときどきこども』)_d0116009_11181756.jpg



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by terakoyanet | 2020-06-10 11:23 | おすすめの本・音楽 | Trackback | Comments(0)

6月末に刊行される『おやときどきこども』ですが、とらきつねでの予約販売も始まりました。
店頭には18~20日ごろに並びます。

『おやときどきこども』ご紹介 第3章_d0116009_13420398.jpg


『おやときどきこども』ご紹介 第3章_d0116009_13422305.jpg
今日は第3章のご紹介です。

3 子どもと意志
学問と祈り/死にがいを求めて生きている/関係性、それ自体が私なんだ/意志と責任/子どもは欲望を見つける


「しなければならない」ことをしくじってしまった自分を、何かが欠けたような存在だと感じたまま生きている人は多いです。でもその人たちは、出会う順番を間違えただけだということが、いまならわかります。

学問や祈りに「ほんとうに」出会うことができなかった人は、どこか欠落を抱えた哀しみとともに生きざるをえません。だから、私たちはもっと出会うことを大切にしなければなりません。


最初の「学問と祈り」では私の回想が差し挟まれています。中学時代に親友がいじめにあったこと、そのときの祈りのこと、そして学問や祈りに「出会う」ということについて書きました。この話の原型はこちらのブログで書いたもので、不思議なことに、寺子屋にお子さんが入塾するきっかけがこの記事だったという方もいらっしゃいます。

・・・


「未来の自分は間違ってないじゃないですか。未来の自分は選びとられた自分だから完璧なんです」


「死にがいをもとめて生きている」、この節のタイトルは朝井リョウさんの小説『死にがいを求めて生きているの』から取られたもの。平成以降の子どもたちの頭の中身を、東浩紀さんの『ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2』などの力を借りながら、当校の名物授業「ディスカッション」に参加した子どもたちの声から探っていきます。この節では、いまの子どもたちと私ってOSから全然違うじゃん、と大人に気づいてほしいという狙いがあります。

・・・

そして次の節からはいよいよ、親と子、人間どうしの関わりにおける関係性のほつれをいったいどうほどいてゆけばよいかについて、実践的な話が始まります。


大人は「この子はやる気がない」と思って執拗に声を掛けます。でもこれが誤りで、実のところはやる気がない子は存在しないのです。彼らはたまたまやる気がない状態なだけです。(中略)

「Aくんはね、実はやる気がないのではなくて、いま、たまたまやっていないだけなんだよ。」そう言葉を掛けると、Aくんは表情を変化させます。彼ははっとして、いまの自分の状況と、自分が持っているはずの見えない欲望について思わず考え始めてしまいます。そうして、必ずしもやる気がないわけではない別の自分を確かに発見します。子どもが変化するのはそこからです。


認知症の人たちに接近することで私たちが気づくのは、認知症の人たちも私たちも、それぞれの世界を生きているという当たり前の事実です。でも、その世界どうしがうまく関係性を結べないとき、私たちは認知症の人たちの側に「問題がある」と考えます。認知症の人たちに認知に関する「問題がある」せいで、私たちは彼らとのコミュニケーションを十分に為しえないと考えてしまうのです。

でもほんとうは認知症の人たちの側に問題があるのではなくて、単に私たちと認知症の人たちの間の「関係性」の問題に過ぎないのではないでしょうか。もしかしたら、私たちのほうこそ「関係性」の障害を患っているのかもしれないのです。だからこそ、ユマニチュードではその「関係性」自体を取り戻すことに主眼を置きます。


「関係性、それ自体が私なんだ」では、認知症高齢者のケアの現場で用いられている「ユマニチュード」の技法を通して、子どもと「関係性」自体を取り戻すことについて考えます。


・・・

友達といっしょに万引きをした彼が問われなければならなかったのは、彼が悪いとか周りの友人が悪いとかではなく、万引きという現場に直面したときに、彼自身がどのような応答をすることができたかということではないでしょうか。(中略)このとき彼にはどうやって不確定な世界と関係を結ぶのか、そのことを良し悪しを抜きにして考える胆力が求められているのであって、それが本来の責任です。


Aさんはその間、親と私の間で交わされる会話を聞いています。そこではいろんな言葉が交換されるのですが、そのやりとりの中には「こうすべき」がないから、子どものほうも受動性に陥ることなくただ話を聞いていられます。私はそんな印象を持たれているんだ、そういうところが得意かもしれないんだな。そんなふうに、いつの間にか子どもは自身の存在を興味深いひとつの対象として味わうことを知ります。


続く「意志と責任」「子どもは欲望を見つける」では、万引きをした子ども、ひきこもり、受験生などの具体的な場面を通して、いかに子どもが「意志」というよくわからないものを大人に押し付けられて、そのことによって損なわれているかを明らかにするとともに、それなら子どもの本来の意志のようなものはどうやって芽生えるのかについて考察しています。

この章では、近年話題の國分功一郎さんの『中動態の世界』、齋藤環さんの『オープンダイアローグとは何か』といった人文書に書かれている考察を、どうやって教育現場で実践的に用いることができるか、という読み方も可能だと思いますので、広く教育現場の方にも読んでみてもらいたいと思っています。


ということで、今日は、人と人との関係性を実践的に深めていくために読んでいただきたい『おやときどきこども』第3章の紹介でした。



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by terakoyanet | 2020-06-08 14:42 | おすすめの本・音楽 | Trackback | Comments(0)

6月末に刊行される『おやときどきこども』ですが、新しい紹介文が公開されています。

「大人はデフォルトで絶望のくせに、子どもに希望を持てとかほんとダサいし。私はそもそも絶望してないから。私の言ってること、わからないでしょ。」

「正しさ」を手放したところから始まる、新しい人間関係のあり方をリアルな事例とこれまでにない考察でつづる本。
福岡市のど真ん中で小中高生たち150余名の子どもたちと日々奮闘する著者が、まさにいまの親子が抱えるリアルな問題を、子どもたち自身の生き生きとした語りを通して描き出します。

私たちはいつのまにか大人になる過程で、子どものころの私の声を失ってしまった。
だから、私はいま目の前にいる子どもと交われないんじゃないかな。
子どもの声を聞いて、もう一度、私の声を取り戻す。
この本には、そのための心で温めたいストーリーが詰まっています。

東浩紀さんの『ゲーム的リアリズムの誕生』、國分功一郎さんの『中動態の世界』、齋藤環さんの『オープンダイアローグとは何か』をはじめ、平成から令和を代表する人文書を通して、現代の子どもや家族の問題を取り扱っていますので、取っつきにくい専門書の入門編としてもおすすめ。現代思想を「実装」すると教育はこんなふうになるのか、という臨場感に溢れています。そして、子どもたちが紡ぎ出すストーリーの奥からは、最果タヒ、米津玄師、マヒトゥ・ザ・ピーポーら、現代のアイコンたちの歌が響いてきます。


・・・

今日は2章のご紹介です。
2章は、「大人の葛藤の中身」。今回の本は明確に「子ども」を主人公としているのが『親子の手帖』と一線を画しているのですが、この章は唯一「大人」が子どもに接する際のエラーをさまざまに取り扱っているという意味で、『親子の手帖』に連なる内容になります。

2 大人の葛藤の中身
子どもは簡単に自分を責めてしまう/よそよそしい家族/がんばっているのに、成績が伸びない/子どもの生き方は、もう決まっている/思春期の子どもがわからない/呪いでない宝はない/えこひいきする先生/遊びと企て

電話をかけてきたお母さんは、子どもの葛藤を知っています。ちゃんとがんばらなくちゃと思っているのに、さまざまな理由からしんどくて立ち向かえない彼女のことを知っています。知っているからできるだけ彼女に寄り添って応援しようとします。ときには具体的にあれこれと援助しようとします。それでも、子どもからすれば、親の行動は初めから結論ありきの大人の考えの押しつけと感じられてしまうので、鋭く反発します。お母さんにとっては、子を思う気持ちからよかれと思ってやったことですから、それが反発という形で無下に扱われるとどうしても怒りの感情が噴き出します。「いつも同じことばっかり言わせて。いい加減にしなさいよ。そんなことならもうやめてしまいなさいよ。」ついお母さんは子どもにきつい言葉を投げ掛けます。すると子どもはさらに反発を強め、ますます会話が成立しなくなります。
こういうときどうしたらいいでしょうかと、お母さんたちからたくさんの相談を受けてきました。


ふだんから「僕は勉強が苦手」だと言うある男の子。算数のテスト中に手が止まってしまった彼と目が合ったので、私は「が・ん・ば・れ」と口の動きで伝えました。すると、とたんに彼は口元をきゅっと結んでもう一度答案に取り組み始めました。私はその一瞬の彼のまっすぐさをいとおしく思いました。相対的な苦手意識より、彼の中にある絶対的な「好き」こそを発掘して、いっしょに味わっていきたいと思いました。


2章は、宿題のことで責めを受けたことをきっかけに学校に行かなくなった寿焼(としあき)くんの話から始まり、そして家庭内の葛藤を抑圧するばかりにあるよそよそしさをまとってしまった家族の問題、「良い子育て」の問題点などを取り扱っていきます。さらに、思春期の子どものことがわからなくなるのはなぜなのか、ということを具体的にほぐすような話をしたあと、親が子どもにかける「呪い」について、決してそれが一面的に負のものとして捉えられないことを明らかにします。最後に、私たちの日常生活の行動様式を「遊び」と「企て」に分けて考えることで、「遊び」を脱ぎ捨てて「企て」に身を投じることが「大人」になることである一方で、「企て」はいつまでも満たされない自己否定の循環であり、それが「大人」の病であることを明らかにしていきます。







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by terakoyanet | 2020-05-31 07:50 | おすすめの本・音楽 | Trackback | Comments(0)

今日は5.18、光州事件から40年が経ちました。

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光州事件について、あまりご存知ない方は例えばこちらの記事などを読んでいただければよいかなと思います。
大ヒット映画『タクシー運転手』をご覧になった方は、ああ、あの映画で描かれていた事件か、と思い出されるかもしれません。

昨年の夏、光州(クァンジュ)に行きました。光州事件に関するいくつかの場所を周りました。世界記憶遺産(世界記録遺産)に登録されている5.18民主化運動記録館にも行きました。現地の方からは、この事件が全羅道に対する差別意識を利用したものだったという話や、光州事件こそが80年代以降の民主化運動の原動力になったことなどの話を伺いました。

光州を訪れて、韓国の多くの人たちにとって、この事件は決して古傷ではなくて、生傷なんだと実感させられました。光州事件についてのさまざまな展示も、できるだけ精密にかつ公正に事実を詳らかにしようという熱量が感じられましたし(いまの日本でこんなことが可能でしょうか)美術作品も、事件をわかりやすくするために寄与しているというよりは、むしろ容易な解釈に抗うような、物語化を拒むような、でもその場に巻き込まれてしまって身動きがとれなくなるような、そんな仕掛けになっていて、これは凄まじいなと思いました。光州事件のときに利用された地方や「アカ」に対する差別意識自体は、いまも国内にあるわけで、光州事件と向き合うこと自体が、いまだに怒りの現場であり葛藤の現場なんです。日本に果たしてそんな場はあるだろうか、あまりにもなあなあに済ましている事柄が多すぎるんじゃないか、例えば原爆だって水俣病だって、単に物語として消化してしまってるんじゃないかと考えさせられます。



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ハン・ガン(2016年にブッガー国際賞を受賞)の『少年が来る』。印象的な「きみ」という二人称で語られるこのフィクションは、読む人が、私も「きみ」であり「僕」でありえたことを痛切に感じながら読み進めざるをえないような語りになっていて、沢山の殺された人たちの肉体、虐待の描写によって、いかにこのとき魂が疎かに扱われたかということが痛烈に生々しく描かれています。殺された魂が語るこのフィクションによって私たちは殺された魂といっときにでも手を結ぶことができます。凄まじい作品なのでぜひ読んでみてください。私は韓国文学が充実している天神の本のあるところajiroさんで買いましたが、いまはとらきつねでも取り扱っています。





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by terakoyanet | 2020-05-18 11:38 | おすすめの本・音楽 | Trackback | Comments(0)

新しい本『おやときどきこども』(ナナロク社)が発売になります。

ナナロク社さんに声を掛けていただいて2年間、少しずつ書いてようやく刊行にこぎつけました。
帯文は、大好きな東浩紀さんと寺尾紗穂さん。(信じられません。)

『親子の手帖』がどちらかというと親の心理について掘り下げたものだとすると、『おやときどきこども』はとことん子どものことを書きました。大人が子どもと出会い直すための本です。編集は川口恵子さん、校正は牟田都子さん。

東浩紀さん(批評家、作家
鳥羽さんに子どもを託した親は恵まれていると、
ひとりの親として思った。
学習塾でこんな対話が可能ならば、
地域の未来は明るい。
https://genron.co.jp/

寺尾紗穂さん(音楽家、文筆家)
「先生は私に言葉を与えてくれました」
一人の教え子の言葉は、鳥羽さんの教育にかける情熱を伝えるとともに教師や親、大人たちが、いかに子供の言葉を奪い、自らも言葉を手放してしまったかを示している。
大切な誰かにきちんと向き合いたいすべての人に薦めたい一冊。
http://www.sahoterao.com/

ナナロク社さんのnoteでは、『おやときどきこども』の試し読みも始まっています。
公開されている「もくじ」の次のエピソードは、まさに塾の三者面談という現場から生まれた話です。
このエピソード、高校生たちからは好評でしたので、ぜひ大人の皆さんの感想も聞きたいです。

発売まであと1か月ちょっと。よろしくお願いいたします。


・・・・・

現在、前作『親子の手帖』がコロナ禍の流通の滞りによりオンラインで手に入りにくくなっています。

私が本日時点で確認した在庫があるお店/数日中の入荷を含む(5/17)

MINOU BOOKS & CAFE (オンライン在庫在り)/福岡・うきは
minoubooksandcafe.stores.jp


nodo cafe/福岡・糸島

ON READING(オンライン在庫在り)/名古屋
artlabo.ocnk.net

橙書店/熊本


本と音楽 紙片/広島・尾道
shihen.theshop.jp

メリーゴーランド京都
mgr-kyoto2007.com

やず本や/福岡・大楠
yazuhonya.com

楽天市場(注目ランキング2位!)

他に、私のzineを扱ってくださっている本屋Titileさんや
title-books.com

blackbird booksさんも
blackbirdbooks.jp

在庫在りの可能性があると思います。

さらに、くらすこと さんで在庫が戻っているのを確認しました。
こちらのオンラインショップは、ほしいものしかないので注意してくださいね。

そして、福岡おもちゃ箱 さんは2年間ずっと途切れることなく、毎週水曜日のマルシェにて本の紹介と販売を行ってくださっています。感謝しかありません。


3000~8000円で取引されているのが心苦しいのでお知らせでした。


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by terakoyanet | 2020-05-17 09:18 | おすすめの本・音楽 | Trackback | Comments(0)

2010s BEST TRACKS

2010s BEST TRACKS

2010年代によく聞いた(再生回数が多い順)ベストトラック(邦楽を除く)プレイリストです。
2万以上の曲から何度聞いても飽きない曲ばかり25曲。


1. PJ Harvey - Hanging In The Wire(2011)


2.PJ Harvey - On Battleship Hill(2011)


3. Natalie Merchant - Lulu(2014)
この曲についてはこのブログが詳しいです


4. Natalie Prass - Your Fool(2012)

5. Brad Mehldau - Come With Me(2010)

6. Lou Reed - Walk On the Wild Side(1972)

7. Paul Simon - Something So Right(1977)

8. Laura Marling - Where Can I Go?(2013)

9. Frank Ocean - Monks(2012)

10. Laura Marling - Don't Let Me Bring You Down(2015)

11. Natalie Merchant - Seven Deadly Sins(2014)

12. Beirut - At Once(2015)

13. Sufjan Stevens - Should Have Known Better(2015)

14. Kendrick Lamer - Hood Politics(2015)

15. Natalie Merchant - Beloved Wife(1995)

16. PJ Harvey - The Last Living Rose(2011)

17. Lana Del Rey - National Anthem(2012)

18. Frank Ocean - Nikes(2016)

19. Kendrick Lamar - Alright(2015)

20. Robyn - Get Myself Together(2011)

21. Lana Del Rey - Radio(2012)

22. Bon Iver- Calgary(2011)

23. Real Estate - Horizon (2014)

24. James Blake - f.o.r.e.v.e.r. (2016)


25. Kekko Fornarelli Trio - What Kept You so Late (2014)




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by terakoyanet | 2020-05-11 03:37 | おすすめの本・音楽 | Trackback | Comments(0)

『ブードゥーラウンジ』鹿子裕文(ナナロク社)

福岡の宅老所よりあいとその界隈を描いた『へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々』により、各方面でセンセーションを巻き起こした鹿子裕文さんの新刊は、福岡のライブハウス『ブードゥーラウンジ』が舞台。

「ブードゥーラウンジ」のイベント、ラウンジサウンズを取り仕切るのは、ミュージシャンのボギー。
福岡の音楽好きなら「ボギーさん」が福岡のライブハウス界の重鎮(こんな言い方本人は好きじゃないかもしれないが)だってことを誰もが知っているし、もしかしたら音楽好きな自分があいにくボギーさんの仲間でないことに、なんとなく寂しさを覚えたことのある人もいるかもしれない。
それくらいボギーさんは福岡の音楽シーンで特別な存在感を放っている人だし、だからこそ、ボギーさんたちを遠目で見ながら、私はそんなにノレないし、バカになれないし、結束の強さのようなものも苦手だよ、そんなふうに、いわゆる「ボギー界隈」を悪びれもなく敬遠してきた人たちもいると思う。(そういう人たちを私は何人も知っている。)
こういう話は、地元の人しか書けないだろうから、私は書かなくてもいいことをあえて書いてみた。なぜなら、そういうのがなんとなくわかる…という人たちにこそ、この本を読んでみてもらいたいと切に思ったからだ。

この本『ブードゥーラウンジ』の構成は圧倒的だ。
そもそも、この鹿子裕文という人は物語ることの天才で、『へろへろ』だって、内容を要約してしまえば13ページくらいで終わりそうな中身を、脇道、横道に逸れまくりの圧倒的な筆致で288ページにわたって書き切った結果、「福祉の本」という枠を地球7周分くらい超えたスペクタルな物語に仕立て上げてしまったのである。
今回の『ブードゥーラウンジ』も、別に読んでタメになるアリガタい能書きは何もないどころか、出てくるのは「うんこ」とか「脱糞」とか「ケツは拭かずに舐めるもの」とか、もうね、お前まさかいまだに肛門期か?とフロイト先生に叱られそうな内容が羅列されているのに、パンツの横からヨコチンがはみ出るように、クソみたいな言葉の羅列の中からグルーヴが滾滾(こんこん)と湧き出てきて、しまいには涙か小便かよくわからないもので読む人の顔面がびしょ濡れになるのである。

『へろへろ』もそうだったように『ブードゥーラウンジ』には、ボギーやオクムラユウスケといった主役の他に、ザ・ボットンズ、カシミールナポレオン、鮫肌尻子、イフマサカ…といった愛すべき脇役たちが細かく描き込まれている。(脇役という割には存在感が強すぎるので、単に皆が主役なのかもしれないが。)
こうやって主役と脇役とがキラキラと、いやギラギラと輝き合って、ラウンジサウンズに集うさまは、天下一武道会(ドラゴンボール)さながらで、外国文学のポリフォニー的魅惑に嵌ったことがある人なら、それぞれの個性が立った登場人物たちに震えながら「ここに文学の愉楽あり」と心の中でガッツポーズをしてしまうかもしれない。

この本の構成で最も目を惹かれたのは、前出のブードゥーラウンジに出入りするミュージシャンたちの持ち歌の歌詞が、物語の隙間に差し挟まれるところ。隙間に挟まれると言っても物語の味付けとして歌詞が添えられているわけではなく、それどころかもはや歌詞がそのままこの物語のグルーヴを加速させるエンジンそのものになっていて、彼らの歌詞抜きではこの物語は全く成立しなかったといっても過言ではない。(そのくせその歌詞のほとんどは到底「崇高」と呼べるような類いのものではないのだ。)その意味でも、これほどに「音楽」そのものを文章に落とし込むことに成功した読み物は少ないのではないかと思う。

この物語はほとんど意図しないままに、「自分の生活が大事だから」と真顔で嘘をつくことに慣れてしまった大人たちへのカウンターになっているし、楽しいとかうれしいとか好きとか、そういう当たり前の感情や欲望なんかをつい抑えてしまう自分自身について考えるきっかけにもなる。
そして、『ブードゥーラウンジ』のから騒ぎは、決してペシミズムでもニヒリズムでもなくて、むしろ大人たちが無自覚に諦めてしまったものをいつまでも諦めきれない〈はみだし者〉たちが本気になって真剣に騒いでいる、そこに底知れぬ魅力があり、この本を読めば、いままでなんとなくボギーさんたちを敬遠していた人たちも、(たとえ『ブードゥーラウンジ』に足を運ぶことはできなくても、)心の一部だけでも彼らと繋がることができると思うし、それはとても幸福なことではないかと思うのだ。というわけで、今日、とらきつねに鹿子さん来ますよ!(校正者・牟田都子さんのトークゲスト)

『ブードゥーラウンジ』鹿子裕文著 のこと_d0116009_03111744.jpg


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by terakoyanet | 2020-03-20 03:12 | おすすめの本・音楽 | Trackback | Comments(0)