◇平成の10枚 唐人町寺子屋 その3

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今年寺子屋に入ってきたたくさんの子どもたちが生まれた2007年(平成19年)に本校で開催された「中学生夏休み写真コンクール」の準グランプリ作品。

遠足で訪れた能古島で中学2年生のMくんによって撮影された1枚。

たくさんのしゃぼん玉が浮かぶ向こうで、写真を撮った彼の友人のサッカー部の少年が、宙に浮かぶボールを蹴ろうとする瞬間を捉えた写真。

Mくんと私はずっと同じ場所にいたのに、彼は私たちが見ていた世界と全く別の世界を撮っていて
驚愕しました。

子どもにしか見えない世界があるというのは、ほんとうだと思うのです。





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by terakoyanet | 2019-04-30 02:12 | 雑感・授業風景など | Trackback | Comments(0)

◇平成の10枚 唐人町寺子屋 その2 

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2010年8月。サマー合宿でグラススキー場に行って大雨。
雨の中、雨なんて全く気にしないどころか、雨だからこそ雨もひっくるめていまを全力で楽しむ子どもたち。
ほんとうに輝いている。

雨の中はしゃぐ子どもたちを見ると、大人が置き去りにしてきた別の世界を思い出す。
ほんとうの生身の楽しさというのが、そこにはある。



写真の永田くんは、このあと修猷館に合格し、そしていまは京都大学に通っている。

東大や京大に行く子は、何の迷いもなくひたすら勉強に打ち込むことができるガリ勉ばかり、と揶揄されるように言われることがあるけれど、私の感覚では、むしろそんな子は珍しい。

彼らは迷うときも悩むときも粘り強いし、遊ぶときは真剣に遊ぶ。
つまり、人生を楽しむための基礎体力がある子が多い。



この仕事をしていて面白いのは、そういうキラキラとした原石たちが、紆余曲折しながらも自らの力を高めていく、その現場の目撃者になれることだ。



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by terakoyanet | 2019-04-29 01:21 | お知らせ | Trackback | Comments(0)

平成と令和という2つの時代をはさんで、唐人町寺子屋の過去18年間の歩みを振り返る、「平成の10枚」シリーズ、始まります。



◇平成の10枚 唐人町寺子屋 その1 


中学を卒業して、教室を離れた子供たちがひょいと教室に顔を出してくれるのは
とてつもなく嬉しい。
(ただし、時間があるときだったら。ないときはパニクる。)


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会っていないのがたった数か月でも、高校生のまるで存在がめくれてしまったかのような変貌ぶりにはいつも驚かされる。


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変わっていない良さを見つけると、いつまでもいつまでもそのままで、と祈るような気持ちにもなる。

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卒業生が音楽のスターになって教室に遊びに来てくれる場合もある。
お互いの成熟を確かめるように話ができる卒業生というのは頼もしい。

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by terakoyanet | 2019-04-28 13:58 | 雑感・授業風景など | Trackback | Comments(0)

4月13日(土)に行われたお話し会「平成の子どもたち」。
入場を制限させていただく満席での開催になりました。
ご参加いただいた皆さま、そして登壇してくれた高校生たち、改めてありがとうございました。
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当日は以下のような流れでお話しをさせていただきました。

●はじめに 親と子の関係 『親子の手帖』のこと

●言葉で伝わるという誤解

●こどものことが「わかる」ということ

●今昔のこども観

●理解のある親とこどもの精神

●社会の多様化と子どもの不安定化

●高校生たちに聞く、現代の学校 実学偏重の現代教育

~高校生たちに話を聞く 高3竹内さん

●AIの時代の新たな主体
~高校生たちに話を聞く 高3仁藤くん・高2永戸くん

●「ことば」を取り戻す

●「コミュニケーション」の弊害

●こどものことばに応答する

●意志と責任





当日、ご参加いただいた方々にご感想、ご意見をいただきました。
読み応えがあるものばかりで、確かに、なるほど、と何度も頷きました。
全てを紹介しきれませんが、一部だけ掲載させていただきます。
もう、いただいた感想だけでも、ZINE(小冊子)を作りたくなるような充実ぶりです。
ぜひ読んでいただければと思います。


***


わからないものをわからないままにして、一緒にいるというのは、とても難しいと感じています。
私が子どもと接するのが苦手なのはこのためですし、大人となら話せるというのもまた、一般常識やマナーを足場にしていればとりあえず大丈夫というだけのことなのだと思います。
子どもに限らず、他人をわかったつもりでいることがアブないですね。


リセットについては、世代で認識がくい違うように感じました。
(中略)彼らのゲーム性は、リセットして始めからやり直すという意味はうすいと思います。
リセットはたぶんしません。なかったことにはならないので。
ただ、あのときこのとき、こうしていたら、こうしたらという"if"の自分・世界が無数にあって、それに異和感がないということかなと思いました。あくまで私の感覚です。
だからこそこれから先の自分にも無数のルートがありえるし、選ぶことができるように思いますし、選ばなかったが確かにありえたはずの自分を思って悲しむこともあるように思います。

→「if"の自分・世界が無数にあって、それに異和感がない」の部分、なるほどー!と思いました。


定期的にお聴きしたいと思うお話でした。
大人も今の子供達と同じ価値観になるというのはかなり難しいし、特にお話し会に興味を示すことがないような「大人」にとって、ほぼ不可能な気もするため、とても為になった今日のお話を、動画で配信していただけたら、そのような「大人」とも少し共有し、話し合いの場をもてるかもしれないと思いました。(中略)
是非またこのような会を設けて頂けるとありがたいです。
今日はとても面白い考え、反省させられる会をありがとうございました。


今日の講演を拝聴することができて良かったです。
子供の考え、親の考え、最近は子供の成績が下がり、責任の押しつけをしました。
今日伺って、私は間違えているなと思いました。
先ず、子供の話にしっかり耳を傾けていきたいです。


今日は初めて”お話し会”に参加させて戴きました。(先生の本は読ませていただきました。)
とても和やかな雰囲気で楽しい時間でした。
私は"The 昭和"の年齢の為、余計に現代のネット社会は(便利さは活用させて貰っていながら)怖さの方が強くて余り良く思っていませんが、子供はこれからその社会で生きていくので、少し自分の認識や価値観も変化させて戴かないとと思い直しました。


一番、痛かったのは”そう育った”を受け入れること、子どもの欠点を認めることができないのは、親が自分のことを受け入れていないからだというお話でした。今一度、自分を振り返る時間を持とうと思います。何とか上手く子供との関係を築ける様に、自分との関係を考えます。


初めてお話し会に参加させていただきました。
今まで子どもの事をわからない事がはずかしかったり、駄目だなと思って焦ったりもしていました。又、正論をぶつけて、反論させない様にする事もありました。
お話しを聞いて、私は、私なりで良いのかも知れないと思ったし、正論をぶつける事の弊害(主体性が育たなくする)がある事を気付かされました。
貴重なお話しをありがとうございました。


理解のある親の子はもろい子になりやすいというお話は衝撃的でした。
我々の古い世代と、今の高校生達は違うOSで動いているというお話が面白かったです。
リベラルアーツが大事ということが再確認できました。高校生の生の声が聞けて良かったです。

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高校生のエネルギーに圧倒されました。彼らの現状と、私たちが気づいていない古くて新しい生き方を体得していることについて私は全くの無知でした。
私のような頭のカタイおやじに向けて、もっと数多くこういう話をしてもらえる機会が増えていったらいいのになあと思いました。
ただ、最終盤、エネルギーと情報量の多さに脳がつかれてしまいました。何回か聞いて、予備知識も入れてくる必要があるなと感じました。
大変貴重なお話の機会をいただき、ありがとうございました。


私には4歳になったばかりの娘がいます。
毎日毎日言い合いになり、自分の大人気無さに嫌悪する日々を過ごしています。
とりあえず今日家に帰ってからは、私はこの子のことは理解できないのだから、話を良く聞いて、一緒に喜んだり、悲しんだりすることに集中しようと思います。
楽しい時間でした。ありがとうございました。


とても面白い内容でした。
子供がこの春、小学校に入学し、社会への一歩を踏み出した喜びを感じているのがよく分かる一方で、自分の手を離れていくつつあり、その心の中はよく分からないなあと思っているところでありました。
自分がおしつけられた教育を受け、そのことにも気づかずに大人になってしまったので、子供にはおもしろい人生を送ってほしいなあと思っています。


深く余韻の残るお話がたくさんありました。
子どもに関わる仕事をしていると、親へのアプローチのむずかしさは私も感じます。
子どもは素直でまっすぐでやわらかく変化していく。
まず変わらなきゃいけないのは大人で、その姿ふるまいを子どもに見せていく、身体化していくべきだというのは、なるほどその通り!と思いました。
全体的に”よくわからない”それでいいんだなーと思いました。もっと本を読もう。

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ゲーム的な考え方のお話しの中で、”リセット”についての議論を聞いた際に、自分の小学校の頃の学校教師の話を思い出しました。
恐らく20年近く前になると思うのですが、ある同級生の無鉄砲な行動に対しての説教で、「今の子どもは、マリオのゲームみたいになんでもリセットできると思っている。死んだら元には戻らんのやぞ!」と激しく怒っていたこと、それを聞きながら、僕ら生徒は、内心ポカンとしていたこと(なにやら世代間ギャップがあるかもしれないということで)・・・などいろいろと当時の情景がでてきました。

リセットということ自体が、世代間で認識がかなりくい違っているような印象です。リセットということばには、”やり直し”や“元通りになる“といった意味合い以外に、”死”の概念にかなり近いニュアンスでとらえる人も多いのかもしれません。そうなると、鳥羽先生がおっしゃっていたように、リセットに対して抵抗がある人が多いのも、(特に上の世代で)当然かもしれないなあ、と漠然と思っていました。


先月のうきはでのお話を聞いて、もう一度聞きたいと思い参加しました。
私は現在○○歳ですが、地元の公立小中学校に通い、さらに地元で「一番良い」と言われる公立高、国立大を出て、公務員になりました。
周囲からはずっと、親孝行だと言われ、自分でも特に迷うことも違和感を覚えることもなく過ごしてきました。

どちらかというと楽観的な性格ですが、ものすごく楽しい、ものすごく何かをやってみたいと思うような場面もなく、ただ単に冷めた性格なんだろうと自己分析していたのですが、鳥羽さんの話に出てくるいろんな親子が、私の母と私自身に当てはまるものばかりで、やっと私の親子関係の歪さに気がつくことができました。

でも、やっぱり30年近くの関係を変えるのは難しいし、見放すこともできないことも分かりました。鳥羽さんが紹介してくださった本が、自分の気持ちを自分で認識して、「本意ではないけど、今はこう生きるしかない」と"選択して"受け入れる助けになっているような気がします。
感謝の気持ちを伝えたくて長くなりましたが、書かせていただきました。ありがとうございます!

→もっとも心に残ったご感想のひとつです。気持ちを伝えてくださったこと、ほんとうにありがたく思います。


『親子の手帖』を読み、今日の話を聞きたいと思い参加しました。
小6男子の親ですが、自分で考える力をつけてほしいと思って育てる中で、本人が話すときはよく聞き、質問されたら、私のわかる限りで答える、をしてきたのですが、それが、子供の考える芽を摘むーと聞いてショックを受けております・・・ なので、これから、私もわからないことがたくさんあるから、一緒に学ぼう、考えようという心持ちで過ごしたいです。どちらかというと、素直すぎるところがあるのは、反論させなくしてきたのかも、と、これも考えさせられました。


今の若い子の考え方、時代の変化も、私が知るようにしないと、子供の話を聞くことも、自分よがりになってしまうな、と思いました。
いつの間にか、私が”昔は良かった”とつぶやくおばさん世代になっていてびっくりしました。自分のこれまでのストーリー、今の時代、子供のことを分からない自分と自覚すること・・・。日頃考えないことを考えた時間でした。
リベラルアーツの話を聞いて、今まで読んだことのない本を読みたくなりました。ありがとうございました。


今回のトークショーを拝聴して、とても心に残ったのは、”守られる子供”という概念が近代につくられた子ども像だということ。
今、ちょうど岸政彦さんの本を読んでいたこともあり、”特権”を持つ者への差別というキーワードと自分の脳内で連鎖させてしまった。
ただまさに生きづらい平成の時代を生きる高校生たちの前向き(彼らからすれば一般的な?)な言葉にとても勇気づけられた。
むしろ彼らを勇気づけたいと思っていた自分の無意識な差別意識に気づく始末で、とても恥ずかしいと思う。


大学職員として勤務していた際、信じられるほどの予算をつぎこんでアクティブラーニングをする場所(空間)を作った。まさに地獄。
学生たちは議論などせず、YouTubeを観ていた。正しい使い方かもしれない。YouTubeではなく読書空間にして、知の土台を作ってくれたらと思う。
ただ、自身の知の土台が未熟であるために、なかなか理解に時間がかかり、また、分からないことも多くあった。
お客さまが「動画配信」してほしいとおっしゃっていて、私も同意見です。
そのお客さまは、分からなかったのではなく、とても心に響いたので、もう一度ゆっくりじっくり聴きたいということだと思います。大切な話を自分の中にアーカイブしていく作業はとても難しいです・・・。ありがとうございました。


鳥羽先生が「平成の子供たち」で仰っていたので、息子に「勉強しないの?」と言わずに「勉強しない現象について、どう感じていらっしゃいますか?」と聞いたら、「へ?」と答えました。昔から訳の分からない子ですが、どうぞこれからも宜しくお願い致します。


***


この感想を共有すること自体、このイベントの醍醐味だったのではないかと思えるほどのたくさんの実のある言葉、ありがとうございました。
この日お話しした内容の一部は、秋口くらいまでには発刊できたらいいなと思っている私の新刊に掲載される予定です。
『親子の手帖』とあわせて、新しい本のほうもよろしくお願いいたします。



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by terakoyanet | 2019-04-24 20:26 | 寺子屋エッセイ(読み物) | Trackback | Comments(0)

カトリックの人たちにとって、復活祭(イースター)はクリスマスと同等に、もしくはそれ以上に大切な祝日です。その日を狙った同時多発テロが、この10年間治安が安定していたスリランカで起こりました。

私は昨年の9月、今回 テロの標的になった、コロンボの聖堂 St. Anthony Shrine を訪問し、今年の1月に「コロンボにて」という記事を書きました。この記事では、この聖堂での出来事、頂いたカレーの味わい、そしてスリランカという多民族国家の「苛烈な現実」について書きました。まさに今回の事件は、スリランカの「苛烈な現実」を改めて思い知らされる出来事となってしまいました。心が強く揺さぶられて、何も手に付かないほどです。

私は、標的になった聖堂を最近訪問した数少ない日本人として、そして自身もカトリックの家に生まれ教会に育てられた人間として、何かを書いておかねばならないという義侠心のようなものに駆られ、いまパソコンの前に座っています。



今回テロのターゲットとなったコロンボの St. Anthony Shrine は、スリランカのカトリック教会を代表する建物です。そして同じくターゲットとなったコロンボの近郊の町ネゴンボは、最も古くからカトリック教徒が多く住みついた、信者たちにとって特別な意味を持つ町です。今回のテロは、スリランカのカトリック教徒にとって最も大切な日に、最も大切な場所で起こったのです。ですから、スリランカのカトリック教徒たちはいま、想像もつかないほどの動揺と恐怖にふるえているでしょう。そして信仰と生命を同時に攻撃されたことに対する強い悲しみと憤りを感じているに違いありません。


「食べていきなさい。」
St. Anthony Shrine の2階の階段の前で、何の迷いもなく私にカレーを食べて帰るよう呼びかけたあの女性のことを思い出します。(『コロンボにて』を参照のこと。)
「カトリックの方たちがカレーを食べに来るのですか?」私は彼女に尋ねました。
「いいえ、違うわ。カトリックでも仏教徒でもヒンドゥーでも、ここでは誰もが無料でカレーを食べていいの。神は信仰によって差別すると思う? 神は信仰が違うからと言ってカレーを食べるなとは決して言いません。だから、信仰がわからないあなたに、私はカレーを食べていくように言ったでしょう。ここはそういう場所なの。」
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スリランカのカトリック信者は国の人口比の6%にすぎない勢力ですが、カトリック信者の中には、シンハラ人もタミル人も区別なくおり、どちらも含むことなどから、カトリック教会は民族間融和の役割を担うものと期待されてきました。そして実際に、教会や修道会は実際に慈善活動等を通してその役割を果たしてきました。この意味で、カトリックが狙われた今回のテロは、一体何をターゲットとしたのか、という点において、決して単純ではありません。シンハラ(仏教徒)vsタミル(ヒンドゥ)とか、キリスト教vsイスラム教といった、既存の図式だけでは捉えることはできません。今回のテロの標的が「民族間融和」の象徴であるカトリック教会であったのはなぜなのでしょうか。

スリランカ政府は、事件のあと、同国からFacebookやInstagramなど一部SNSへのアクセスを遮断しました。現在、スリランカ多数派(国民の7割)であるシンハラ人たちの一部による、他の少数派に対するヘイトが問題になっています。特に同国では少数派にあたるムスリム(人口比の1割)たちがその標的になっています。そして、そのヘイトの現場は多くがネット上、つまりはSNS上です。

自身が見下している集団が権益を得ることを快く思わない人がいるのは万国共通なのでしょうか。
ムスリムたちが、産油国の潤沢な資金の恩恵を受けて、成り上がっている。
見下しているやつらが、既得権益を得ている。
ふざけるな。調子に乗るな。少数派は少数派らしく、弱者は弱者らしくしていろ。
このような図式は、残念ながら、今も昔も日本でも散見される現象です。

リンク先の記事にもあるとおり、シンハラのナショナリストたちは、ムスリムの居住地区とモスクが襲撃する事件も起こしています。ムスリムたちがそういうヘイト的な空気に日常的に晒されていることと、今回の事件は決して無関係ではないでしょう。しかし、今回のような事件が起きると、ムスリム排斥の動きが勢いを増すことは疑いようがありません。ムスリムの人たちが、ますます肩身が狭い思いをすることになるかもしれません。

しかし今回の標的はカトリックであり、ホテルにいる外国人でした。これまでのイスラム過激派の動きからすれば、既定路線かもしれませんが、しかし、スリランカのカトリックは「民族間融和」の象徴であり、その点はヨーロッパのテロとは事情が違うのです。

2015年1月に教皇フランシスコが同国を訪れ、コロンボの St. Anthony Shrine 近くの海岸では、100万人に上る市民が熱狂的に教皇を迎えました。(ちなみに同国のカトリック信徒は120万人。)教皇が同国を訪れたのは、スリランカ初の聖人である聖ジョセフ・ワーズ(St. Joseph Vaz)の列聖式のためでした。ジョセフ・ワーズには、困窮した人であればその信仰にかかわらず救済の手を差し伸べた逸話があり、教皇フランシスコは、100万人の人々の前で「和平のため宗教的な分断を超えることの重要さ」について語ったとされます。

スリランカのカトリックが「民族間融和」の象徴であるのは、単に教義的な部分に留まりません。
スリランカのカトリックの人たちは、聖典と祈りを英語に依拠しています。
シンハラ語は仏教徒たちの言語であり、タミル語はヒンドゥー教徒たちの言語です。
結果として、カトリックの人たちの宗教言語は英語になります。(そのため、カトリック信者たちによって、子どもが通う学校の試験を英語で受けられるように政府に訴える運動も起こっています。)英語は、他の多民族国家と同様に、スリランカにおいても、別の言語を持つ人と人の間の共通語として機能しており、その英語を母語として操るのがカトリックの人たちなのです。ですからスリランカのカトリックは、教義にとどまらず、言語・文化的にも民族間融和を象徴していると言える存在です。

カトリックの教義からすれば、ムスリムの人たちはもちろん、イスラム過激派の人たちでさえ、慈しむべき存在でしょう。しかし、現在、グローバル化という名の下に、あらゆる差異を、慈しみをもって包括し、その結果、それら個別性を無化してしまうような運動(=新しい全体主義)が進んでいるとすれば、そして、それにカトリックが加担しているとすれば、そしてその象徴が「英語」であり「資本主義」であり「文化産業」であるとすれば、カトリックが「民族間融和」を善として打ち出している限り、「融和」は一種の同化政策と受け取られかねず、抵抗は解消しないでしょう。

安易に民族間融和なんてことはできないからこそ、私たちは考え続けなければなりません。
融和という解決策にすがるのではなく、むしろ解決しなくても生き延びることができる知恵を考える方が大切なのではないでしょうか。その意味で、私たちに不足しているのは具体的な解決策よりも、祈りそのものなのではないでしょうか。

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St. Anthony Shrine でカレーを食べたあの日のことを何度も思い出します。
あの日も日曜日で、私はひと際熱心に祈る彼らの一員となって、お祈りをしました。
この国にはまだ祈りが息づいている。そのことに感激しながら、お祈りをしました。

私がお祈りをしていると、2列前にお母さんと座っている5歳くらいの小さな女の子が、ふと後ろを振り向きました。
私が彼女に気づいたような反応をしたのものだから、彼女はにこっと笑って、そして前を向いては何度も後を振り向いてにこっと笑顔を見せました。そのたびに私は何とも言えないマヌケな表情で、金魚のように口をパクパクさせたり、少し目を大きく開いたりして、彼女の笑顔に応えました。そうしているうちに、彼女はお母さんからパコっと頭を叩かれ、それからは後ろを振り向かなくなりました。これは彼女とのわずか3分ほどの思い出です。

国を代表する聖堂とはいえ、ヨーロッパのバジリカやカテドラルとは全く規模が違います。
さほど大きい場所ではありません。
近くには別の教会もありますから、毎週この聖堂に集まるコミュニティは、全員が顔見知りという程度の人数しかいないはずです。

その小さなコミュニティの中で、無残にも一瞬にして50名以上の人たちが殺されたのです。
彼女はちゃんと生き延びたかな。生きていてほしいと思います。

今回の殺戮はそのまま、このコミュニティの破壊を意味します。
人の命が失われたと同時に、それまで引き継がれてきた大切な祈りと知恵が失われました。
これは、仮に時間が経って元通りになったように見えるときが来ても、決して回復しません。
失われたものは、ずっと失われたままです。
それは、損なわれてしまったあとには、そこに何があったのかもわからないようなものです。
人の命が失われるというのは、そういうことです。

明日へのささやかな意思を突然断ち切られた人がいる。
もうあなたに会えない。受け入れ難い現実に、もだえ苦しみながら夜を過ごしている人がいる。
そのことに、強い悲しみを覚えています。
今回の事件、とうてい他人ごととは思えません。
スリランカの聖堂に花束を。



言(ことば)に絶えたる日は始まる。
見せつけらるるおのが弱さよ、
見失いたる神のさびしさ
。 藤井武「羔の婚姻」



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by terakoyanet | 2019-04-22 03:49 | 寺子屋エッセイ(読み物) | Trackback | Comments(0)

皆さまへ 英検・休講等の大切なお知らせです。

◇英検開催について

今年度の第1回英検は例年通り、日曜開催予定でしたが、予定日の6月2日(日)は福岡市内の多くの中学校の体育大会と日程が重なり、受験希望者の半数以上が参加できないことから、今回は前日の6月1日(土)に開催が決定いたしました。


【英検タイムテーブル(6/1)】

・2級 17時30分集合/18時試験開始/19時55分終了
・準2級 19時集合/19時30分試験開始/21時15分終了
・3級 17時30分集合/18時00分試験開始/19時20分終了
・4級 19時30分集合/20時試験開始/21時10分終了
・5級 17時30分集合/18時試験開始/18時50分終了

*お申込みは5月7日(火)までですが、4月30日~5月6日までGW休業で受付ができないため、GWのお休み前にお申込みを完了することをお勧めいたします。
*大学入試制度改革により、英検を含めた民間試験が多くの大学の入試に活用されることが確定しています。早い時期からの英検受験をお勧めいたします。


◇休講について(中学コース)
4~6月における、現時点で確定している休講は、以下の通りとなります。
詳しくは配布書類をご確認ください。

・4月30日(火)~5月6日(月)すべての授業休講
・5月11日(土)国語塾・特進クラス(中2・3)休講(*三者面談とイベントのため)
・5月12日(日)国語塾休講(*三者面談のため)
・6月1日(土)国語塾・特進クラス(中2・3)・ライトコース休講(*中学校体育大会前日のため)
・6月2日(日)中1共通クラス・国語塾休講(*中学校体育大会当日のため)


◇講義案内の不備について(高校コース)

高校コース講義案内の料金説明の中で、毎月お支払いいただく、教室管理費(月1400円)のご案内が欠けておりました。お詫び申し上げます。この点につきまして、ご了承いただきますようお願い申し上げます。


本日のお知らせは以上です。


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by terakoyanet | 2019-04-21 16:43 | お知らせ | Trackback | Comments(0)

連日、入塾に関するお問い合わせが続いています。ありがとうございます。
この時期(4月中~下旬)は、入学・進級して少し落ち着く時季なのか、例年お問い合わせが増えます。

現在の定員状況についてまとめましたのでお知らせいたします。


□定員状況 (2019/04/20)

小学英語 応相談
…アドバンストクラス(経験者クラス)のみ定員に余裕がありますが、詳しくはお問い合わせください。(小4~小6)

新小6 男子 のみ募集
…男女比が1:4のため、男子のみ募集を継続しています。男の子たち、大丈夫かなと少し心配していたのですが、すごく楽しそうで見ていてうれしくなります。子どもは明るくたくましい。そういえば、新中3生のときは、はじめ男女比が3:1(男子が女子の3倍多い)でした。ちなみにそのあと女の子ばっかり入ってきて、いまや全く同数の1:1(18人:18人)に。

新中1 満員御礼
…現在、入塾できません。新中2、新中3あたりから入りたい方は、いまのうちにキャンセル待ちをしていただいとけばいいのかな・・・?と思います。

新中2 残席 2名
…満席に近い状態ですが、あと2名ほど受付可能です。当仁中の子が6割、他の4割は市内のいろんな学校から通ってきています。

新中3 満員御礼
…現在、入塾できません。この学年もいろいろな学校から通ってきていますが、とても雰囲気がいいです。みんなやさしい。

高校生 ・高卒生 随時募集
…ご相談ください。現代国語・英語・ディスカッションなど、すでに定員に近い共通クラスもあります。個別指導の新規受付は難しいです。

航空高校唐人町(単位制高校 ) 随時募集
…高校の中途退学者などを受け入れています。ぜひご相談ください。下を向く必要はありません。

個別指導 コース 満員御礼
…新規の受付が難しい状況です。特別な事情を抱えている方はご相談ください。

ライトコース 残席 2名
…月額4000円のみで通える本校の裏メニュー的コース。残席2です。


その他、中学コースには、国語塾、特進クラス、特進Sクラス(2019年公立入試にて全員が修猷館合格など、さまざまなオプションクラスがございますので、ご相談ください。

また、高校コースや航空高校唐人町は内容を聞かないと入塾するかの判断が難しいことと思いますので、遠慮なくお問い合わせください。

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by terakoyanet | 2019-04-20 10:01 | 生徒募集(定員空き状況) | Trackback | Comments(0)

沖縄・宗像堂さんとのお付き合いも2年を超えました。

本日は、宗像堂さんのパンの日。
とらきつねは13時にOPEN!(~19時まで)

石窯の薫りが香ばしい酵母パン、そして焼き菓子たちが並びます。

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今回のラインナップ
*読谷麦の酵母スコーン(新作)
*シトラスカトルカール
*黒糖カトルカール
*黒糖メロンパン
*黒糖チーズパン
*バナナ こくるれ
*サブリナ
*黒糖あんぱん
*黒糖山食パン
*読谷カントリーブレッド
*ローズマリーと黒潮源流塩のフォカッチャ
(カトルカールには皆川明 [ミナペルホネン] さんロゴデザインの箱つきもあります。知人や自分へのギフトにどうぞ。)

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お目当てのものがある方はお早めにご来店ください。
食事パンをお求めになりたい方は、読谷カントリーブレッドや、ローズマリーと黒潮源流塩のフォカッチャがオススメ。とらきつねで大人気の黒糖パンも種類豊富にご用意。そして、宗像堂さんの代名詞とも言えるバナナこくるれやサブリナも届きます。今月はどれにしましょうか。


・・・

宗像堂のみかさんからは、毎月、パンを買って下さる福岡の方々にお便りが届きます。

これって温かくて素敵なことだと思っています。

今月はこちら。


沖縄はうりずん(初夏)の季節。4月20日土曜の13時より福岡唐人町の『とらきつね』にて、宗像堂のパンと焼き菓子を販売致します。パンやお菓子をどうぞお手に取って持ってみてください。小さなおやつパンでも、食パンでも、思った以上に手のひらにずっしりと重みを感じる事と思います。
では、今回のラインナップです。

読谷麦の酵母スコーン
海の見える畑で育てた小麦を全粒粉にして、酵母で膨らませてスコーンに。表面はザクっと、中はバターの香り、しっとりとした食感です。(卵バター牛乳使用)

シトラスカトルカール
九州産小麦、高千穂バター、諸見里さんの卵、きび糖だけで仕上げたパウンドに、やんばるアオギリレモンで作った自家製チェッロをしっとりしみ込ませました。爽やかな柑橘の香り。

黒糖カトルカール
上記の上質なパウンドに、黒糖、メイプルシロップ、ほのかに香るエスプレッソで作った濃厚な蜜にとっぷりと浸しました。
今回は両方ともお箱入りです。消費期限が長いので、幸せ気分も長持ち!

黒糖メロンパン
初代メロンパン開発担当のマッキーも宗像堂らしいメロンパンを!と、試行錯誤しましたが、商品化には至らず。。マッキーの接客に感動したことがきっかけで宗像堂に入ったボブが引き継いで、完成させました! (表面部分にバター、卵使用)

黒糖チーズパン

甘いとしょっぱいの二つの魅力が合体!!
小さなお子さんも、もちろん大人も大好きなパンです。

バナナ こくるれ
黒糖生地に、くるみとレーズンとフレッシュなバナナがコロコロと入っています。押しも押されぬ一番人気のパンです。

サブリナ
全粒粉とレーズン入りの生地の表面に、ローズマリーとザラメの意外な組み合わせか楽しい。口に入れた時のジュワッとした美味しさが魅力。

黒糖あんぱん
黒糖生地に粒あんを包みました。小さな巨人です!

黒糖山食パン
この山は制覇したい!ほんのりとした飽きのこない甘さと、酵母の味わい深さまで感じます。

読谷カントリーブレッド
全粒粉入りのシンプルなパン。食事パンにしたい。

ローズマリーと黒潮源流塩のフォカッチャ
こちらもシンプルな食事パン。
熱々に焼いて、オリーブオイルの追いがけもおススメ!

以上、福岡の皆様、今月も沖縄のパンと焼き菓子をお楽しみくださいませ。



本日はとらきつね奥で古本を販売している「うらきつね」もオープンしています。(13-17時)
オープンのたびに次々と本が飛び立っていますが、2000冊の本がありますから、丁寧に探すとびっくりするような本との邂逅があります。お母さま、お父さまにお勧めの、教育・育児に関する本などもございます。お時間が許すようでしたらごゆっくりお過ごしください。



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by terakoyanet | 2019-04-20 07:54 | とらきつね | Trackback | Comments(0)

新年度の第1週目の授業が終わりました。
今年度は、三牧先生の英語学校をはじめ、いくつも変更点があるため、私たちにとって怒涛の週だったのですが、
皆さまにご迷惑をおかけしながらも何とか切り抜けることができ、少しほっとしています。

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上の写真は最初の新中1授業のようす。
楽しく順調に授業が進んでいます。
ちなみに新中1と新中3は満員のため募集を停止しています。
新中2も満員と言ってもいい人数ですが、あと数人は受け入れ可能です。

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そして上の写真は第1回の国語塾のようす。
本校の大きな特徴とも言える国語塾の授業には、今年も50名以上の中学生が参加しています。


新中3は受験生になり、雰囲気に変化を感じます。
昨年は特進Sクラス生が全員修猷館高校に合格、私立高校の合格実績も過去最高レベルと、中学コースで高い成果を残すことができました。今年も生徒たちといっしょに合格を目指して頑張っていきます。

今年の新中3の素晴らしいところは、自分の努力を恥ずかしがったりする子が少ないこと。
一生懸命勉強してみたら意外と楽しいということをすでに知っている子が多いこと。
今年の特進Sクラス選抜もまもなく行われます。授業開始はGW明けから。楽しみです。


そして、三牧先生の英語も予想はしていましたがとても好評です。
これからも熱く楽しく授業が進みますように。

*新小学6年生[国語・算数・社会・理科・英語/選択可]は男子のみ募集を継続しています。HPの料金は昨年までの金額ですので、詳しい内容はお問い合わせください。


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遅ればせながら、4月13日に行われたトークにお越しいただいた皆さまありがとうございました。
会場に入りきれないほどのたくさんの方に来ていただきました。

『親子の手帖』を携えてのご参加の方も多く、有り難く思いました。
この日の感想については、近日中にご紹介させて頂きます。



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by terakoyanet | 2019-04-18 14:07 | 生徒募集(定員空き状況) | Trackback | Comments(0)

GWのお休みについて

すでに1月にお知らせしていますが、
GWのお休みは以下の通りになります。

◇GW
4月30日(火)~5月6日(月)は全館休館(全ての授業がお休み・とらきつねも休業)


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by terakoyanet | 2019-04-11 16:57 | お知らせ | Trackback | Comments(0)