少年の夢
2007年 07月 11日
K君「先生、今日、(学校の)三者面談で、僕の夢は現実離れしてるって言われました。」
私「K君の夢って何?」
K君「タイムマシーンと不死の薬をつくることです」
私「・・・すごいね~。つくれるかな。」
Y君「いや、タイムマシーンなら案外いけそうやね。バックトゥーザフューチャーとかあるし。」
私「それならドラえもんとかもあるやん。」
Y君「いやドラえもんは・・・。バックトゥーザフューチャーのほうがリアリティーありますよ。」
2人は、実際に科学的な想像力のもと、タイムマシーンと不死の薬がつくれると考えているようだ。
K君「実際、永久に再生できる細胞があるみたいですよ。それを応用させれば不死の薬は可能ですよ。」
私「え~~そうなん? すごいね~。 でもさ、不死の薬って言うけど、永久に死なんとか逆に怖くない?」
Y君「う~ん、確かに。」
K君「いや、死にたくなったら死ねるんです。さすがに刺されたりしたら死にます。病気とかでは死にません。・・・でも細胞が再生して・・・」
Y君「そうやね、細胞が再生して・・・体が2つに切られたら2体にわかれるかもしれん。」
私「・・・分裂・・・?」
Y君「そうです。いけるかも。」
・・・と、SFのような話ですが、2人の目はキラキラしていて、本気です。
中学生って、いい! すごくいい!
そう、この感じ・・・ 自分自身から無限の可能性とそれに対する希望がふつふつと湧き出て、自分がいまから何だってできそうな感じ! この感じ、私にも覚えがある。
自分が本気で何かやれば、宇宙にだって行けそうだし、未来にだって行けそうだし、会社の社長にだってなれそうだし、100M走れば9秒台でいけそうだし・・・ そう、オレには無限のめいいっぱいの可能性があるんだ!! この感じ。
K君「・・・金がほしいです。」
Y君「ほしい~。」
私「そんなほしいと?」
K君「ほしいですよ。」
Y君「世の中、結局、カネですよね。」
この子たち、夢いっぱい、現実いっぱいだ。
K君「いや、研究にはお金がかかるんですよ。2千万ほしいです。それだけあれば、なんとか・・・」
Y君「株とかいいですね。友達やってますもん。」
私「でも株とか失敗したら大変だよ。」
K君「いや、失敗は・・・しません。失敗とかは僕は絶対にしません。」
私「いや、一回、ギャフンととことん失敗せんとわからんこともあるかもね。」
と言いつつも、この子たちの顔を見ていると失敗したほうがいいなんて思えない。むしろ、失敗なんかせずに、そのキラキラをいつまでも、持ち続けてほしいと願ってしまう。
私「でもね、この年になったらね、つくづく人生カネなんかじゃないと思うよ。ほんとに。人生カネなんて、人生を貧しくするだけだよ。」
Y君「そうですかね。」
人生が、欲望劇場だとしたら、確かに、己の欲望を達するためにはカネがあればそれが一番手っ取り早い方法だ。欲望を達するのが人生でもっとも楽しいことだとすれば、カネがあったらそりゃ楽しい。
一方で、人生カネじゃない、というのは、ある程度、金に余裕があって初めて言えること、という側面がある。カネに窮しているときに、「人生カネじゃない」と安直に言うのは、不謹慎になることさえある。
でも、そういう側面を考慮しても、やはりなお、人生カネじゃない、と改めて言いたい。
人生をカネなしには暮らしていくことができなくしたのは、ほかならぬ人間だ。
人間が持つ、ある共通の病が、私たちにカネがないと生きられない人生を科すのだ。
カネはもともと生きるための手段・・・のはずだった。でも、カネという幻想はすさまじく、いつのまにか人間の生きるための目的・・・に成り果てた。
人間というのは生きる根拠について、いつも心細い思いをもっている。この心細さを慰め、自分の人生に新しい価値を与えてくれるのが金だ。
これはモノだって同じだ。モノだって、人間の生きるための手段として発明されたはずなのだが、いまや生きるための目的として、神々しく君臨している。
カネにとらわれるのは悪いことじゃない。モノにとらわれるのも悪いことじゃない。
でも、ときにそれにとらわれすぎるのは、無限の喜びにあふれる人生を、限定された枠の中に押し込めてしまうことがあるのだ。そして、そのキラキラの笑顔を、ひとつの小さい枠に押し込めてしまうなんてとってももったいないことなのだ。
だから私は少しくらい、子どもたちに、カネやモノとは違うところにあるいろんな喜びを、その子たちが感じられるよう、ヒントが与えることができたらと思っている。
K君もY君も、志望校は、地区最上位の高校です。夏にその無限の可能性をめいいっぱい存分に発揮してほしいと切に願っています。
突然の嵐
2007年 07月 10日
うち(中央区桜坂)は突然の雨嵐に襲われました。
曇った状態から雨嵐に変わるまで5秒とかかりませんでした。
ごごっごう~と低い轟音が鳴ったので、もしや竜巻か?と身構えましたが、激しい嵐でした。
こんなのちょっとみたことないというくらいの嵐。台風のような突風と吹きつける霧雨。物干しが倒れました。
こんな突然の嵐、都市高をはじめとする交通機関は大丈夫だったのでしょうか。みなさんも大丈夫でしたか?
15分ほどで落ち着きましたが、いまも雨は降っています。
お天気不安定ですね。
私立高校進学情報
2007年 07月 10日
公立高校についてはこちらをご覧下さい。
今年の私立入試日程は
1月22日 福岡県全地区私立推薦入試、専願入試
2月1日 福岡地区私立一般入試前期
2月9日 福岡地区私立一般入試後期
となっています。その他の日程はこちらをご覧下さい。
[専願入試について]
専願入試には高校と受験生双方にメリットがあります。高校側のメリットは、確実に生徒を確保できるところにあります。受験生は、専願入試に合格したら、基本的に必ずその学校に入学しなければなりません。私立と公立を併願する受験生がどちらも合格した場合、そのほとんどが公立に入学することになりますが、専願合格者は公立もその他の私立も受けることなく、受かった私立にそのまま入学することになります。
受験生側のメリットとしては、一般入試より若干合格ラインが低い高校が多く、合格率も一般入試より若干高くなるので、自分が行きたい学校に通常より高い確実で行くことができるということがあります。
ただデメリットがあることも押さえておかなければなりません。まず、言うまでもなく、受かれば必ず行かなければならず、選択の余地がないというところが1つ、もう1つは、他の受験生より1ヶ月以上早く受験生生活が終わってしまうので、その間に、3月まで必死に勉強した公立受験生に学力面で遅れてしまうことがあるということです。
ちなみに専願入試はほとんどの学校が採用していますが、福大大濠高校のように、専願入試を行わない高校もありますので注意してください。
いずれにしろ専願入試は、私立高校が第1志望の子にとっては、最も活用すべきものであることは間違いありません。
[一般入試について]
前期入試と後期入試とがあります。前期・後期の併願が可能です。前期に受かっても後期を受けることは可能ですし、また、前期で合格できなかった高校に、もう一度チャレンジすることもできます。
よく後期試験は前期よりずっと難しいと言われていますが、私個人の感想としては、ちょっと言われすぎかな?という感じがしています。後期でも、きちんと合格ラインに達していれば当然合格できるわけですから。まあでも前期に確実に滑り止めになるところを受験しておいて、後期にチャレンジというのはやはり無難な方法だと思います。
公立第1志望の子は、無理に前期・後期2つ受ける必要はありません。後期入試を受けずに、前期が終わったとたん公立対策に入ったほうが、公立入試に有利なのは疑いのないことです。後期試験を受けたら、その対策のために、ラストスパート1ヶ月のうちの1週間をつぶしてしまうことになるわけですから。
私立を滑り止めに受ける多数派にとって、私立は絶対に落としてはいけません。そこでオススメしたいのがOD方式と呼ばれる受験方法。Oとはオフェンス、Dとはディフェンス。攻めつつ守る受験方法です。
特進科のある私立高校は、特進を受験したがその合格点に達しなかった生徒のうち、普通(進学)科の合格点に達していた子を別科合格にする制度があります。例えば、筑紫女学園の特進科を受験します。特進科の合格ラインに満たなかった。それで、はい終了~、というわけでなく、特進科の合格ラインに達せずとも進学科の合格ラインに達しておれば、進学科の合格通知が来るというわけです。ですから、このことを利用すると、実力試し(オフェンス)と滑り止め対策(ディフェンス)が同時にできるということになります。
この方法で受験する生徒が特に多いのが以下の高校です。
福大大濠(スーパー進学⇒進学)
筑紫女学園(特進⇒進学)
東福岡(特進英数,特進⇒進学)
中村学園女子(特別進学⇒一般進学)
福岡舞鶴(特別進学⇒進学)
例えば偏差値50ちょっとの生徒であれば、福岡舞鶴高校の進学科ならば十分に滑り止めになります。同時にそれくらいの成績があれば、特別進学科に受かるチャンスがあるので、特別進学にチャレンジしつつ進学科を滑り止めにすることができます。
当然ながら本人が「特進はきついから・・・」と希望しないのであればこの方式は使えません。でも、きついぶん大学進学には有利ですし、また、私立の特進科の先生たちはとっても熱心な場合が多いので、オススメしたい受験方法と言えます。
◇主要高校偏差値(当仁中・附属中用)
[※偏差値は絶対的なものではありません。参考程度にご覧ください。]
*☆は専願あり、★は専願なし。カッコ内の(~%)は高校発表に基づく高校全体の19年度入試の合格者率[合格者数÷志願者数×100]。 公表していない高校もあります。 (?)は不明。
☆九産大九州(?) 特進 58 普通 49
☆博多女子(98.9%) 特別進学 55 進学 48
☆東福岡(98.2%) 特進英数 60 特進 56 進学 50
☆沖学園(?) 普通 39 社会総合 39
☆精華女子(98.5%) 普通 43 保育福祉 43
☆筑紫台(不明) 特別進学 53 普通進学 42 情報処理 42 工業Ⅰ類 40
★福岡第一(74.8%) 国際英語 51 普通 38 *パラマ入試は学力検査はありません。
☆九州女子(92.3%) 特別進学 56 進学 45 普通 38
☆西南学院(54.3%) 普通 66
☆筑紫女学園(81.8%) 特進 67 進学 62
☆中村学園女子(96.5%) 特別進学 59 一般進学 51
★福大附属大濠(91.5%) スーパー進学 68 進学 60
☆福岡舞鶴(68.5%) 特別進学 56 進学 46
※県外私立高校・・・東明館 普通 65、 弘学館 普通 68、 ラ・サール 普通 73
私立高校の受験の特徴として、問題が公立より難しい!というのがあります。公立入試問題は、あくまでも教科書に沿った基礎的なものが多いのですが、私立では、基礎的な考え方を土台にした応用問題が多数出題されます。英語では、長文等を読み解くために必要な語彙数が私立のほうがずっと多いです。
でも、だからといって私立入試の突破が必ずしも難しいかといったら、NOです。公立高校に受かるほうがずっと難しいです。上の資料を見ていただいたらわかりますが、私立は、定員の数倍の人数を合格させるため、公立に比べとても高い確率で合格できます。ですから、上の偏差値はほんとうにあくまで参考です。公立とはそもそも同じ土俵で見ることができません。当校でも、別科合格を含めば、これまで私立入試(前期)の合格率は98%です。ですから、公立を志願する受験生にとっては、私立に対応できるような応用問題をいろいろと解くよりも、あくまで公立用の基礎的内容の反復のほうが大切ということになります。(もちろんこれは私立対策は怠ってよいという話ではありません。上位校は当然レベルが高い受験生が集まるので合格するのはとても大変です。)
今後も進学情報をたまに掲載しますので、チェックしてみてください。