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とらきつね一般書ランキング(11/22-12/29)


とらきつねより、昨年最後の書籍ランキングです。


(初)1うれしい生活 植本一子 河出書房新社
(1)2まとまらない人 坂口恭平 リトルモア
(初)3「いいんだよ」は魔法の言葉 立花高等学校 梓書院
(9)4 親子の手帖 鳥羽和久 鳥影社
(再)5 自殺会議 末井昭 朝日出版社
(初)6 不登校になって伸びた7つの能力 吉田晃子 星山海琳 廣済堂出版
(再)7 自殺 末井昭 朝日出版社
(初)8 橙書店にて 田尻久子 晶文社
(初)9 ありのままがあるところ 福森伸 晶文社
(初)10 小さな天才の育て方・育ち方 吉田晃子 星山海琳 セルバ出版



満席のイベントが3つも行われ、たくさんの方々で賑わったとらきつね。これまでで最も多くの本が皆さまのもとに届いた月となりました。

そんな中、トップを飾ったのは植本一子さんの初の写真集『うれしい生活』。ほんとうにすばらしいので一人でも多くの方に届きますように。


田尻久子さんは当店ですごく売れるのですが、今回は売れるペースが過去でいちばん早いです。しょうぶ学園福森さんの『ありのままがあるところ』も初登場。話題作目白押しです。


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1位の植本一子さん写真集『うれしい生活』については、別のところでレビューを書きましたので以下に転載します。

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植本一子 うれしい生活(河出書房新社)

写真を撮ることを「世界との一定の関係に自分を置くこと」と言ったのはスーザン・ソンタグ(『写真論』1987年)だが、『うれしい生活』はまさに、植本一子という一人の人間がどのように世界と関係を結んできたかを記録した写真集である。

被写体に対しての愛を感じる写真というのは美しい。でも、愛に耽溺する余り、愛に対しての驕りを感じさせる写真は、とたんに醜悪になる。

植本一子が撮る人たちの多くは笑っていない。
彼女の撮る写真は、どこか被写体と一定の距離感が保たれていて、愛があるのに醒めている。彼女は愛に耽溺しないし驕らない。私はそこに彼女の作家性を強烈に感じる。

自然光のみで撮影するスタジオ「天然スタジオ」を運営する彼女の写真は、やはり光が美しい。(彼女のことを"光の魔術師・下北のフェルメール"と呼んでいる人がいたな。)この光は彼女の潔い覚悟の現れである。光の前では何もごまかせない。光は全てを衆目に晒す。

この写真集を何度も繰り返し見てしまうのは、彼女の世界への希求がそのままに映し出されているからだ。「たとえ一緒にいられなくても、遠くでもいいから、どうか、わたしを好きなまんまでいて。」そんな声が聞こえてくるようで、胸がどうしようもなく締めつけられる。

しかし、夫である石田さん(ECD)の視線は、そういった彼女の作家性を食い破ってしまう。ECDはこの写真集における異物である。彼の透徹した個(孤)の眼差しは、私たちの奇妙な生という営みを睨み返す。ECDはこの写真の途中から痩せていき、ついには死に至る。彼の死は、この写真集に永遠性を備えた命を与えた。なんてことだろうと思う。

たとえ一緒にいられなくても、あなたに会えたことがうれしい。私たちは最も身近な家族とでさえ、いつまでもいっしょにはいられない。子どもは瞬く間に離れていってしまうし、私もあなたも、もしかしたら明日死んでしまうかもしれない。

それでも、たったいまあなたといるという現実がうれしいのだ。私たちには「いま」しかなく、できることは、いまといまとを大切に繋いでいくことだけだ。この写真集は、うれしい「いま」の光で溢れている。




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by terakoyanet | 2020-01-08 20:38 | とらきつね | Trackback | Comments(0)

今年もせまい空間にたくさんのディープなゲストが来てくださり、皆さまとめくるめく時間を過ごすことができました。
ご参加いただいたすべての皆さま、ありがとうございました。

今年もありがとうございました。_d0116009_01362321.jpg

1枚目左上から
宇野常寛さん Planets vol.10 刊行記念 宇野常寛ゼミ 遅いインターネット計画(福岡開催)
若松英輔さん 若松英輔トーク 悲しみが言葉をつむぐとき(福岡開催)
鳥羽和久 & 高校生たち(仁藤匠・永戸基就・竹内鈴) 平成のこどもたち(おはなし:鳥羽和久)
石川直樹さん  石川直樹 20年の旅 ~新刊3冊刊行記念トーク 福岡~
冬にわかれて & 坂口恭平 冬にわかれて 福岡公演 ゲスト 坂口恭平
冬にわかれて(寺尾紗穂、伊賀航、あだち麗三郎 ) 冬にわかれて 福岡公演 ゲスト 坂口恭平
植本一子さん・武田砂鉄さん 武田砂鉄トーク「令和日本の気配と、違和感の居場所」/ 植本一子トーク「『台風一過』と、新しい家族のかたち」
坂口恭平さん・石川直樹さん 石川直樹 フィールドワーク2019 / 坂口恭平 死ぬまで作り続けたい


今年もありがとうございました。_d0116009_01363107.jpg


2枚目左上から
坂口恭平さん 冬にわかれて 福岡公演 ゲスト 坂口恭平
吉田晃子さん・星山海琳さん 親と子会議『不登校になって伸びた7つの能力』出版記念トーク福岡
遊びに来てくださった 田尻久子さん、鹿子裕文さん
齋藤眞人さん・鳥羽和久 齋藤眞人×鳥羽和久クロストーク「いいんだよ」は魔法の言葉ー君は君のままでいいー刊行記念
坂口恭平さん、末井昭さん 自殺会議・福岡 坂口恭平×末井昭トーク
寺尾紗穂さん、坂口恭平さん 寺尾紗穂+鳥羽和久トーク 「今、誰が悲哀を抱えながらかっこ悪くも勇猛に吶喊しうるのだろう」
島崎智子さん 悲しみは誰のもの 話し手 島崎智子 聞き手 鳥羽和久
中岡祐介さん 本をつくり、届けること ~タラブックスと三輪舎の本づくり



来年もマイペースでのイベント開催になりますが、どうぞ宜しくお願いいたします!

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by terakoyanet | 2019-12-29 01:52 | とらきつね | Trackback | Comments(0)

昨日、SNS等で発表させていただいた「とらきつね ブック大賞2019」。

こちらのブログでその結果を発表させていただきます。


大賞
『かたちは思考する: 芸術制作の分析』 平倉圭 東京大学出版会


筆者は伊藤亜紗さんとの対談の中で「僕は言葉に対する信頼が低いんです」と発言しているが、『かたちは思考する』は、言葉に対する信頼が低いが故に、出来合いの言葉ではなく、形象を見ることを通し て内的に捻り出された言葉だけを駆使して書かれた芸術論。 凄絶な強度を持つ具体的な分析の数々に圧倒され、平伏するより他にないような苦しい感動が押し寄せる。緻密な分析は、私たちに還元主義的な解釈の正解を用意するのではない。私たちの身体は、この本を通して形象に巻き込まれ震動する。その魅惑を追体験できるだけでもこの本は圧倒的に読む意味がある。


とらきつねはとても小さな本屋ですが、この本を書いた平倉圭さんの勇気ある仕事が、一人でも多くの方に知られますように。

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著者の平倉圭さんからコメントをいただきました。こちらこそコメントいただき光栄に思いました。

言葉にするのが難しいことを徹底的に言葉にしてくださった熱さに読後しばらく放心しました。本当にありがとうございました。





そして、とらきつねブック大賞2019のセールス部門とセレクション部門。

セールス部門は過去1年の当店販売高上位10冊、セレクション部門は過去1年に出た本の中で特におすすめしたい本を10冊選んだもの(ただしセールス部門との作品の重複を避けています)です。

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こちらも4名の著者や編集者の方々からコメントやメッセージをいただきました。ありがとうございます。

今年もたくさんのいい本が世に出ました。こうしてご紹介することで、一人でも多くの方々に手に取っていただけることを念願しています。年末年始の本選びの参考にぜひしていただければ。


先日、中1の三者面談の際に、中学生が読むのにおすすめの本を紹介してもらえませんか? と2組の親御さんにご依頼いただいたのに、まだ紹介できておらずすみません。時間があるときに記事にさせていただきます。たくさん候補があるんです。。




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by terakoyanet | 2019-12-19 15:29 | とらきつね | Trackback | Comments(0)

【11月22日情報解禁】
親と子会議~『不登校になって伸びた7つの能力』出版記念トーク福岡

6刷のベストセラーになった『小さな天才の育て方・育ち方』に続く新刊『小・中・高に通わずに大学へ行った私が伝えたいー不登校になって伸びた7つの能力』を9月に刊行したばかりの吉田晃子(よっぴー)と星山海琳(まりん)の親子。よっぴーはいわゆる子育ての「常識」にこだわらなかったし、まりんはほめられるわけでもなく叱られるわけでもなくただそのままに育って大きくなった。

親と子の話を通して皆さんに感じてもらいたいのは、けっして子育ての正解ではなくて、子育てってこんなに面白くて豊かなんだなぁという子育ての本来性であり、子育てにかかわらず人と人とが関係を結ぶことのかけがえのなさです。子どもはもともと偉大な存在なのに、そういう子どもの豊かさに出会うことなく子どもの可能性をはじめからつぶしてしまう大人にならないように、親と子どもの双方からお話しを聞いてみたいと思います。聞き手はとらきつねの鳥羽和久(著書に『親子の手帖』など)。

19:00~19:40 親の場合 吉田晃子×鳥羽和久
19:40~20:20 子の場合 星山海琳×鳥羽和久
20:30~21:00 親と子(オヤトコ)会議 吉田晃子×星山海琳×鳥羽和久

◇日時 12月4日(水)19:00~21:00
※トーク後に質疑応答・サイン会あり

◇ご予約
:とらきつねBASE https://torakitsune8.thebase.in/
:または店頭にて

◇会費 2,000円
※学生割 500円(学生さんの予約はとらきつねまでメールや電話でご連絡ください)
※高校生以下無料、お子様連れ可能ですが託児施設等はございません
※チケットレス制です。ご予約の方に予約番号をメールでお知らせしますので、当日受付にて予約番号をお申し付けください。(チケットはございません)
※キャンセル不可

◇プロフィール
吉田晃子(よしだ・あきこ)
1962年大阪生まれ。一男一女の母。口唇口蓋裂の先天性形態異常で生まれ、成人するまでに何度も手術、入退院をくり返す。
大学卒業後、入社した会社を3日で辞め、放浪の旅に出る。帰阪後は自営業を営み、その後フラワーアレンジメント、室内装飾のコーディネーター、飲食店の経営などをする。第一子は先天性心臓疾患で、再三にわたり、生死の境をさまよう。自らの障害、入院していた時間、放浪、 息子の障害、子どもの学校に行かない選択とその後の日々は、根本に立ちかえって物事のあり方を見直すことを教え「デモクラティックス クール・フリープレイスなわて」の立ち上げおよびスタッフ勤務を経て、コミュニティ「デモクラティックフィールドのらねこ」に携わる。
現在は「AI‐am」共同経営の星山(娘)と、ブログ「オヤトコ発信所」を中心に、お母さんの集うオンラインサロンや、講演、勉強会、講座 などの活動を行う。2016年、星山とともに上梓した『小さな天才の育て方・育ち方- 小・中・高に通わず大学へ行った話』(セルバ出版)は第 6刷(2019年8月現在)に。

星山 海琳(ほしやま・まりん)
1996年大阪生まれ。大阪芸術大学芸術学部文芸学科卒業。小学校へ入学してすぐ、学校教育への数々の疑問がわき、学校への魅力を感じなくなる。自分に合ったより魅力的な教育を探し「デモクラティックスクール・フリープレイスなわて」で6歳から11歳を過ごす。
デモ クラティックスクール(サドベリースクール)で過ごした日々から発想を受け、11歳のとき、コミュニティ「デモクラティックフィールドのら ねこ」を創立。その後、教育・子育てに関心や悩みのある方々の相談やサポートなどのほか、詩や絵画、写真など自身の創作活動にも励む 。
17歳の夏、とつぜん大学へ行くことを志す。高等学校卒業程度認定試験を受けることを決め、約2か月半の期間で、全8教科の勉強を小学校 1年生のレベルからはじめる。九九や四則計算など小学校算数を約20時間、数学を約12時間で修了。ほか7教科とともに、高認試験に合格。
志望校である大阪芸術大学を受験、現役入学した。

鳥羽 和久(とば・かずひさ)
1976年、福岡県生まれ。
株式会社寺子屋ネット福岡代表取締役。
大学院在学中の2002年に中学生40名を集めて学習塾を開業。2010年に航空高校唐人町(単位制高校)開校。現在、教室で150名超の小中高の生徒を指導する傍ら、本屋と雑貨の店「とらきつね」の運営や及び文化イベントの企画を行う。
近年は、子育てや旅に関するエッセイ執筆や、全国の学校等での講演も多数。著書に『親子の手帖』(鳥影社)など。来年の春に新刊『子どもの声を聴く(仮題)』(ナナロク社)を刊行予定。



【満席】
自殺会議・福岡 坂口恭平×末井昭トーク

「死にたい人は死ぬ前に一度でいいから、僕に連絡して」と呼びかけて希死念慮に苦しむ人々との対話「いのっちの電話」を自らの携帯電話(090-8106-4666)で続ける坂口恭平さんと、『自殺』(講談社エッセイ賞受賞)・『自殺会議』においてキレイゴトのない言葉で正面から哀しくておもしろい「自殺」を描いた末井昭さんによる自殺会議。これは、必聴、必見です。笑って泣いて、悲しみも喜びもごちゃ混ぜにした人間賛歌をお持ち帰りください。この日は大人気おむすびひばりさんが出店します!

◇日時 12月11日(水)19:30~21:30
※トーク後に坂口恭平さん、末井昭さんのサイン会あり!

◇ご予約
:とらきつねBASE https://torakitsune8.thebase.in/
:または店頭にて

◇会費 3,800円
※学生割 1,000円(学生さんの予約はとらきつねまでメールや電話でご連絡ください)
※困っている人割 1,000円(先着5名/お金を払う余裕はないけど参加したい方は、参加したい理由を書いて、以下のお問い合わせフォームからお送りください。おふたりとも切羽詰まった人を助けたいと思っています。)
https://my.formman.com/form/pc/bzDGovvrrWXWHS7P/
※高校生以下無料、お子様連れ可能ですが託児施設等はございません
※チケットレス制です。ご予約の方に予約番号をメールでお知らせしますので、当日受付にて予約番号をお申し付けください。(チケットはございません)
※キャンセル不可

◇坂口恭平(サカグチ・キョウヘイ)プロフィール
1978年、熊本県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年に路上生活者の住居を撮影した写真集『0円ハウス』(小社)を刊行。以降、ルポルタージュ、小説、思想書、画集、料理書など多岐にわたるジャンルの書籍、そして音楽などを発表している。2011年5月10日には、福島第一原子力発電所事故後の政府の対応に疑問を抱き、自ら新政府初代内閣総理大臣を名乗り、新政府を樹立した。躁鬱病であることを公言し、希死念慮に苦しむ人々との対話「いのっちの電話」を自らの携帯電話(090-8106-4666)で続けている。12年、路上生活者の考察に関して第2回吉阪隆正賞受賞。14年、『幻年時代』で第35回熊日出版文化賞受賞、『徘徊タクシー』が第27回三島由紀夫賞候補となる。16年に、『家族の哲学』が第57回熊日文学賞を受賞した。現在は熊本を拠点に活動。2023年に熊本市現代美術館にて個展を開催予定。

◇末井昭(スエイ・アキラ)プロフィール
1948年、岡山県生まれ。デザイン会社やキャバレーの看板描きなどを経て編集者となり、セルフ出版(現・白夜書房)の設立に参加。『NEW SELF』『ウィークエンドスーパー』『写真時代』『パチンコ必勝ガイド』など話題の雑誌を次々と創刊する。白夜書房取締役編集局長を経て、2012年に白夜書房を退社。現在はフリーで執筆活動などを行なう。著書に、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(ちくま文庫)、『絶対毎日スエイ日記』(アートン)、『自殺』(朝日出版社)、『結婚』(平凡社)、『末井昭のダイナマイト人生相談』(亜紀書房)、『生きる』(太田出版)、『自殺会議』(朝日出版社)などがある。2014年、『自殺』で第30回講談社エッセイ賞を受賞。2018年、『素敵なダイナマイトスキャンダル』が映画化(監督・冨永昌敬)。


【本日情報解禁】
「いいんだよ」は魔法の言葉ー君は君のままでいいー刊行記念
齋藤眞人(立花高等学校校長)× 鳥羽和久(寺子屋ネット福岡)クロストーク


一人の子どもを粗末にする時 教育はその光を失う
(立花高等学校創始者 安部清美)

2019年12月18日に梓書院から刊行される『「いいんだよ」は魔法の言葉ー君は君のままでいいー』。本の舞台は福岡市東区和白丘にある立花高等学校。
立花高校では不登校生や発達障がいのある子どもたちの積極的な受け入れを行っており、現在、立花高校に通う生徒の約8割は不登校経験者です。

「環境の変化についていけない」
「周りの生徒たちや先生となじめない」
「自分のポジションが見つからなかった」
「いじめや無視」
「親子関係をめぐる問題」
さまざまなきっかけで、不登校となった子供たちが、
立花高校では、いきいきと活動し、かけがえのない個性と才能を遺憾なく発揮しています。

彼らの心を開いた、立花高校の教育の真髄とはいったいなんだったのでしょうか。「できないことを嘆くより、できることを認めよう」立花高校の目指す「寛容の精神が醸成される社会」とは。

いま全国から注目を浴びる立花高校の教育の在り方、子どもとの関わり方について、全国から講演依頼が絶えない齋藤眞人校長から話を伺います。

お話しの相手は、寺子屋ネット福岡の鳥羽和久館長。
鳥羽さんは、学習塾での指導を通して小学生から高校生まで多くの子どもたちと関わりながら、単位制高校のシステムを活用するなどして大人が設定した一本道のレールになじめない子どもたちの寄り道を提供する活動を行ってきました。
2018年に出された『親子の手帖』(鳥影社)では、学力と差別、不登校、いじめ、発達障害など、子どもを取り巻く問題に対して大人がどのようなアプローチができるかを丹念に問い、大きな反響を呼びました。

画一的な価値を求める社会からこぼれる子どもたちに対して、君のままでいいんだよとエールを送り続けるふたりによる子どもと教育を考えるトークです。梓書院及びとらきつねによる共催イベント。


◇日時 12月21日(土)17:00~19:00


◇ご予約
:とらきつねBASE https://torakitsune8.thebase.in/
:または店頭にて


◇会費 2,000円
※高校生以下無料、お子様連れ可能ですが託児施設等はございません
※チケットレス制です。ご予約の方に予約番号をメールでお知らせしますので、当日受付にて予約番号をお申し付けください。(チケットはございません)
※『「いいんだよ」は魔法の言葉』『親子の手帖』の書籍販売あり
※キャンセル不可(払い戻しはできません)


◇プロフィール

齋藤眞人(さいとう・まさと)
1967年宮崎県生まれ。宮崎県の公立中学校の音楽教員を経て、2004年に教頭として立花高校へ赴任。2006年から校長を務める。
日々学校で多くの生徒たちと触れ合いながら、教育関係者から一般企業まで数多くの講演依頼を受け、年間100本以上の講演活動も行っている。生徒からは「校長ちゃん」の愛称で親しまれる。

立花高等学校 (たちばな・こうとうがっこう)
福岡市東区和白丘にある私立高校。一時は全校生徒が3名という絶体絶命の危機に瀕しながら、現在では定員数を超える500名以上の生徒を抱える。全国から不登校生や発達障がいのある子どもたちを積極的に受け入れており、立花高校に通う生徒の約8割は不登校経験者。全日制と単位制を組み合わせ、出席を一歩ずつ自分のペースで積み上げられる「パイルアップシステム」(パイルアップ:積み上げる)や「できないことを嘆くより、できていることを認め合う」教育方針が近年注目を集めている。

鳥羽和久(とば・かずひさ)
1976年福岡県生まれ。株式会社寺子屋ネット福岡代表取締役。
大学院在学中の2002年に中学生40名を集めて学習塾を開業。2010年に航空高校唐人町(単位制高校)開校。現在、教室で150名超の小中高の生徒を指導する傍ら、本屋と雑貨の店「とらきつね」の運営や及び文化イベントの企画を行う。
子育てや旅に関するエッセイ執筆や、全国の学校等での講演も多数。著書に『親子の手帖』(鳥影社)など。来年の春に新刊『子どもの声を聴く(仮題)』(ナナロク社)を刊行予定。

寺子屋ネット福岡(てらこやねっとふくおか)
福岡市中央区唐人町にある学習塾・単位制高校・書店・雑貨店・イベントスペースの総称。いつもキャンセル待ちが続く教室には、市内の約40の小中高から150人以上の生徒が通っている。無時間割や国語塾などの特色ある授業により、全県1位の模試成績をとる生徒を毎年のように輩出する進学塾である一方で、中途退学者のセーフティネットとしての単位制高校や、地域の人たちや子どもたちの寄り道の場所としてのとらきつねを運営する。



12月に行われるとらきつねのイベント情報_d0116009_14503133.jpg
とらきつねでは、イベント開催を記念したフェア開催中です。


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by terakoyanet | 2019-11-25 14:57 | お知らせ | Trackback | Comments(0)

とらきつね一般書ランキング(10/4-11/21)

(初)1 まとまらない人 坂口恭平 リトルモア
(再)2 台風一過 植本一子 河出書房新社
(初)3 GasherbrumⅡ 石川直樹 SLANT
(再)4 日本の気配 武田砂鉄 晶文社
(初)5 夏物語 川上未映子 文藝春秋
(再)6 往復書簡 無目的な思索の応答 又吉直樹・武田砂鉄 朝日出版社
(初)7 増補新版 いま生きているという冒険 石川直樹 新曜社
(初)8 家族最初の日 植本一子 ちくま文庫
(3)9 親子の手帖 鳥羽和久 鳥影社
(初)10 在野研究ビギナーズ―勝手にはじめる研究生活 荒木優太他 明石書店

今月は一昨日発売になったばかりのいま話題の書、坂口恭平さん『まとまらない人』が初登場1位を獲得! 坂口さんをはじめ、とらきつねのイベントに登場した植本一子さん、石川直樹さん、武田砂鉄さんが上位を独占。その中で5位に毎日出版文化賞を獲得したばかりの川上未映子さんの『夏物語』がランクイン!会う人会う人におすすめしている甲斐がありました。




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by terakoyanet | 2019-11-21 23:58 | とらきつね | Trackback | Comments(0)

現代思想11月号
反出生主義を考える「生まれてこないほうが良かった」という思想(青土社)


私が知る家庭にいわゆるひきこもりの男の子がいるのですが、その子は家庭内で逆上するとすぐに「生まれてこないほうが良かったんだー」「お前、生んだ責任を取れよー」とお母さんに絶叫するんです。その彼から話を聞いていると、ベネターの言うポリアンナ原理(悪に満ちた人生という真実を覆い隠すヴェール)によるまやかしによって、私たちはかりそめの善きものとして生きていけるのかなという気持ちになります。彼が原理的にしかものを見ることができないことから悩みを深めているように見えるからなおさらです。でも、彼と「まやかし」について話した時にいくら二人で盛り上がったところで、彼はまた逆上するとお母さんに同じことを叫ぶわけです。こっちのほうが現実的な実存としては圧倒的に強い。そういう彼の母親への恨みはポリアンナ原理では説明がつかないんです。そして、お母さんに彼が何を考えているかを説明するときに、私はやはりそのこと(彼はまやかしの世界の住人ではなく、もっと原理的にそのままに世界を見ているんですということ)を普遍化して話すことはできなくて、「世界を見る目というのはひとつではなくて、彼とお母さんとではもしかしたら別のしかたで世界を見ているのかもしれません」としか言えません。私の実感としてもそうとしか言えない。

生む側と生まれる側には非対称性が横たわっている。確かに生まれる側には選択の余地がなく、I was born.と受け身の形で生まれるしかない、でも生む側は生むか生まないか選択の余地がある。そこで「次の命を暴力的に生み出すことがいかにして正当化されるのか」(森岡正博さん)という<親>の問題が生まれるわけで、彼の「お前、生んだ責任を取れよー」という言葉の前にお母さんは絶句して立ちすくむしかなくなります。でも、彼の問いを一身に受けて何か応えようとする彼女を見て私は、彼女に責任を取れなんて言えないよと思ったわけです。まず、出生を迎えるためには彼女ひとりの意思では不可能で、つまり複数の意思が必要であるということ、さらに彼女が生みたいと思って生んだとしても、その意思も含めて彼女はその都度の不確定な現実の中でそうなっただけとしか言えない部分は決して拭えないわけです。私はお母さんに「生んだ責任というのは、少なくともあなたがひとりで抱えて考える問題ではない」ということを言いました。これもそうとしか言えなかった。出生‐反出生という二元的な捉え方では零れ落ちるものが多々あると思います。私たちが今わからない現実になんとか応答しているだけの脆弱な存在であることが見過ごされている気がするのです。

私ははじめから「出生‐反出生」という問いに抵抗のようなものを感じており、それはこの特集でも複数で触れられているように、それはクイアを寄せ付けないところにあるのだろうと思います。これは出生主義の課題だと考えられがちですが、反出生主義も同じです。<親>の問題というのはクイアを疎外します。これは私がいつも親と子の問題を考え、人の前で話すときのアポリアでもあります。

その点、川上未映子さんの『夏物語』(とらきつねでも販売中/これは読んでいただきたい)の引用が印象的な逆卷しとねさんの文章は、私の些末な経験のいくつかを確実にほぐしてくれるもので(ほぐされたからその文章を追うようにしてこれを書いたのですが)苦しくも有り難く感じられた。耳触りのよい未来を求めることで、結果的に存在が今ここでめくれていくような時めきのある未来を失うことがないよう、この冊子の中で拾ったいくつかの警句を携えていたいと思いました。

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田尻久子『橙書店にて』(晶文社)

熊本・橙書店の店主(ママ)、田尻久子さんが書いたエッセイ3作目。
私は彼女が書く文章が好きです。何を書いても澱みがない。さっぱりしてる。哀しみを愛おしんでいるのに、カラッとしていて、だからかえって余韻が後を引きます。
橙書店の本棚の間を歩いているときのように、たよりない声が、声にならない声が聞こえてくるようで耳を澄まします。それは確かに命の深さを知る、やさしさに溢れる声。
石牟礼道子も村上春樹もあの日カウンターにぎこちなく座ったお客さんも、この本の中では、たまたま橙書店に触れた、なんでもない、そしてかけがえのないひとりの人として描かれています。その田尻さんの目の正直さ、確かさに胸を打たれるのです。

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綿野恵太『「差別はいけない」とみんないうけれど。』(平凡社)


今まさに読むべき本。世間に溢れる「正しさ」の臭みを嗅いだ覚えのある人なら正鵠を射たものに出会ったと感じるはず。まえがきの時点で所詮相対主義だと誤読して投げ出す人もいるかもしれないが、この本に書いてあることはそんなことじゃない。

この本に書かれていることは、若い人たちは感覚的に理解しやすいと思う。(20年後の「常識」が書かれている気がする。) アイデンティティとシチズンシップを対比させる考察はこの本の肝で、野党支持者たちや、デモに参加して社会を変えたいと考える人たちにも自分の弱点を知るために読んでみてほしい。

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平倉圭『かたちは思考する』(東京大学出版会)


筆者は対談(伊藤亜紗×平倉圭 記憶を踊ること、私を作り変えること)https://dokushojin.com/article.html?i=6197&p=7 の中で、さらっと「僕は言葉に対する信頼が低いんです」と発言しているが、この本『かたちは思考する』は、言葉に対する信頼が低いが故に、出来合いの言葉ではなく、形象を見ることを通して内的に捻り出された言葉だけを駆使して書かれた芸術論である。凄絶な強度を持つ具体的な分析の数々に圧倒され、曲がりなりにも日ごろ文章を書いている人間として、平伏するより他にないような苦しい感動が押し寄せる。

その緻密な分析は、私たちに還元主義的な解釈の正解を用意するのではない。私たちの身体は、この本を通して形象に巻き込まれ震動する。その魅惑を追体験できるだけでもこの本は圧倒的に読む意味がある。

この本はわかったつもりになることを簡単には許してくれないので、これからも手に取って読むことになるだろう。参照されるあらゆる作品にも興味が芽生えるし、何よりこの本を読んだ後には自分の身体を使って絵を描いてみたいと思う。まさにそれは本を読むことで身体が変容するような経験だ。

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by terakoyanet | 2019-11-16 06:17 | とらきつね | Trackback | Comments(0)

【満席になりました 11/11】
自殺会議・福岡 坂口恭平×末井昭トーク が来たる12月11日(水)に開催されます。
すでにチケットはSOLD OUT直前ですが、必要な方に届きますように。

「死にたい人は死ぬ前に一度でいいから、僕に連絡して」と呼びかけて希死念慮に苦しむ人々との対話「いのっちの電話」を自らの携帯電話(090-8106-4666)で続ける坂口恭平さんと、『自殺』(講談社エッセイ賞受賞)・『自殺会議』においてキレイゴトのない言葉で正面から哀しくておもしろい「自殺」を描いた末井昭さんによる自殺会議。これは、必聴、必見です。
笑って泣いて、悲しみも喜びもごちゃ混ぜにした人間賛歌をお持ち帰りください。


◇日時 12月11日(水)19:30~21:30 とらきつね(福岡市中央区唐人町1-1-1成城ビル1F)にて
※トーク後に坂口恭平さん、末井昭さんのサイン会あり!

◇ご予約
:とらきつねBASE https://torakitsune8.thebase.in/
:または店頭にて


◇会費 3,800円
※学生割 1,000円(学生さんの予約はとらきつねまでメールや電話でご連絡ください)
※困っている人割 1,000円(先着5名/お金を払う余裕はないけど参加したい方は、参加したい理由を書いて、以下のお問い合わせフォームからお送りください。おふたりとも切羽詰まった人を助けたいと思っています。)
https://my.formman.com/form/pc/bzDGovvrrWXWHS7P/
※高校生以下無料、お子様連れ可能ですが託児施設等はございません
※チケットレス制です。ご予約の方に予約番号をメールでお知らせしますので、当日受付にて予約番号をお申し付けください。(チケットはございません)
※キャンセル不可

◇坂口恭平(サカグチ・キョウヘイ)プロフィール
1978年、熊本県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年に路上生活者の住居を撮影した写真集『0円ハウス』(小社)を刊行。以降、ルポルタージュ、小説、思想書、画集、料理書など多岐にわたるジャンルの書籍、そして音楽などを発表している。2011年5月10日には、福島第一原子力発電所事故後の政府の対応に疑問を抱き、自ら新政府初代内閣総理大臣を名乗り、新政府を樹立した。躁鬱病であることを公言し、希死念慮に苦しむ人々との対話「いのっちの電話」を自らの携帯電話(090-8106-4666)で続けている。12年、路上生活者の考察に関して第2回吉阪隆正賞受賞。14年、『幻年時代』で第35回熊日出版文化賞受賞、『徘徊タクシー』が第27回三島由紀夫賞候補となる。16年に、『家族の哲学』が第57回熊日文学賞を受賞した。現在は熊本を拠点に活動。2023年に熊本市現代美術館にて個展を開催予定。
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◇末井昭(スエイ・アキラ)プロフィール
1948年、岡山県生まれ。デザイン会社やキャバレーの看板描きなどを経て編集者となり、セルフ出版(現・白夜書房)の設立に参加。『NEW SELF』『ウィークエンドスーパー』『写真時代』『パチンコ必勝ガイド』など話題の雑誌を次々と創刊する。白夜書房取締役編集局長を経て、2012年に白夜書房を退社。現在はフリーで執筆活動などを行なう。著書に、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(ちくま文庫)、『絶対毎日スエイ日記』(アートン)、『自殺』(朝日出版社)、『結婚』(平凡社)、『末井昭のダイナマイト人生相談』(亜紀書房)、『生きる』(太田出版)、『自殺会議』(朝日出版社)などがある。2014年、『自殺』で第30回講談社エッセイ賞を受賞。2018年、『素敵なダイナマイトスキャンダル』が映画化(監督・冨永昌敬)。
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by terakoyanet | 2019-11-10 08:00 | とらきつね | Trackback | Comments(0)

【満席になりました 11/6】
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写真家の石川直樹さん、作家の坂口恭平さんが、福岡初共演!
おふたりのダブルトークイベントを11月20日(水)に福岡・とらきつねにて開催します。
石川さん、坂口さん、どちらも4度目のとらきつねですが、揃い踏みは初!です。

石川直樹さん、坂口恭平さん、どちらも現在、中学・高校の教科書に登場する子どもたちにもおなじみのふたり。ぜひ皆さんにご参加いただきたいイベントです。

〇石川直樹 フィールドワーク2019(19:00~20:20) 
K2, Gasherbrum II,そしてYukon River。石川直樹さんが2019年に遠征した各所での写真と話をじっくり伺う機会になります。11月10日発売の写真集『Gasherbrum II』(SLANT)刊行直後のトークになります。(11月22日には小学館から写真集『まれびと』が発売になります。)

〇坂口恭平 死ぬまで作り続けたい (20:40~22:00)
躁鬱病であることを公表し、希死念慮に苦しむ人々との対話「いのっちの電話」を自らの携帯電話(090-8106-4666)で続けている坂口恭平さんによる、死なずに生き延びるためのトーク。11月18日『まとまらない人』(リトルモア)刊行直後のトークになります。

石川直樹さん・坂口恭平さんは大の仲良しなので、ふたりの絡みもご期待ください! 
イベント終了後(22:00~)石川直樹・坂口恭平サイン会開催!
※11月5日現在、すでに3分の2の座席が埋まっているため、当日券が出る可能性はほぼありません。



◇ご予約
:とらきつねBASE https://torakitsune8.thebase.in/
:または店頭にて


◇会費
:石川直樹・坂口恭平の片方に参加の方3,000円
:両方に参加の方4,000円
※学生は1,000円(2つで2,000円・予約はとらきつねまでメールや電話でご連絡ください)
※高校生以下無料、お子様連れ可能ですが託児施設等はございません
※チケットレス制です。ご予約の方に予約番号をメールでお知らせしますので、当日受付にて予約番号をお申し付けください。(チケットはございません)
※キャンセル不可

◇会場
とらきつね
福岡市中央区唐人町1-1-1成城ビル1F
092-731-0121

◇石川直樹 プロフィール
1977年東京生まれ。写真家。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表し続けている。『NEW DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)により、日本写真協会新人賞、講談社出版文化賞。『CORONA』(青土社)により土門拳賞を受賞。著書に、開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)ほか多数。最新刊に、ヒマラヤの8000m峰に焦点をあてた写真集シリーズの7冊目となる『GasherbrumⅡ』(SLANT) 、水戸芸術館や初台オペラシティをはじめ全国の美術館を巡回した個展と同名の写真集『この星の光の地図を写す』(リトルモア) など。10月4日~12月1日、鹿児島県・霧島アートの森にて個展『島は、山。island≒mountain』を開催。
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◇坂口恭平プロフィール
1978年、熊本県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年に路上生活者の住居を撮影した写真集『0円ハウス』(小社)を刊行。以降、ルポルタージュ、小説、思想書、画集、料理書など多岐にわたるジャンルの書籍、そして音楽などを発表している。2011年5月10日には、福島第一原子力発電所事故後の政府の対応に疑問を抱き、自ら新政府初代内閣総理大臣を名乗り、新政府を樹立した。躁鬱病であることを公言し、希死念慮に苦しむ人々との対話「いのっちの電話」を自らの携帯電話(090-8106-4666)で続けている。12年、路上生活者の考察に関して第2回吉阪隆正賞受賞。14年、『幻年時代』で第35回熊日出版文化賞受賞、『徘徊タクシー』が第27回三島由紀夫賞候補となる。16年に、『家族の哲学』が第57回熊日文学賞を受賞した。現在は熊本を拠点に活動。2023年に熊本市現代美術館にて個展を開催予定。
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背景画=坂口恭平
坂口恭平近影=石川直樹


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by terakoyanet | 2019-11-05 14:27 | とらきつね | Trackback | Comments(0)

この3ヶ月に書いたブックレビューのまとめ記事です。


いまから曖昧なことを書くことになりそうなので初めに言っておけば、これを読んでくださっている多数の人たちにとって、この本はかなり良い読み物です。熱くないのに心地よい温度があります。心の中の違和感という名のプチプチをひとつずつ潰してくれる感じがあります。つまりはオススメです。


武田砂鉄、又吉直樹。思索するふたりの応答が交互に収録されたこの本について、何か気の利いたことを書くのは難しい。なぜなら、これほどに作為のようなものが感じられない本はなかなかお目にかかれないから、それを読んだ後には、この本を目的的に紹介するという己れの作為に対して戸惑いを禁じ得ないからだ。

この本の主題を敢えてひとつ言えば「違和感」ということになると思う。違和感の矛先は社会や周囲の人たちにだけでなく、自分自身にも向かう。それが率直で正直で興味深い。ふたりの応答には相手に対する気負いがないのがいい。そしてふたりの言葉に対する繊細さと、それなのに言葉で遊んでしまうやわらかな知性が伺えるところがとても楽しい。内容は軽い体(てい)でそうでもない。自分の足元を根ほり葉ほりした人たちの独白(言葉)というのはやはり信頼できるし面白いなと思います。

それにしても、あるネット書店でこの本を「生産性の少ない会話」という理由でマイナス評価にしている人がいて驚いた。この本のタイトルは『無目的な思索の応答』なのに…。でも人は「無目的」の中にさえ生産性のような目的を求めてしまうのだろう。そのこともおそらくこの本には織り込まれている。

ーそして「普通」という主語を嫌がるくせに、その枠組みを設定しているのが自分であることにも困惑するのです。ー 武田砂鉄

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10月14日(月祝)開催の武田砂鉄さんのトーク(聞き手 鳥羽和久)、植本一子さんのトーク(聞き手 武田砂鉄)はどちらもすでに席が半分埋まっています。当日券は出ない可能性が高いと思いますので、チケットは事前にお求めください。






『在野研究ビギナーズ』(明石書店)ゲット。
この熱量のある本、大学の生協でこそ取り扱うべき。修士時代に出会っていたらむさぼり読んでいたはず。博士課程で勇気をもらえる(こんな言葉が出てくるなんて閉口してしまう)人も多いと思う。
いまは自分も在野研究者(のごく端くれ)だと思っているからただただ興味深い。

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アルテリ八号。
石牟礼道子さんの遺志を継ぐ柔らかながら強い意思をこれまで以上に鮮烈に感じさせます。
今号は「生きのびる者たちに罪はないのか」という石牟礼の問いかけと、60年間水俣病と闘い続ける坂本フジエさんの語りが紡がれた浪床敬子さんの「当たり前のこつじゃけ」から始まります。浪床さん、そしてその直後に載る齋藤陽道さんの文章(圧倒的に良いから読んでほしい)で強く感じるのは、私たちは隣にいる人の心さえわからないこと、どんなに願ってもその人にはなれないこと。でもだからこそその人を「全身で見聴きする者」として現象することで、私があなたになるという願いのゆらぎが「声」として私の心に宿り、それによって私は生かされるということです。
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『ロンドン・ジャングルブック』(三輪舎)バッジュ・シャーム 著 スラニー京子 訳
今夜、読みました。すごくよかったです。

タラ・ブックスの『夜の木』『世界のはじまり』などの作家のひとりであるバッシュ・シャームがロンドンの高級レストランから壁画の依頼を受けてロンドンへ。彼の感じたままに綴られる言葉たちは平易ながら真っ直ぐ本質だけを射抜いていて、何度もはっとさせられる。

私たちは物をそのままに見ているつもりで、すでに或るタブローを前提に物を見せられているのかもしれない。(それにしても、バッシュ・シャームの感性と私たちの概念との間に橋渡しをするような難しい仕事を、さも容易い仕事のようにやってのけている訳者には感服せざるをえない。)

この愛おしい本に挟まれているギータ・ヴォルフ(タラブックス)らの解説はこの本を深く理解する上で素晴らしい手引きになるもの。これを読んでもはっきりとその姿勢が書かれているのですが、この絵本は決してオリエンタリズムを愛でるような懐古趣味の作品ではありません。

バッシュ・シャームはロンドンで出会った人や物を、自らのルーツであるゴンド的世界観によって形象していくのですが、そこで生まれるのはまさに「新しい神話」と呼ばれるのにふさわしいもの。ページをめくるたびに、想像を超えた発想に驚愕し、美しい絵の世界に心が震えます。こんなふうに物を見て、それを絵にできるなんて、何て素敵なことだろうと思うと泣けてきます。これはまさに「民藝的」と呼びたくなる仕事です。

三輪舎さんといえば『本を贈る』『つなみ』が当店でも好評でした。一家に一冊あると、少しだけ心の豊かさが増す本というのがある気がするのですが、『本を贈る』や『つなみ』はまさにそれで、今回の『ロンドン・ジャングルブック』も、手に入れてしまうと一生大切にしたい、思わずそう言いたくなる本だと思います。ご自身へ、大切な人へ、スペシャルなプレゼントとしてもお勧めです。

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たぷの里は傑作絵本だと思います。
松谷みよこさんの古典的名作『いないいないばあ』のような「やみつき」を喚起するような普遍性を持ちながら、コミカルな深み(藤岡さんの作品の素晴らしさは、笑ったあとに、有限性の[私たち笑ってるけどそのうち死ぬよなというような]せつなさみたいな余韻が残ること)があるから、大人も深く楽しめてしまう傑作絵本だと思います。
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by terakoyanet | 2019-09-20 09:58 | おすすめの本・音楽 | Trackback | Comments(0)

読書の秋。とらきつねで10月に開催されるトークイベントのお知らせです。


来たる10月2日(水)に「本をつくり、届けること」と題したトークイベントを開催いたします。ゲストは三輪舎の中岡祐介さん。

現在、福岡市天神イムズの三菱地所アルティアムでタラブックス展(世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦)が開催中(10月6日まで)です。中岡さんはこの展示でも大きく取り扱われている『ロンドン・ジャングルブック』(タラブックスの日本版としては最も新しい書籍)、『つなみ』(インド洋大津波の惨状と奇跡を描いた悲しくも美しい絵巻)の日本語版発行元の三輪舎の代表を務めており、日本にタラブックスの文化を広めることに大きく貢献されています。

また、本好きの方たちはきっとご存知かもしれませんが、昨年出版された『本を贈る』は編集者、校正者、装丁、製本、印刷から、営業、取次、書店員まで、文字通り本が読者の手もとに届けられるまでの間に本に関わるあらゆる人たちの言葉を集めた本です。(とらきつねの前回のトークイベントのゲスト、若松英輔さんもこの本と帯に文章を寄せています。)人の心のバトンによって本がつくられることを体現したこの本は多くの人の感動を集め、すでに3刷のベストセラーになっています。

2014年の創業以来、「速さを求められる自転車創業の世の中」に対するアンチテーゼとしての三輪的(さんりんてき)活動を行ってきた中岡さんに、本をつくること、届けることについての話を、タラブックスとの仕事も関連付けながら伺ってまいります。(聞き手はとらきつねの鳥羽和久。このイベントにもしかしたらもう1名スペシャルゲストが登壇する可能性がありますが、現時点ではまだ未確定ですので、正式な案内は控えさせていただきます。)

本が好きな方、出版に興味がある方、オルタナティブな活動を通して社会を見つめ直したい方、タラブックスの本に魅了された方、自分の足で自分にできる仕事を始めたい方など、さまざまな人にとって刺激的な時間になることと思います。(鳥羽)



◇本をつくり、届けること ~タラブックスと三輪舎の本づくり

ゲスト:中岡祐介(三輪舎) 
聞き手:鳥羽和久(とらきつね)

日時:10月2日(水)開場19:00 開演19:30
(とらきつねの店舗は18時から開いています。)

会費:1000円(学生300円・高校生以下無料)
申込方法:とらきつね店頭、またはとらきつねBASEにて事前にご購入ください。オンライン購入・店舗購入のいずれもが不可能な方はご連絡ください。当日券がある場合は、当日に店頭受付もいたします。キャンセル不可。
お問い合わせ先:092-731-0121 tobacco2@jcom.home.ne.jp


中岡祐介(なかおか・ゆうすけ)
株式会社三輪舎・代表取締役。カルチュア・コンビニエンス・クラブに8年間勤務後、子どもの誕生を機に退社し、三輪舎を2014年に開業。〈おそくて、よい本〉をモットーに出版・編集した書籍に『本を贈る』、『つなみ』、『ロンドン・ジャングルブック』など。
2019年8月より横浜・妙蓮寺の石堂書店二階に事務所を移すとともに、本屋・不動産屋・出版社の三社で「まちの本屋リノベーションプロジェクト」を設立。生活のなかに本を取り戻すための活動を始めている。
10月のとらきつね イベント情報  中岡祐介さん/植本一子さん/武田砂鉄さんのトークイベントについて_d0116009_10004189.jpg




武田砂鉄トーク「令和日本の気配と、違和感の居場所」
植本一子トーク「『台風一過』と、新しい家族のかたち」
2つのトークイベントを同日開催します。

10/14 (月・祝) 17:20 ~ 18:50 
武田砂鉄トーク「令和日本の気配と、違和感の居場所」 聞き手 鳥羽和久

彼らは「国民」という言葉を、「国民一人一人」という使い方ではなく、「なんとなく全体がそう思っている感じ」くらいに設定してくる。(武田砂鉄『日本の気配』)
武田砂鉄さんは、芸能から政治まで現代日本の「ここが変だよ」という部分を広く批評してきた、というよりはもっとシンプルに自分自身の感覚を通した「違和感」を訴え続けているように感じています。私は著書を通して武田さんの感覚のようなものを信頼しているし、そのアウトプットの姿勢(というとちょっと固いな、彼の言葉から自ずと生まれるある状態のようなもの)が好きです。だからいま、武田さんが何を話してくれるかとても楽しみです。

ご予約:とらきつねBASE https://torakitsune8.thebase.in/ または店頭にて
会費:3,000円(2つのトークに参加で4,800円)
※学生は1,000円(2つで2,000円・予約はとらきつねまでメールや電話でご連絡ください)
※高校生以下無料、お子様連れ可能ですが託児施設等はございません
※チケットレス制です。ご予約の方に予約番号をメールでお知らせしますので、当日受付にて予約番号をお申し付けください。(チケットはございません)
※キャンセル不可




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10/14 (月・祝) 19:30 ~ 21:00 
植本一子トーク「『台風一過』と、新しい家族のかたち」 聞き手 武田砂鉄

今年、『かなわない』『家族最後の日』『降伏の記録』の3部作に続くエッセイ『台風一過』を発表した植本一子さん。そこに書かれていたことは、亡くなった石田さんのこと、日々大きくなっていく娘たちのこと、子育ての環境の変化、同居人ミツのこと、そしてこれからの新しい家族のかたちについて。
武田砂鉄さんは植本さんの古くからの盟友です。(植本さんの文章にもたびたび砂鉄さんが登場しますね。)植本さんが本を出すたびに、近くで彼女の声を拾ってきた武田さんに、植本さんのいまについてじっくり掘り下げて話を聞いてもらいたいと思います。このトークの後に、植本一子・武田砂鉄のサイン会を開催します。

ご予約:とらきつねBASE https://torakitsune8.thebase.in/ または店頭にて
会費:3,000円(2つのトークに参加で4,800円)
※学生は1,000円(2つで2,000円・予約はとらきつねまでメールや電話でご連絡ください)
※高校生以下無料、お子様連れ可能ですが託児施設等はございません
※チケットレス制です。ご予約の方に予約番号をメールでお知らせしますので、当日受付にて予約番号をお申し付けください。(チケットはございません)
※キャンセル不可





10月のとらきつね イベント情報  中岡祐介さん/植本一子さん/武田砂鉄さんのトークイベントについて_d0116009_10055391.jpg



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[お知らせ]

☆植本一子 出張天然スタジオ福岡

10/13(日),14(月)に来福する植本一子さん。福岡で出張天然スタジオが開催されます。福岡にいながら東京と同じ価格で撮影してもらうまたとないチャンス。ファンの方たち、緊張しないでくださいね。きっと大丈夫ですから。ロケーションは大濠公園にて。お席に限りがありますので、早めにご予約を。
撮影料金は3万円、写真をデータにてメールで納品します。詳細はhttp://ichikouemoto.com/index.html にて。希望日・時間枠・名前(ふりがな)・住所・電話番号・撮影される人のプロフィール(家族構成・年齢など)・使用用途 を明記の上、info@ichikouemoto.com まで。

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植本一子(うえもと・いちこ)
1984年広島県生まれ2003年にキヤノン写真新世紀で荒木経惟氏より優秀賞を受賞。 写真家としてのキャリアをスタートさせる。広告、雑誌、CDジャケット、PV等幅広く活躍中。
2013年より下北沢に自然光を使った写真館「天然スタジオ」を立ち上げ、一般家庭の記念撮影をライフワークとしている。
著書に、『働けECD〜私の育児混沌記〜』(ミュージック・マガジン)、『かなわない』(タバブックス)、『家族最後の日』(太田出版),『降伏の記録』(河出書房新社)、『フェルメール』(ナナロク社・BlueSheep)、「台風一過」(河出書房新社)がある。


武田砂鉄(たけだ・さてつ)
1982年東京都生まれ。出版社勤務を経て、2014年よりライターに。
著書に『紋切型社会―言葉で固まる現代を解きほぐす』(朝日出版社、第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞)、『芸能人寛容論―テレビの中のわだかまり』(青弓社)、『コンプレックス文化論』(文藝春秋)、『日本の気配』(晶文社)、などがある。最新刊は、又吉直樹との共著『往復書簡 無目的な思索の応答』(朝日出版社、東京新聞上で約1年半にわたって交わされた2人の往復書簡を収録。)
文化放送『ゴールデンラジオ』(隔週火曜)、TBS『ACTION』(毎週金曜)に出演中。cakes,女性自身,文學界,すばる,VERY,暮しの手帖,SPURなどに連載も多数。



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by terakoyanet | 2019-09-15 10:11 | とらきつね | Trackback | Comments(0)